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ユニコーンオーバーロード 感想・レビュー

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ユニコーンオーバーロード感想評価 エンタメ
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ユニコーンオーバーロード

2024年3月8日に、ヴァニラウェアにより開発、アトラスより発売されたシミュレーションRPG『ユニコーンオーバーロード』。運命にあらがう、絆と愛の幻想戦記の感想・評価となります。ネタバレも含むので未プレイの方は注意してください。

ユニコーンオーバーロード

王道のファンタジーストーリー

冒頭から始まる主人公の祖国コルニアの滅亡、母である女王が盾となっているうちに、騎士団長が王子を一人つれ、国外へと逃げていく。やがて、月日はたち、小さかった王子は、とある離れ小島で祖国復興のため反乱の旗をあげるという、王道ファンタジーといった感じのシナリオ。

突然の将軍の反乱から始まった国の崩壊、突然古代帝国ゼノイラの皇帝を名乗りだした将軍と、そして、その後ろに控える死霊術師。もうこれを見た瞬間、おそらく皆こいつが黒幕か?と皆思ったことでしょう。さらには、そんな敵がいるから、母親も洗脳されて再登場はありそうだな、と思ってプレイていましたが、ラストにはなかなか驚きの展開もあり面白かったです。

しかし、祖国滅亡から即ナレーションにて他の4国も制圧されてしまうのは、なかなか勢いのある展開でちょっと笑ってしまいました。

ちょっと残念だったのは、5つの国がある割に、それぞれの国のシナリオはほぼ独立した形になっていたあたり。そもそも最初からすべての国が敵によって制圧済みだったり、クリアする順番を選んだりすることができる面もあるため、あまり複雑にからめることは難しかったのかもしれません。そのせいもあってか、メインのヒロインであるスカーレットの活躍が、序盤と終盤に極端に偏り、中盤ほとんど空気だったのも、少し残念。とはいえ、このゲームヒロインは選ぶことができるので、あまり演出が偏っていなかったのは逆に良かったのかもしれません。

また、私のプレイのせいもあるのですが、プレイヤー率いる反乱軍は、首都周辺以外の周囲の国土を制圧したうえで、他の国を助けに行く形になっており、少しどういう状況?と思ってしまうところもありました。とはいえ、敵であるゼノイラの思惑を考えると領土を守る必要はなかったので、首都さえ奪われなければよかったというのもあるのかもしれません。それでも敵は自由に首都と近隣国で連絡を取っていたり、ちょっと細かくつつくと気になってくる部分はあり。

ところどころゲーム的な都合が感じられる部分もありましたが、各国でのお話は、それぞれ王道な展開が続き、奇をてらった展開が少ない分、安定してお話にのめりこむことができる。話が盛り上がるから、戦いも盛り上がる。ゲームに沿ったよいシナリオの作品でした。

美麗なグラフィック

ヴァニラウェアにより作られたグラフィックは、敵味方問わず美麗なキャラクターがぬるぬると動いておりとてもよい。所謂一般兵士的なキャラクターの動きもなかなかこわだっており、女性魔法使いの腰の動きなんかは、初見のインパクトがすごかったです。

とはいえ、SRPGという事もあり、戦闘シーンでずっとしっかりしたアニメーションを見続けるのはいずれ苦痛になってしまう面もある。しかし、そちらについてもこの作品では対策がされており、戦闘の早送りや、即結果まで飛ばすスキップ機能までも完備されています。ボスとの決戦など大事な戦いではじっくりと戦闘を鑑賞、細々とした戦闘はスキップしたり、早送りで見たりと遊びやすさも損なわない形となっています。

長いステージでは戦闘は結構多め、それでも気楽に遊んでいけるグラフィックの良さと遊びやすさを両立した形となっています。

自分だけの部隊を考える楽しさ

初期は1人で1部隊となっているこのゲームですが、弾だと複数のキャラクターを組み合わせて部隊を作っていけるようになります。そこで楽しいのが、キャラクター毎の個性を考えて部隊を組んでいく部隊編成。

