超探偵事件簿 レインコード
2023年6月30日にスパイクチュンソフトより発売された、ダークファンタジー推理アクションゲーム。
記憶喪失の少年『ユーマ・ココヘッド』を主人公とし、『全世界の未解決事件の撲滅』を掲げる世界探偵機構の探偵としてカナイ区にて未解決事件の調査に参加する。
超巨大企業『アマテラス社』の支配下にある奇妙な街『カナイ区』では、未解決事件が多発している。超探偵と呼ばれるそれぞれ特殊な力を持つ超探偵たちと、3Dフィールドで構成された街を自由に歩き回り証拠や証言を集めて調査を進めていきます。
ダンガンロンパスタッフが再結集して作られた新作推理ゲームです。ADVということで、シナリオに関するネタバレはなし、興味のある方向けの感想・レビューとなります。
プレイ時間について
おそらく30~40時間程度になると思います。ただ、ADVということで文章の読む速度や、ボイスをしっかり聞くかどうか、あとは収集要素をきっちり集めるかといったところで多少個人差はあると思います。
ダンガンロンパ?
おそらくこのゲームに『ダンガンロンパ』の匂いを感じて興味を持たれた方も多いと思います。制作者には、『ダンガンロンパ』シリーズに関係した方も多く、グラフィックなどもかなりダンガンロンパを連想させます。
ダンガンロンパらしさは、プレイしてとても感じました。キャラクターのグラフィックはもちろん、癖のある性格なども感じられ、特に本作の推理パートに当たる謎迷宮はやってるとダンガンロンパを思い出すような要素が盛りだくさん。総じてみると、色々な意味でマイルドにしたダンガンロンパという感じの作品でした。
パロネタ・下ネタについて
パロネタについては大量に放り込まれています。製作元であるスパイク・チュンソフト作品については当然ながら、C○COMや、ス○ウェア・エニックスなどなど各種ゲーム会社や、某マンガ雑誌の少年探偵や、ド○えもんなど、色々パロディネタは豊富。
下ネタについては量が減り、内容も小学生の下ネタ程度に抑えられているため、ダンガンロンパでのちょっとしつこいぐらい生々しい下ネタが苦手だった方にはうれしいかもしれません。個人的にもどちらかというと苦手だったので無駄にきつい下ネタがないのはありがたかったです。
キャラクター
仲間キャラクターで特にダンガンロンパらしさを感じるのは、主人公『ユーマ・ココヘッド』の相棒である、『死に神ちゃん』。ビジュアルは、ダンガンロンパのとある人気?キャラクターを連想させるこの子。果たしてダンガンロンパと何か関係はあるのか?と疑わせてきます。ダンガンロンパと関係あるかどうかは、実際プレイして確かめてみてほしいです。
前述したように色々マイルドになった『ダンガンロンパ』といった感じの作品なので、この作品が気に入ったら『ダンガンロンパ』シリーズにも手を出してみるといいかもしれません。
予想だにつかない展開
シナリオは殺人がどうしてもかかわることもあり、露悪的な面もありますが大筋は王道なのは前作と同じ。特に最初の章から大きく話を動かしてくるのは、この先どうなるのかと興味を惹かれて楽しかったです。
ただ、全体の話を引っ張る謎への興味の引かれ方は少し弱かったかなという気はしました。
ダンガンロンパの場合、わけのわからない状況に最初に放り込まれ、それを追求していくという大きな謎に興味を惹かれて先に進みます。
レインコードにも話を主導する一つ大きな謎はあるにはあるのですが、意味深な単語こそ出されるものの、色々伏せられたまま進むので、そこまで興味を惹かれなかった。その点は、ちょっと残念だったかも。
個人的には、シナリオはもう一捻りあるかなと思ったあたりで割と素直に終わってしまい、ある意味拍子抜けしたところはありました。しかし、キャラクターの口から語られる情報の濁し方がうまく、キャラクター間や、シナリオの全貌を予想しながらプレイしていくのは楽しかったです。
お話は自体は最後まで楽しめましたし、非常に王道なシナリオが展開され、話の結末もはっきりと提示されたのでよかったです。
気になった点
ロード時間
全体的にロード時間が長め、章をまたぐあたりなどは多少長くても気にならないのですが、謎迷宮での『推理デスマッチ』が始まる前のロードは演出と相まって、これゲーム止まったんじゃないか?と最初思ってしまいました。
また、調査のためマップ移動をする際などもそこそこ長めのロードが入るので、極力マップ移動は避けてプレイしたくなってくる。フィールドに収集要素や、ほかキャラクターとの会話イベントなどもありますが、都度そこそこのロードが入るのでめんどくささを感じてしまった。
割と簡単なトリック
ダンガンロンパシリーズとの比較になりますが、今回調査してから謎迷宮に入るということもあり、割と推理に入る前の段階で事件の大体の流れを予測できる程度の材料はそろってしまうことが多いです。
ダンガンロンパでは、議論しながら推理する性質上、推理開始後、議論の途中で突然重要な情報が開示されることもあり、事件前の段階ではさっぱりわからないまま推理に入らなければいけないこともたびたびありました。その謎にひかれて、ちょっと面倒なミニゲームパートもあまり気になりませんでした。
レインコードでは、事件にあたる探偵が優秀なのか、概ね事件の重要な証拠が揃い、プレイヤーも事件の大体のあらましを理解したまま推理パートに行くともあり、間に挟まるミニゲームがただめんどくさいなとなることが多かった。
推理しやすいという意味ではミステリーゲームらしさはこちらの方が強いのですが、個人的にはよくわからないまま議論していく方が楽しかったです。
キャラクターはちょっと薄め
これもダンガンロンパとの比較になりますが、どうしても街での探偵という事でキャラクター間の関係やそれぞれのキャラクターが薄目に感じることが多かった。
ダンガンロンパシリーズでは、デスゲームによる強制的な密室と、議論による推理によりキャラクター間の関係性が非常に密に描かれていました。
レインコードでは、探偵として街での事件に取り組んでいくということで、街に住む様々なキャラクターが登場します。しかし、その代わりにそれぞれの個人と、キャラクター同士のかかわりに割く時間が短くなり、キャラが薄く感じたのかなという気がしました。
とはいえ、この辺りはそれぞれの良さがあり、人によって好き好きという気もします。
謎を残したまま終わるサブクエスト
単なるホラーオチなのか、何かまだシナリオに仕込みがあるのか、よくわからないまま終わるサブクエストがありました。本作はDLCが用意されており外伝的なシナリオがあるようなので、そちらで回収されるのかもしれません。
まとめ
評価:
全体的にマイルドにしたダンガンロンパといった感じの作品でした。
当然新作として独立した作品となっているので、ダンガンロンパの知識がなければだめという事は一切ないので、ダンガンロンパを知らない方にもお勧めできる作品です。逆に人を選ぶぐらいとがっていた部分もマイルドになっているので、ダンガンロンパに興味あるけど怖いという方には逆にこちらから入ってみるのもよいかも。
推理パートなども割と簡単目になっており、やり直しなどもかなりしやすい。キャラクターには強化要素もあり強化していくことで推理が楽になりますが、私は一切強化しなくても問題なくクリアできました。
『ダンガンロンパ』を知ったうえでの、アクの強さを期待して購入したところもあったのでその点は少し残念でしたが、作品としては非常に面白かったです。
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