アニメ小市民シリーズ第2期 20話『乾いた花に、どうぞお水を』冬季限定ボンボンショコラ事件感想

2025年春より放送開始の作品、米澤穂信による『小市民シリーズ』を原作とし、監督：神戸守によるアニメ化作品『小市民シリーズ』 20話『乾いた花に、どうぞお水を』の原作未読での感想文となります。アニメのネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。

20話『乾いた花に、どうぞお水を』

20話『乾いた花に、どうぞお水を』

日坂君の謎

今回の話では、小鳩君と小佐内さん、二人が揃った初めてのひき逃げ事件の続きが描かれる。

今回焦点が当たっていたのは、事件当時日坂君の横にいたらしい女性。牛尾君との話では、日坂君には岡橋さんという彼女がいるとのことですが、牛尾君が知っている通り既に周囲に公言している彼女。そうなると、わざわざ日坂君が事件現場から逃がし隠す必要もないとのことで、単に彼女の事を隠しておきたい程度の話ではない。

さらに、牛尾君の話では、部活のバッグに不自然なお守りがついていたというのも気になる所。普段男子の部室にバッグが置いてあったとのことですが、なぜか春の大会のタイミングで外したとのこと。岡橋さんからもらったものであるなら、岡橋さんも同じものを付けていてもおかしくはない。このあたりから考えると、このお守りは、隣にいた謎の女性に絡んだものという可能性が高そうに思えてきます。

このあたりの小鳩君、日坂君にも話したくない事情があるのだろうと口をつぐむ牛尾君に、日坂君の為を思ってと話を引き出していました。嘘ではないのでしょうが、なかなかずるい感じの話の引き出し方。こういう行動が、色々つもり重なって後々トラブルになってしまうのかなと思わせてくる流れでした。

藤寺君からの話

さらに、牛尾君からの口添えで事件を見ていた藤寺君からも話を聞くことができ、事件当時の話をさらに聞くことになる。事件当時やはり日坂君は隣に女性と歩いていたとのことで、事故にあった直後腕を怪我していた日坂君の代わりにスマホを取り出したのもそちらの女性。しかし、いざ状況が済むと彼女を先にいかせ、藤寺君にも黙っているように命令する。このあたりの日坂君たちの行動を見ていると、どうも日坂君の側にいることが知られると都合が悪いのは、女性側のようにも思えてくる。

この状況単純に考えるなら、小鳩君の言っていた通り、二股をかけていたという話もありうるのでしょうが、どうにも日坂君の態度を見ているとそうではないように思えてくるのが気になるところです。

その後、女性を見た藤寺君に制服の調査がお願いされる。お店の入り口で先輩二人に眺められながら結構な量の制服を調べさせられるあたりはちょっとかわいそうでした。

結果的に、その制服は中学ではなく高校の物であることが判明する。校章の話を聞いた辺りで小佐内さんが気付いたようでした。そのあたり詳しいのは来年高校入学を控えているからなのか、人脈を広げる中で知り合いがいたのか、ちょっと気になる所でした。

そういえば、今回の藤寺君は隣にいた女性を妹なのでは？と思っていましたがちょっと違和感を覚える。同じ家に住む妹なら、同じ中学に通っていると考えるのが普通。であるなら、違う制服を来た年の近い二人が側にいてなぜ妹と判断したのかが、少し気になりますね。

日坂君はなぜ女性を逃がしたのか？

やはり、中学時代の事件を見ていてわからないのは、日坂君がなぜ女性を逃がしたのかという事。

先ほどもちらっと書きましたが、単に二股をかけていたが故に、バレるのを恐れて逃がしたという感じにはどうにも見えない。まず、お守りが伊勢神宮の物というのも気になる所で、伊勢神宮はカップルでお参りすると二人の仲が悪くなるといった迷信があるとの様子。そうなると、このお守りがこの女性絡みなら、二人は恋仲ではないことを示唆しているようにも思える。

また、相手が高校生、つまり年上であったにもかかわらず、藤寺君は彼女を妹かと思ったというのも気になる所。制服も違う女性を日坂君の妹だと感じた理由が、何か他にもあったのではないかと思ってしまいます。そうなると、血縁者として感じるような接し方を見て妹と判断、実際のところは姉だったなんてことはあるのかも。

ただ、姉がいたとしても、それを隠す理由にはならず、結局のところ逃がした理由ははっきりしないまま。まだまだ情報が足りない気もしますが、更に次回追加で何か明かされるのでしょうか。