2023年夏に放送開始した『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚』アニメ 17話『決着』の感想文です。
原作既読なので作品全体に関するネタバレもある感想。原作未読のままアニメで初めて触れる方は注意してください。
るろうに剣心 明治剣客浪漫譚
和月伸宏により、週刊少年ジャンプにて連載されていた漫画作品。過去にも一度アニメ化されていますが、今回再アニメ化となるようです。
幕末、人斬り抜刀斎として数多の命を奪った剣客、緋村剣心。明治維新後、彼は人を殺さぬ刀『逆刃刀』をもち、『不殺』の誓いを胸に流浪人としてさまよう。神谷薫や仲間たちとの出会い、過去の因縁に触れる中で、己が過去へと向き合い新たな時代での生き方を考えていくことになる。
ちなみに、現在ジャンプSQにて、本編の直接の続編にあたる『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚・北海道編-』を連載中。瀬田 宗次郎や、新月村の少年、石動雷十太の弟子であった弥彦のライバルの由太郎など、原作に登場した様々なキャラクターも再登場している作品です。
17話『決着』
由太郎と弥彦
「右手が動かない、夢じゃないんだ。先生に裏切られた。」前回、飛び飯綱を受け、腕を斬られた由太郎。腕を切り落とされはしなかったものの、その腕は動かなくなってしまう。ふさぎ込む由太郎に、それでも「決着を見届けないと立ち上がれなく。」と連れ出す弥彦はなんだかんだ由太郎のことをよく思ってるのがわかる。
本編通して、ある意味唯一の同年代の男友達となった弥彦と由太郎でしたが、同じく士族であった者同士という共通点もあり。正反対のような性格をしているように見えますが、根っこの部分はよく似ているような気もします。
剣心達が、由太郎を前に何も言えない時でも、弥彦だからこそ最後の由太郎への言葉につながったんだなと思うとよかったです。
この話全体を通して、弥彦と由太郎との関係がしっかり描かれており、ラストでの由太郎との別れの際、あえて挑発して元気づけるという流れが綺麗にはまっていてよかったです。
雷十太
殺人剣として、新・古流剣術を復活を狙う雷十太。剣心との戦いの中、人にかすり傷をつけるだけで喜ぶ姿に、人を殺したことがないことを見抜かれる。
飛び飯綱による距離をとった戦いを破られ、弥彦を人質ととるも、弥彦自身の覚悟の前に結局殺すことも出来ない。
人を殺すための剣術を自ら復活させながらも、人を殺せない人物という矛盾点。そのあたりの意味をといてくるようなお話だった気がします。
そして今回、その雷十太が人を殺せないという点を際立たせたのが、おそらく今回追加のアニオリCパート、誰でもいいから人を斬ると、老婆と少女をにらみつけ、それでも結局殺せない。そのことを悲しむも、逆さになった地蔵がほほ笑む。結局雷十太は人を殺せない人物でしたが、だからこそ最後に地蔵が微笑んで見せたというのは、人を殺せなかったキャラクターの落としどころとして非常に良い追加だったと思います。
幕末の動乱を経験したことのない、人を殺したことのない人たちの視点から、これからの剣術はどうなっていくのかという点を描く話。剣心や当時の剣術を知る人たちだけでは出せなかっただろう答えを、これからの未来に生きる人たちの視点から感じることができたというお話として、こういう終わらせ方はよかったなと思いました。
このお話全体的に、現在連載中の北海道編でのテーマと何となく被る部分もある気がしますし、今回の追加シーンも含めて漫画の方でも出番あるかもしれませんね。
第18話 『左之助と錦絵』
正直かなり記憶が怪しいのですが、おそらく左之助と赤報隊のお話でしょうか。むしろ覚えていないゆえに楽しみというところもありますね。
AmazonPrimeで最速配信
2023年版『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚』の新アニメについては、PrimeVideoにてネット最速の配信がされ、テレビ放送の翌日金曜正午に更新されるようです。
見返したい方、見逃した方などはAmazonPrimeにて見てみるとよいかもしれません。
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