2024年6月13日よりPrimeVideoにて配信が開始した、オリジナルドラマ『THE BOYS シーズン4』の6話『汚れ仕事』の感想記事になります。毎週木曜更新の本作品、ネタバレとなる内容も含まれているので注意指定ください。
6話『汚れ仕事』
テックナイト邸宅への潜入
前回の父の死もあり非常に頑張っていましたが、前回の悲壮感に負けないぐらいのショックを受けることになる。
今回のヒューイは、スパイダーマンのようなヒーロー『ウェブイーバ―』、そのスーツを着込んでのオルタナ系右翼の集会場への潜入。何やらテックナイトからの招待を受けていたウェブイーバのその理由は、まさにボーイズらしいもの。しかし、その姿に変装していたヒューイは、その果てにアシュリーにより辱められ心に深い傷を負う事となる。
その果てにヒューイであることをテックナイトに見破られ更なるピンチとなりましたが、ギリギリスターライトたちが間に合ったことで助かる。しかし、テックナイトが縛っていたかつての助手がまさかの枷の繋がった鎖が壁からはずれ逃亡となった時には、ピンチかと思いきや、まさかの裏切り。ぬるりとテックナイトのパソコンへと移動し網膜認証を指示する流れはあまりのスピード感にどうしても笑ってしまいました。
しかし、そんなテックナイトですが、彼を育てたとされる男性も裏切り、ジェンブイでの出番が印象的だった彼も退場。名のあるサブキャラクターが退場することも増えてきて、最終シーズンが近づいていることを少し実感させてくる。
しかし、今回のヒューイはまさに災難。父の死の直後にアシュリーに辱められ、自分の幼き日の憧れのヒーローだったテックナイトも他のヒーローと変わらず変態の糞野郎だったことを知ってしまう。なかなか深い心の傷を負ってしまった様子のヒューイのラストのシーンが印象的でした。
Aトレイン
今回も受難の最中にいるAトレイン。ホームランダーを裏切り、アシュリーとは共犯とはいえその秘密を握られつつあり、いつ自分の命が消えてもおかしくない綱渡りの状況。MMに対しては、もうこんな仕事をしないと電話を入れるも、それでも協力せざる負えない状況に進んでしまう。
キミコのMM救助のお願いに対しては、徹底して断り続けながらも、最後の最後娘が悲しむという言葉を見せられ助けに動いてしまう。そして、仕方なくとはいえ、MMを病院に連れていったAトレインでしたが、それを見かけた一人の少女との遭遇は彼の今後の行動と行く末にも影響を与えそうな出来事でした。彼女がゆっくりと見せたその笑顔はまさに本当のヒーローを見たという喜びがあふれており、ある意味Aトレインが本当に求めていたものを向けられた瞬間。命の危機と、ボーイズへの協力で揺れ動く彼の今後の行動に影響を与えるシーンのように思えました。
とはいえ、MMを運んできたところを見られてしまったということ自体は、Aトレインにとっては一つのピンチでもある。彼女がもしAトレインが男を運んできていたという話を誰かにしてしまえば、そこからMMを助けた事、ボーイズに協力していることまで明らかになってしまう可能性もありそう。
シーズン4、これまで登場してきた様々なキャラクターが退場していく中で、ある意味本当のヒーローとしての喜びを知っていって変わろうとしているように見えるAトレイン。今シーズンでの彼の行く末がどうなるのか、非常に気になる所です。
2代目ブラックノワール
Aトレインが心揺れ動く裏で、暴力に酔いしれることを知ってしまったディープと、二代目ブラックノワールの会話が繰り広げられる。
ホームランダーが用意した重要なパーティーにも呼ばれなかった二人。ディープの話す、先代ノワールが暴力に酔いしれていたという話。そもそも、それ自体がディープの想像が多分に含まれていたもののようでしたが、何やら2代目ノワールには有力なブラックノワールを演じるうえでの指針として映ってしまったように思える。
暴力自体は嫌いと言いながらもホームランダーに言われるまま人を殴り殺した彼、ディープの話によくない感銘を受けてしまっていたように思えましたが、ここからラストに向けてどのように動くのか。
ホームランダー
前回、ライアンに対して父親らしい姿を見せ、何やら成長した感を出していたホームランダー。しかし、今回を見ているとあくまで一時的な気持ちの整理をつけただけだったようす。
クーデターの計画を皆に伝える舞台を用意したものの、セブンのメンバーは集まらず。頼れるセージも、頭を銃で撃たれた結果一時的に知能が下がった状態。何とか自分で勧誘しようと演説を始めるも、賛同を得ることはできず。ニューマンに助けられ話こそまとまったものの、ニューマンが主導で集めたかのような状態で、もはや彼のプライドはボロボロ。
そんなイライラが募る彼ですが、ファイヤクラッカーの自らの健康を犠牲にした母乳により、久しぶりに母乳を求める赤ちゃんモードになってしまう。いつもの流れだと今回役に立たなかったセージに対するあたりが強くなり、ファイヤクラッカーを重用することになりそうです。しかし、ファイヤクラッカーの意見を重用するということは、より過激な派閥に近づくことを意味しており、ホームランダー自身もそちらの思想に染まっていく可能性もあるのかも。
また、ある意味今彼はファイヤクラッカーにより満たされている状態となっており、そんな中でライアンをどのように扱うのかというのも少し不安を感じる。シーズン4ラストに向けて、果たしてここからホームランダーがどのように動くのでしょうか。
そういえば、今回ヒューイの仕掛けた盗聴器で、ニューマンのホームランダーに対する援護の言葉がはっきりと録音されてしまいました。あの場を収めるために、本心では思ってもいなかっただろう彼女の発言ですが、記録に残ってしまったことは彼女の弱みとなるはず。大統領選を前にあの音声が外に漏れれば大打撃ということもあり、ここからの展開に大きく影響がありそうです。
ブッチャーの見る幻覚
これまでブッチャーの良心を表すような妻の幻覚が見えており、シーズン4でのブッチャーの行動にも影響を与えていましたが、今回これまでブッチャーに糞野郎である自分を思い出させようと動いていたジョーまでもまさかの幻覚だったという衝撃的な展開が描かれる。酒を注いだシーンもそこにはコップすらなく駄々洩れ。正直こちらが幻覚だったことは全く予想しておらず、驚きの展開でした。
そんなジョーと妻の言葉は、まさに天使と悪魔のささやきのように、自分の内から出てくる二つの気持ちのぶつかり合いこそが、ブッチャーが見ていた幻覚の正体だったようです。以前のエゼキエル殺しも、ジョーの人格が体を動かしたことで起きた事件。
ジョーの幻覚が進めようとするのは、能力者を殺す薬の開発。しかし、ホームランダーを殺せるほどの薬を作れば、その薬の不安定さゆえに、空気感染による能力者の大量虐殺へと発展してしまう事が判明してしまう。それを実行するという事は、キミコやアニー、そしてライアンまでも殺してしまいリスクを負う行動となる。実行するかどうかという迷いの中で、判明した今回の幻覚の真実。
ブッチャー能力者共を根絶やしにしたいという気持ちも確かに彼の中にあるものなのでしょうが、妻の幻覚が語る言葉もまた、彼の気持ちだと思いたいところ。果たして、どの気持ちに従いブッチャーが動くのか。S4も終盤が近づき、彼の選択と行動は、大きな話の節目となりそうです。
The BOYS はPrimeVideoにて配信中。
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