ザ・ボーイズ シーズン4 最終回 8話『フィナーレ』感想・考察【THE BOYS】

2024年6月13日よりPrimeVideoにて配信が開始した、オリジナルドラマ『THE BOYS シーズン4』の最終回8話『フィナーレ』の感想記事になります。毎週木曜更新の本作品、ネタバレとなる内容も含まれているので注意指定ください。

8話『フィナーレ』

シェイプシフター

アニーの姿を乗っ取り、やりたい放題をしていたシェイプシフター。ヒューイは騙され大事な情報は消されるわ、20回まではいかないまでの性行為をするわ、婚約までしてしまうとやられたい放題。大統領候補の暗殺を企む彼ですが、完全に騙されていつつも少しずつその生活から違和感を感じ取り入れ替わりに気づいたヒューイにより、辛うじて暗殺は阻止することに成功。

姿どころか記憶まで読み取ることができる彼、ある意味アニーが自分自身の気持ちを見つめ直す手伝いとなり、再起のきっかけとなったともいえるのは不幸中の幸いといった感じでしょうか。しかし、婚約指輪をはめているシェイプシフターを見た時のアニーの気持ちはいったいどのようなものだったのか、想像するだけで辛そうです。

姿を変える能力に加え、身体能力もキミコの首を捻じ曲げ動けなくさせる程に非常に厄介な相手でしたが、無理やり手錠から腕を抜き出したアニーにより倒される。

改めて思うと、ニューマンを暗殺するシェルターでの発言が、リークされ報道されていましたが、この情報もシェイプシフターが映像を録画していたのかもしれません。

すべてがうまくいきそうだったのに

人を許すというテーマの元、なんだかんだ上手くいきそうな流れが続くシーズン4の最終回でしたが、最後の最後で流石ザ・ボーイズといった感じといった展開へと繋がっていく。シーズン4にて丁寧に積み上げてきた、ライアンとの関係、ヒューイの父から繋がったニューマンへの許し、セージの暗躍と追放、様々な要素を最後の最後で一気にちゃぶ台返し。全てが綺麗にまとまりそうな展開が、最後の希望だったライアンの絶望からドミノ倒しのように崩れていき、ぐちゃぐちゃになっていくのは見事としか言いようがない話運びでした。

マロリーは、ライアンを大切に思う気持ちがありながらも、ライアンがホームランダーに対抗する唯一の手段であったがゆえに、自身の立場からやらなければならない事、ライアンの確保を優先したことが全ての引き金となりました。これまでブッチャーを諫める側であった彼女が、最後に自身の立場を優先し無茶な行いをしようとしたことでライアンにより突き飛ばされ死んでしまう。それが、ブッチャーのライアンに対する純粋さへの希望を打ち砕き、能力者の虐殺の方向へ家事を切らせてしまったというのは、なかなか皮肉が効いた展開。

無茶苦茶なホームランダーの言い分に、ついにヒューイへと助けを求めたニューマン。皆は認めないという中でも、彼女を許すと言い切ったヒューイ。怪物に対抗するために人間らしさを捨ててはいけないという、その思いを皆が受け入れうまくいきそうだったところにやってくるブッチャー。その触手の能力はあっという間に、ニューマンを引き裂き全てがぐちゃぐちゃになってしまいました。

セージ

何もかもがしっちゃかめっちゃか、ある意味ホームランダー自身の脅迫が、ニューマンの裏切りを呼び、それがニューマン死亡へとつながった結果、ホームランダーの計画が崩れ去るというどうしようもない状況。ホームランダー自身も計画の失敗を知り涙する前に、ふらっとやってくるセージ。

気軽にセージが語るのは、シーズン4でのここまでの状況全てがセージの手の内という事実。ホームランダーがニューマンを脅し、その結果ニューマンが暗殺されることまで考えて動き、その暗殺まで暴露することで、別の候補を擁立し、動かしやすいその候補を操るというのが彼女の計画。

ホームランダー自身、彼女を無慈悲に捨てたことを理解しており、そんな彼女がなぜ自分を捨てるのか疑問に思うも、あくまで最初に彼女の言った通り力試しという事実は変わらない。シーズン4の全てをある意味手の内で操った彼女、果たしてシーズン5で何をするのか気になる所です。

しかし、今回もし仮にブッチャーが来ずに、ヒューイの言う通りニューマンを許す事ができていれば、ニューマンは生き残り、セージの計画自体も狂っていた可能性もあったのかもしれないというのは、今回完全勝利だった彼女に対して反撃できる可能性を示していたのかもしれません。

この罪をゆるすことについては作品としてのテーマとなるのか、はたまた、シーズン4のちゃぶ台返しの為のものだったのか、シーズン5にてどのように扱われるのか気になる所です。

シーズン4もホームランダーの勝利

これまでのシーズンでもホームランダーの勝ちでの終了ばかりでしたが、今回の終わりはそれまでともまた違う感じのある次回への幕引き。ある意味シーズン4は、シーズン5のために用意されたものといった感じもあります。

今回のセージによる筋書きは、ボーイズすらも完全に手のひらの中。自分たちの敗北を認め、逃げようとしたボーイズの面々でしたが、それぞれかつて登場した能力者たちに捕まってしまうという絶望的な幕引き。船が降ってきたときは、ディープが襲撃に来たのかと思いきや、前に見た覚えのある能力者の登場。キミコがトラウマを乗り越え、初めて声を出すシーンがフレンチ―が洗脳され連れ去られるところというのもなかなか衝撃的でした。

ヒーローたちの追撃の中、唯一逃げ切ったのはアニーのみでしたが、再び能力を発動させ最後の最後に空を飛ぶという離れ業を成し遂げていたというのが唯一の希望といった感じでしょうか。

最終シーズン シーズン5では何が起きるのか？

ホームランダーのアメリカの革命。まさにヒーローたちのためのアメリカを作ろうとする展開、そしてその裏でフェーズ2の開始を楽しみに待ってねというセージ。何やら禄でもないことが始まりそうな空気でのスタート。

さらにその裏で隔離されていたソルジャーボーイをホームランダーが発見。おそらく、シーズン5で再び目覚めた彼がどう動くのかも気になる所。

ボーイズサイドで残り自由に動けるのは、ウイルスを持ったブッチャーと、再び能力を発揮したアニーの二人。シーズン4最終回では一切姿を見せず逃げ切っていたAトレインについては、再登場からの協力なんて展開ありそうです。

ライアンまでまとめて能力者を皆殺しにする決意を固めたブッチャー、ウイルスを持った彼がどのように動くのかも気になる所。

しかし、フレンチ―がケイトの能力で洗脳され捕まっていることを考えると、素直にウイルスが効果を発揮するのかというのも謎。ウイルスの開発に成功しているフレンチ―、洗脳されワクチンを開発しウイルス打ち込みに成功しても効果がないなんて展開もあるのかも。

そして、ある意味一番キーパーソンとなりそうなのは、Vをうち能力に覚醒しただろうアシュリー。おそらく、彼女はヴォート社でホームランダー達に都合の悪い情報を知る人物が虐殺された中で唯一生き残ったキャラクターとなっています。果たしてどのような能力に目覚めたのか、その持っている情報をどう活かすのか、シーズン5での逆転の鍵は意外と彼女が握っている可能性もあるのかもしれません。

The BOYS はPrimeVideoにて配信中。