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パリに咲くエトワール 感想

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パリに咲くエトワール

パリに夢を追う二人の少女

パリを舞台に描かれる二人の少女の物語が描かれた本作。絵を描くためにパリにやってきたフジコと、薙刀を世界に広めようとする両親についてやってきた、バレエに憧れる千鶴。幼い頃に同じバレエを見ていた二人の少女、パリでの偶然の再開から物語は始まる。

千鶴の夢を応援すべく、バレエの先生との渡りを付けたりと忙しい日々を送るフジコですが、画廊をやっていた叔父の失踪によりよりどころを失ってしまう。それでもなお自ら仕事をしてお金を稼ぎ絵の勉強のためにパリに残り、そして、千鶴もまた、元バレリーナのオルガ元でその才能を見出されていく。

本作の序盤の展開は、段々と周りから認められていく千鶴に対して、隣にいるフジコ絵に関わる描写が減っていく。生活のための仕事に追われ、絵を描く時間が減っていき、それどころか、パリで本物の芸術に触れる中で自分に何ができるのかと打ちのめされていく。さらに、自分と同じく夢をもってパリに来た千鶴は、成功へのステップを進み続けているとあれば、当然焦りのようなものもあったでしょう。

しかし、周りに苦しい顔を見せようとはせず、常に前向きないつもの自分であろうとするフジコ。そんな暗い気持ちどころか、いつも前向きでいようとしていること自体を周りにほとんど感じさせることがなかったのが、彼女の凄いところ。

そんなフジコの描写でとても印象に残ったのは、薙刀を皆の前で披露しようという話が出た直後のルスランとのやり取り。フジコのいつもと違う様子に気付いたルスランの言葉に対して、フジコの口から不意に出てしまった「できてなかった?」という言葉。これは本当にささやかな一言でしたが、この一言があるからこそ、フジコがただひたすらに明るく前向き、というだけではなく、その胸の内に深い悩みがあってなお、それを周りに気取らせないよう明るく振る舞おうとしているのが伝わってくる。

フジコというキャラクターの心情の複雑さを僅かな描写で描いているシーンだったと思います。

非常に優しいお話

1912年頃からのパリを舞台にした本作、その歴史背景は現実のものと同様なため、本作も段々と戦争の足音が近づいてくる描写が挟まれていました。ただ、あくまで戦争そのものが話の主軸にくるわけではなく、二人の少女がパリにいられるタイムリミットとしての役割を果たすにとどめている。戦争中の描写自体はあるものの、二人がいるパリまでは届かず、直接戦いに巻き込まれるという事もありませんでした。ただ、それでもなお戦争が近い時期をあえて選んだのは、そこに本作のテーマがあったが故なのかもしれません。

少し話が変わりますが、本作はそれなりの数の登場人物がいますが、フジコと千鶴を取り巻く人々の描写がなかなか丁寧でした。話の主軸こそフジコと千鶴にありましたが、主要なキャラクターが一人一人が生き生きとしており、その中でも、特に印象に残ったのは、同じアパルトマンに住んでいたトマという少年。序盤から気弱な少年であることは描かれていましたが、千鶴の薙刀教室に通う中で段々と力をつけ、最後の大きな見せ場で心身ともに成長を見せてくれたのが良い感じ。このあたりの薙刀を教える描写、両親が諦めて帰った薙刀を広めようという目標を千鶴が繋いでいたとも取れるもので良い感じ。フジコの働き先のフランス人なんかも、ずっと嫌味を言ってくる立場ながらも、ひたむきに働き続けるフジコ相手に、素直じゃないながも少し態度が変わっていく。失踪した叔父、序盤に登場した暴漢たちまで予想外の活躍を見せたりと、最後にはなんだかんだ皆いい人ばかりだったなと思えるの作品でした。

この登場人物たちの優しさが戦争という過酷な状況の中でも、その傍らには普通の日常を暮らしや、夢を追い求める人たちも当然いるという、当たり前ながら忘れてはいけないこととのつながりを伝えようとしていたのかもしれません。

フジコの画家としての描写とラストのバレエのシーン

ただ、少々気になる部分もありお話的には、千鶴のバレエに挑んでいく描写はしっかり描かれていたのに対して、フジコの画家に向かっていく描写がほとんどなかったこと。パリに来て絵をかいていたというのはわかるのですが、その上達までの過程がほとんど描かれておらず、いつのまにやら絵が上手くなり、迷いスランプになり、最後に突然絵を認められた、という印象が出てしまいました。途中、絵以外の道という話もあり、てっきり商売の才能の方が開花していうなんてこともあるのかなとも思いましたが、そこは普通に画家として成功した様子。もう少し彼女がスランプになる前に、絵に向き合い上達していく。認められていく過程のようなものが欲しかった気がします。

また、薙刀でのアクションシーンや、途中のソロのバレエの練習シーンの動きは非常に良かったのですが、クライマックスの千鶴の本番のシーンは少し描写が弱いというか、クライマックスにしてはCG感が出てしまっていたように思える。一人ではなく大勢を描かなければいけないシーンなので大変だったのかもしれませんが、千鶴と本作の集大成ともいえるシーンでもあるので、ちょっと残念でした。

全体の感想

少し残念な点もありはしますが、本作の魅力はその非常に前向きで明るさ。ラストもその後に戦争の時代に向かっていく、という点を考慮しなければ皆が皆それぞれの夢を叶えて笑顔でお別れといった感じでさわやかに終われるものだったのが良い感じ。

往年の世界名作劇場をマイルドにしたような、これまで公開されてきたPVなどで感じたイメージ通りといった感じで、期待したものが期待した以上のものとして出してくれており最後まで楽しく見ることができる作品でした。

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又三郎

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