『きみのご冥福なんていのらない』などで知られる松尾あき先生により、2023年5月30日よりサンデーうぇぶりにて隔週火曜日更新で連載開始『ミモザイム』、芸術家?とキュレーター志望の二人による現代アートを題材としたコメディ?漫画。1話『本物の芸術家』が面白かったので感想記事。
芸術とお金
主人公である『福沢』は、芸術大学に通う3年生。芸術にまつわるテーマを分かりやすく表現することで芸術と一般人をつなぐキュレーター志望として既にそれなりに実績を積み上げている様子。
アートをいかにお金に換えるかという一点を考えており、いわゆるお金に対してがめついタイプのキャラクター。しかし、その背景にも幼少期芸術家である父親との関係に理由がありそうなことが匂わされています。この辺まで読んでいると割と真面目に現代アートとお金の関係についての真面目な話をやるのかなという印象で進んでしましたが、しかし、そこに突如現れた爆弾、超有名アーティスト『花屋敷千雄』の娘『花屋敷みもざ』て話が回り始める。
放り込まれる芸術家
同じデッサン授業を経て彼が見たのは、とてもへたくそな絵を描いている。しかし、そうであるにもかかわらず親の七光りなのか、彼女の謎のカリスマ性ゆえなのか、彼女の絵を認める周囲の生徒たちの熱狂は、なぜか教員にまでも影響を与え…。読んでいる私から見てもただのへたくそな絵にしか見えませんでしたが、なぜだかその自信を見ているとこれがアートなのか?とちらっと頭によぎってしまう瞬間もありました。
そんな彼女が金になると考えた福沢は、彼女へと接近、個展の解説を狙うが彼女に振り回される。
しかし、次の授業にて厳しい教員にその絵のへたくそさをすべてを指摘。涙を流す彼女。親の七光りキャラといえば、実はそれを自覚していて悩みがあって無理をしていたりするのが話の定番。彼女のその変人っぷりも、それを隠す蓑なのかな、などと思いましたが、驚異のポジティブハートを持つ彼女は更に恐ろしい発言を始める。無料公開中なので、ぜひここからはご自分の目でお確かめください。
まとめ
あまり現代アートというか芸術そのものには詳しくない筆者ですが、前半のそれなりに真面目な空気の中に、突然放り投げられた恐怖のカリスマとポジティブさを持つ『花屋敷みもざ』のキャラクターの緩急が面白かったです。
個人的には『花屋敷みもざ』というなかなかの人物を生み出してしまった、父親『花屋敷千雄』がどんな人物なのかもかなり気になりました。
芸術自体の知識は必要なく、キャラクターの背景なども想像しやすくて面白かったです。真面目な方向に振れるのか、みもざのキャラクターで話を回していくのか、今後どのように話を広げていくのか読めませんが、楽しみな作品でした。
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