2024年秋に放送開始の作品、監督:上村 泰によるネガポジアングラー 6話『TAI LOVER』 の感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
6話『TAI LOVER』感想
アイスとアルア
他所の国の言葉で話しかけられ、英語も通じず、更には店長も逃げてしまいと、散々な接客トラブルに巻き込まれた常宏をアイスさんが助けたことから始まった今回のお話。
アイスさんとアルアが何を思っているのか、何をしているのかというあたりに触れられる。その中でもアイスさんの普段の姿との物理的なギャップのある仕事への適応っぷりには、本人だとわかっていても頭が混乱しそうになる河りぷでした。
なかなか癖が強そうながらも、これまでそこまで常宏とは絡んではいなかったアイスさんとの交流を描く中で、今の常宏を受け入れてくれる周囲との関係の大切さをより一層実感させるお話といった感じでなかなかよい余韻を残した終わり方でした。
タイではなく鯛
そんなアイスさんから、タイに行くと話が上がった際には、正直本当に今回はタイでの釣りのお話でも描くのかと思ってみていましたが、鯛ラバとのことで、鯛の釣りを行うというのが本題。
釣り船に乗っての釣りのお話という事で、前回を見るに、ハナちゃんと一緒ならどこへでも行きそうなこずえちゃんが釣り船を避けるというくだりは、相当彼女のトラウマになった出来事があった様子。そして、今回常宏がおそらくこずえちゃんのトラウマとなったであろう船酔いにかかってしまう。更には、こういう場面では強そうなアイスさんもきっちり船酔いになり、共に船酔いしたが故の距離の縮まりといったものも感じさせる展開でした。
今回特にと印象に残るシーンとなったのは、常宏が最初嫌がっていたパクチーを自ら食べに向かうところ。これまでの常宏であれば、嫌な物は嫌と毛嫌いして絶対に食べようとしなかっただろうパクチーを食べるという話の流れ。ここは、まさに今回のアイスとの交流の中で、常宏が変わったところ、苦手だと思っていたものに対して挑戦し、意外とそれも悪くないと思わせる気持ちの芽生えを描いており、まさに今回の話の肝となる部分だったように思えます。
寿命を告げた常宏
今回、もう一つ常宏が大きく動いたのは、彼の寿命の件をアイスさんに相談したというところ。以前、躑躅森に話した際には悪い冗談として一蹴されてしまい、それ以降は一切話題にあげようとしていなかった余命2年という話。
今回、もしもの話としてでも、アイスさんに相談したというのは、アイスさんの生き様のまぶしさに常宏が引かれたからといった感じでした。しかし、常に前を向いて生きる彼女の答えは少し意外な部分もあり、それがまた彼女の人としての魅力を高めているようでした。
ただ、やはり今回は常宏が今の周囲の人と付き合いの大切さを実感させるお話といった感じで、この問答もきれいにまとまっていました。
少しずつ、しかし確実に周囲の人の大切さ、前を向くことの大切さに気付き変わっていく常宏ですが、やはりその裏に付きまとうのは2年という余命の問題。いつか、周りに伝えることになりそうですが、果たしてどのような話から繋がっていくのか、どのような反応を見せるのか、今から気になってきてしまいまう。
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