魔法に弱いホプリタイに、魔法防御と回復のできるホワイトナイトを合わせることで、より鉄壁の形を作ったり、相手のホプリタイ部隊を突破するために、そこに特化した部隊を作ったり。飛行ユニットの弱点である弓による攻撃をヴァンガードの弓攻撃無効スキルで庇って弱点をカバーしたりと、自分だけの部隊を作っていくというのはとても楽しい。

さらに、行動に関する作戦なんかも細かく設定できるので、弱ったら回復、相手の弱点を突いた行動を選択と、考えれば考えるほど時間が過ぎていく。序盤、中盤では、戦闘よりも、部隊を考えている時間の方が長い時もあるぐらいに熱中する要素でした。

メリハリの利いたステージ構成

個人的にSRPGをプレイしていると、シナリオが進むごとにどんどんステージのボリュームが大きくなり、長いステージばかりが続くことで面倒くさくなる、という事が結構ありました。

しかし、本作では解放戦と呼ばれる街や砦の解放のための戦いは、一つの拠点を制圧するだけ。敵も数ユニット倒せばクリアできる形式になっており、非常にコンパクト。このコンパクトなステージが間に挟まることで、大規模な攻略にあたるステージとのメリハリがつき、大規模なステージでの戦いの面白さも増していたように思えます。

また時間的にももうちょっとやりたいなという時に、小さなステージを攻略、余裕をもって大きいステージに挑戦、といった感じで自分のペースで進めやすかったのはよかったです。

序盤は難しく終盤はどんどん楽に

最高難易度に当たるエキスパートでのプレイになりましたが、序盤は程よく難しい感じ。ユニットの数も少なく、できるだけ敵からの援護を受けないようにとか、このユニットはこの相手に有利だから、といった感じでメンバーを選択する楽しさがありました。

しかし、シナリオが進むにつれて段々と味方ユニットの強い動きが増えてくるため、終盤になればなるほど楽になっていく。稼ぎプレイなどもせずにプレイしていましたが、気づくと強いユニットが無双し始め、自分で使うユニットに軽く縛りを入れないと簡単すぎる程になってしまいました。サブクエストなどのわき道をきっちり埋めていくプレイスタイルだと特にそうなりそうです。

先ほど言ったコンパクトなステージも、序盤は橋の上で足止め、フィールド攻撃で削ってくるなど色々敵側からの作戦が見えたのですが、だんだんパワーで突破できるようになってしまいそのあたりも、ちょっと寂しかった気がします。

このゲームはスタミナ制を採用しており、部隊のスタミナが尽きることで移動ができなくなるという要素があります。おそらく、1つの部隊で無双することを防ぐためのシステムと考えられますが、序盤から加入するオーバンが持つ、バイタライズというスキルでスタミナを回復できる。さらに、主人公であるアレインはスキル発動のためのゲージを稼ぎやすくなる能力を持っているので、二人が揃う事で無限に戦い続ける部隊が誕生してしまいました。

単独でタンク・セルフ回復可能と、序盤は便利な王子ですが、終盤にはかなり無法な強さを見せつけてくることとなり、大事な場面以外では極力使わないように気を使ってプレイすることになりました。

細かい不満点

全体的に不満は少ないのですが、ただ一点言わせてもらうと、部隊の編成に関する部分はもう一歩欲しい点が多かったです。特にフィールドで発生する単独での戦闘に勝てる部隊をいちいち編成するのが手間でした。

このゲーム、キャラクターの作戦を細かく設定し、部隊単位で動きを決めることが多くなってくるので、それを崩してしまうのはなかなか面倒。フィールドでの戦闘限定で、通常の部隊のメンバーとは関係なく1部隊自由に作れる機能や、部隊単位で作戦など含めて覚えてくれるプリセット機能なんかがあるとよかったのかなという気がします。

ユニコーンオーバーロードの評価

評価:4.0

美しいビジュアルに、今どきだと逆に珍しい気もする王道のファンタジーストーリー、ユニットごとの特徴を考え自分だけの部隊を作っていく試行錯誤が楽しい作品でした。終盤の難易度が大分緩くなってしまったあたりは残念でしたが、それでも楽しくプレイすることができました。

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