2023年7月8日に放送開始した円谷プロダクション、監督田口清隆による製作の2023年の新ウルトラマン『ウルトラマンブレーザー』。第15話『朝と夜の間に』の感想文です。
最新話のネタバレを含みますので未試聴の方は注意してください。
15話『朝と夜の間に』感想
子供と怪獣
アラタ少年とゲント隊長の息子ジュン君。工事現場にある秘密基地。そこで書いていた怪獣の絵に、謎の光線が降り注ぐことで本物の怪獣になってしまうというお話。何やら光線が降り注ぐ際には、声が聞こえましたが、何らかの意図が働いていたのでしょうか。
今回、怪獣となったのは、二次元怪獣『ガヴァドン』、最初は小さな絵が変化したので、かわいいぬいぐるみのようなものでしたが、子供たちが大きく描くたびに巨大化。最後は、ガヴァドンを退治しようとする大人たちに対抗して、もっと大きく描いたことで巨大怪獣となり町に被害を与えることに。
「ガヴァっとでてきて、ドーンとぶっ壊す。」からガヴァドン、とのことでしたが、実際ガヴァっとも、ドーンともしていない、ずっと寝ているのんびりした怪獣でした。しかし、アラタ少年の描いていた、最強の怪獣ラジガリベリビンバの方が怪獣にならなくてよかったです。
どこか懐かしい感じもする話運びでしたが、怪獣のことを誰にも言ってはいけない、という話をネットでつぶやいちゃった妹というのは、実に現代のお話という感じがしてちょっと笑ってしまう。
今回のお話では、どことなく大人びた空気を持つ子供たちが、ガヴァドンという怪獣を前に子供らしさをむき出しにするという部分は、ある意味特撮ヒーロー、巨大怪獣に対する理想のようなものも感じられました。
ガヴァドン
今回登場のガヴァドンは、ある意味これまでの怪獣の中で一番厄介な怪獣だったような気もする。
小さい頃は、ふわふわのぬいぐるみといった感じのもふもふボディでしたが、巨大化してもそれが健在。地球防衛隊のミサイル攻撃も、ぽよーんと弾き、ウルトラマンブレーザーも、初手チルナイトソードの殺意の高い一撃をくらわそうとするもあっさり弾いてしまう。
そのもふもふボディゆえに、ブレーザーも苦戦し、UFOキャッチャーじみた技を発動して掴む。しかし、何一つ解決しないまま、時は夕暮れ。おそらくウルトラマンブレーザーの単独の戦闘時間としては、一番の長丁場になっていたことは間違いない。
もはや、ブレーザーの動きにもどこかキレがなくなり、すっかり疲れ果てた終わりの見えない泥沼プロレスといった様相を呈してきたところで、子供たちの声を聴いてブレーザーは宇宙へとガヴァドンを運んでいくことになる。
ガヴァドンは何かをしたわけではない。ただ、寝ていただけ。しかし、巨大であるということはそれだけでライフラインを破壊してしまう。
緩い怪獣と、どこか不思議な空気も感じさせるお話でした。
ゲント隊長
今回のお話は、ゲント隊長にしてみると非常に珍しいお休みの日を描いたお話でもありました。普段は仕事が忙しく、子供の運動会の日も忘れてしまっている。ジュン君もこういうことの繰り返しで、色々大人のことを察して動く、良い子供になっているのかなという気もする。
たまの休みに子供と遊ぼうとしても休んでていいよと言われてちょっとシュンとしていたり、最後のジュン君が遊びに行こうといってくれたときのはしゃぎようを見るに、本当にどっちが子供なのかという感じもある。
なにもかもが緩いガヴァドンと同じ回であることを考えると、忙しすぎる現代を暗に描いているような気もします。
16話『恐怖は地底より』
幻視怪獣グージョン。モグラっぽい名称から原始怪獣かと思ったら、幻視怪獣。何やら幻を見せてくる様子ですが、どのような戦いとなるのか。
ウルトラマンブレーザー
世界的な怪獣災害の発生を受けて、世界各国が地球内外の怪獣や地球外生命体に対処すべく1966年に地球防衛隊『GGF(Global Gardian Force)』を設立。
ある夜出現した宇宙怪獣『バサンガ』の出現に対し、ヒルマ・ゲント率いる特殊部隊は、絶体絶命の危機に陥る。その時現れた未確認大型宇宙人『ウルトラマン』と出会う。ウルトラマンブレーザーとなったゲント隊長は新設組織『SKaRD(スカード)』に配属された個性豊かな隊員たちと共に、新たな戦いの日々へと向かうことになる。
見逃し・配信情報
Youtube『ウルトラマン公式 ULTRAMAN OFFICIAL by TSUBURAYA PROD.』にて見逃し配信が行われているようなので、気になる部分は見返すことも可能。
さらに、AmazonPrimeVideoでも過去のエピソードを配信中。
TwitchやAmazonPrimeのウォッチパーティー機能にも対応しているため、会員同士なら同時視聴も可能。Twitchで普段動画配信されている方は同時視聴などを企画されてみてもいいかもしれません。
コメント