2024年6月13日よりPrimeVideoにて配信が開始した、オリジナルドラマ『THE BOYS シーズン4』の7話『インサイダー』の感想記事になります。毎週木曜更新の本作品、ネタバレとなる内容も含まれているので注意指定ください。
7話『インサイダー』
AトレインとMM
今回のAトレイン、前回のAトレインがMMを助けた際、自分自身をヒーローとしてみてきた子供の視線、そのまっすぐな感情にヒーローとして満たされていたことがわかる。
ついに拠点に攻め込んできたディープと、二代目ブラックノワールからブッチャーとアニーのピンチに乗り込んでくる様は、まさにヒーローといった感じ。一度は心折れ家族と共に逃げることを選択しようとしていたMMも、逆にAトレインの言葉を受けて再びボーイズとして立ちあがるという流れは非常によかったです。
とはいえ、その行動によりディープとブラックノワールに、スパイだったことを知られてしまった彼はもう逃げるしか道はない。家族はすでに逃がし、一度はアシュリーを誘って逃げようとする。しかし、アシュリーは逃げるわけにはいかないと残ったことで、一人逃げることを選択。
本気を出したAトレインが逃げようと思えば捕まえるのは至難の業でしょうが、Aトレイン自身がヒーローとして目覚めてしまっているのがちょっと不穏要素。おそらく、次回は大統領候補暗殺の阻止となることは間違いなさそうですが、ヒーローとしての姿を見せると同時に、命の危機に陥ることもありそうです。
S4ラストにて、メイブのように生き残り逃げ切って退場となるのか、あるいは、本編での自分の罪を償う形で命を失い形となるのか、はたまたS5への続投となるのか。次回S4最終回にて、どのようになるのか気になる所です。
しかし、今回ホームランダーがAトレインの裏切りになかなかショックを受けていたのは少し驚き。走れなくなった彼に対して辛らつな言葉を向けていた印象が多い彼でしたが、やはり、セブンの初期メンバーとしてかなり信頼していたようでした。裏切りに対しては特に厳しそうなホームランダー、果たしてAトレインに対してどのように動くのか、そのあたりも気になる所です。
シェイプシフター
他人の姿になることができるシェイプシフターの能力者が登場。セージが接触していた暗殺者とのことで、大統領暗殺へ向けて動いてもいる様子。
能力の発動には、本人と接触し血を奪う必要?があるようですが、その姿の変え方は、自分自身の表面の皮膚を切り裂いて捨てると内側に当たしい姿があるというなかなかのグロさ。
何やら序盤ヒューイが手にナイフを受ける描写があり、そのあとも手の怪我に絡んだシーンも映っていたので、てっきりヒューイの姿で騙しに来るのだろうなと思ってみていました。しかし、その姿を奪われたのはまさかのアニー。なんだかんだヒーロー姿での行為に興味を持っていたヒューイはあっさりと出し抜かれ、金庫に隠していたパソコンを奪われてしまいました。おそらく、ニューマンの弱みとなる情報がすべて敵の内に。裏からニューマンを止める手段を失ってしまったようです。
ただ今回、ちょっと気になったのは、金庫の暗証番号をシェイプシフターが知っていた事。アニーの姿を奪ったことで、その知識もある程度知ることができたという事なのか、はたまたほかに情報源となる何かがあったのか。
また、姿を奪われたアニーもまた鎖に繋がれ囚われ絶体絶命のピンチ。暗殺者がアニーの姿をしているというのもちょっと怖いところで、もしかすると大統領暗殺をアニーの姿で行うなんてこともあるのかもしれません。
ウイルス
何やらあっさりと釈放されウイルス開発の助手を務めることとなったフレンチ―。キミコとの会話では、お互いに自分自身の罪は、自分では許せない。しかし、その罪に苦しむ自分を見る他人からすればもう許してあげてもいいんじゃないかと思う。ある意味鏡映しのように自分自身が犯した罪に悩む二人が、互いを許してもいいんじゃないかと語り掛ける流れをやりたかったがために、S4でのフレンチ―周りのちょっと急な展開があったのかなと思う。
そんな二人、足を切られた研究者には相応に同情している様子で、ウイルスを作ってしまえばあとはブッチャーの考えなど知らずに逃がしてしまおうとちょっとしたいたずら心の善意を抱える。しかし、今回は、その善意が油断となり、キミコにウイルスを撃たれてしまう。ウイルスをニューマンには使わないと一度は答えたものの、それが嘘であると気づかれてしまっていたようです。
ギリギリ足を切断することで、ウイルスに命を奪われることは阻止したキミコ。その足を元に、新たなウイルスを作る。ホームランダーには効かないが、ニューマンになら効くかもしれない。
メタ的にこの言葉を捉えると、ニューマンとの決着がS4でつくという事なのかもしれません。ヒューイの最後の呼びかけに対して、それでもホームランダーとの計画をやり遂げると動き始めたニューマンが、S4、最後の相手となるのでしょうか。
ホームランダーとライアン
今回、ホームランダーとライアンにとって、大きな節目となりそうなエピソードが描かれる。ホームランダーの指示により作られた、家族すらも信用してはいけない、身近な人だろうと、先生だろうと、通報しようという歌。
しかし、ライアンは、そんなホームランダーによってつくられた歌に対して、それは間違っていると素直な気持ちを生放送中に発する。以前は、自分の好きなようにするといいといったホームランダー、そのライアンの姿を呆然と眺めていた彼は、何を思っていたのか。
そして、その裏で一人自身の腫瘍の見せる幻覚の誘惑の言葉に惑わされそうになっていたブッチャーは、逆にその言葉に希望を見出す流れが非常に良かったです。能力者は皆殺しにしてしまえと言う腫瘍に対して、必死に抵抗を続けるブッチャー。しかし、それでも再び酒におぼれ、少しずつ心が傾きつつあったように思える。そんな瞬間だったからこそ、ライアンの覚悟を決めたピュアな叫びがまさにクリティカルに心に響き、妻との願いを超えて守りたいと思えるものを見つけた瞬間といった感じでした。
とはいえ、そのラスト、ブッチャーは倒れ、微笑むのはジョーの幻覚。いよいよS4ラスト前、味方は皆ボロボロの状態で果たしてどう暗殺者との戦いに向かう事になるのか。次回、S4最終回がどうなるのか気になるラストとなりました。
The BOYS はPrimeVideoにて配信中。
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