2024年秋に放送開始の作品、原作:高橋留美子、監督:宇田鋼之介によるらんま1/2の話 6話『黒バラの小太刀』 の感想文となります。旧作アニメ、原作のなどネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
6話『黒バラの小太刀』感想
黒バラの小太刀登場
東風先生への気持ちへの決着をつけたあかね、髪型もOPからもばっちり髪が短いバージョンに切り替わり始まった6話。
ここで登場するのが、黒バラの小太刀。久能先輩の妹でありますが、その先輩からすら問題児扱いを受けるというなかなかいい性格をしたキャラクター。正直、結構好きなキャラクターだったので、登場するのを楽しみに待っていましたが、改めてその異常なまでの行動力に笑ってしまう。
戦いは始まる前から始まっているとのことで、正々堂々と闇討ちにかかるという、筋が通っているような通っていないような悩ましい発言。お嬢様の定番でありながら実際に口に出すキャラクターは少ない、おーっほっほっほという高らかな笑い声。そして、好いた男に即痺れ薬を盛るという異常なまでの行動力。
するすると動きながらも、あかねの攻撃をきっちりかわしたり、例え投げ飛ばされてもするっと着地をする優雅な身のこなしも彼女らしい感じがばっちり出ており、この何をされてもきれいに受け流す様子は、彼女のふてぶてしさというか、悪びれず、くじけず、こりない、一言では形容しがたい独特の内面をより強く感じさせてきます。
らんま、あかね、久能先輩、良牙と癖があるキャラクターたちが出てきた中で、さらに一段ギアをあげたぶっ飛び具合が実によい塩梅。夜中に掛け襲撃、さらには、やりたい放題やった後に、バラをばらまいて帰ると、やっていることは非常に質が悪いのに、何やら笑ってみていていられる勢いを持ち合わせているのが、実にこの作品らしく良いキャラクター。令和版では、声優さんも佐倉綾音に切り替わったとのことですが、声もきっちり小太刀らしい高飛車っぷりが出ていて素晴らしいですね。
めぞん一刻?
そういえば、今回のお話冒頭の黑薔薇の小太刀への風林館高校の新体操部の復讐シーンの一連の流れの後のシーン、ちらっと背景に一刻館のようなものが映っていましたね。建物だけだとどこにでもありそうな建物ですが、窓から一の瀬親子らしき姿がちらっと姿を見せていたのがかなりそれっぽい。
特に本編で繋がりがあるというわけではないので、おそらくファンサービス的な演出なのでしょうが、こういう細かい部分にちょっと小ネタが仕込まれているというのもなかなか面白く、今後のお話でも背景に何か仕込まれていないか気になってきてしまいます。
“格闘”新体操
らんまとあかねのラブコメを描きながらも、きっちりバトル展開も描く本作においてこの頭文字の”格闘”とは、これさえつければ何でもバトル展開に持ち込めてしまう魔法の単語。今回は、格闘新体操とのことで、聞いている側からすると、まさにあかねの言ったよく「わからないけどわかったわ!」という心境にさせてくるなかなかのパワーワード。
何やら新体操は初挑戦とのことで、OPでも見せていた失敗っぷりを見せるあかねですが、なんだかんだ修行を重ねるときっちり使いこなせているあたりは流石格闘をやっているだけの事はあるといった感じ。すっかり、家になじんだ良牙とPちゃんが話に絡んでくるのもよいアクセントとになっていました。
そういえば、今回良牙は、広島・京都と迷子になっていたようですが、本当にどこに行こうとして迷子になっていたのか。豚から人に戻る姿を見ても一言もなく驚きもしない早雲の様子にもちょっと笑ってしまいました。
いよいよ戦いの前日、最後の特訓の最中、ボールで転び足をくじいてしまうあかね。それに代わり、すごく都合よく条件を満たして側にいたらんま。なんだかんだ買い物の時には女の方がいいや、と男女の使い分けを既に始めているらんまによるまさかの格闘新体操への挑戦と、次回が気になる終わり方となっていました。
あかね側からのやきもち
改めて今回の黒バラの小太刀が登場のエピソードを見返してみると、ここまであかねに対して好意を持つ男性が登場していくという流れからちょっとした変化を感じさせてきます。このあたりは、前回の話であかねの東風先生への好意に対する決別をしたが故に、らんまに対してやきもちを焼かせることのできるキャラクターが登場したことで、話に新しい風が吹いてきたようでなかなか面白い。こういったキャラクターが出てきたという事実が、やはり、前回のお話が大きな転機であったことを示しているようにも思えます。
そんな、あかねとらんま、互いにひかれあっているのは傍目で見ていても分かる二人ですが、素直ではない二人。どうしても、二人が相手を意識せざるおえない状況を作るには、他の誰かが絡んでくるというのが一番なのかもしれません。
とはいえ、黒バラの小太刀は、そういう役どころに持ち込むにはちょっとアクが強すぎるというのも事実。特にその手段を選ばずぐいぐいくる感じは、らんま側が徹底して苦手な雰囲気を見せているのもあり、まだまだ直接的なやきもちには繋がりにくい。このあたりは、後々シャンプー達が来てからが本番なのかなという気もします。とはいえ、こういった形で少しずつ二人の関係が進んでいく様を見ているのは今後が非常に楽しみになってきます。
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