2024年春に放送開始の作品、監督水島努、シリーズ構成:横手美智子、キャラクターデザイン:西田亜沙子による『終末トレインどこへいく?』1話『ちょっと行ってくる』の感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
1話『ちょっと行ってくる』
7Gによる事故
ひとまず世界観の説明と、主人公たちが旅する目的を語るといった感じの第一話でした。
最初に登場したのは、『中富 葉香』と呼ばれる少女、今回語られた話から考えると2年前何らかの理由があり、千倉 静留と喧嘩、その果てに池袋まで一人電車に乗って移動。その際に不幸にも、7Gの起動者に選ばれてしまう。新世代の7Gという通信網、何やら物と直に交流するといった感じで非常に怪しいものでしたが、その起動に生じた事故で世界が混沌としてしまい戻るに戻れなくなってしまったようです。
しかし、7Gの起動を促したポイズンポンタ郎はまさに悪役といった感じですが、葉香と共にこの2年間で何をやっているのでしょうか。
2年後
てっきり、中富 葉香が主人公なのかと思って見ていましたが、むしろ彼女は主人公たちが旅立つ動機といった感じの様です。話はあっという間に2年後に飛び、7Gの影響で変わってしまった世界が描かれました。
主人公たちの住む吾野では、人が動物になってしまう世界とのことで、町には動物どころか、なんなら恐竜まであふれている。それでも、会話はしっかりできるあたりが、実に妙な世界観。他の町は動物どころか木になってしまった町もあるようで、まだましな方なようです。
さらに、他の町との距離も異常に遠くなってしまったとのことで、物のやり取りもとても大変に。それを担っているのがクロヒョウキャラバン隊なる組織のようでしたが、その輸送設備のものものしさから、その過酷さがわかりました。トラックには血のような手の後もついており、犠牲者も多く出ていそうです。果たして、町と町の間で何が起きているのか、というのは次回以降明かされそうですが、ろくなものではなさそうです。
しかし、本編でもちらっと触れられた通り、その変化はいつより顕著なものになってもおかしくはないようで、特に今回のマレーグマの人の肉を求めた様を見ていると本当に動物に変わってしまうときもそう遠くないように思えました。今はなんとか緩い感じで過ごせていますが、実際のところかなり切迫した状況となっているようです。このあたりをどうにかする、というのもこの話の目的となるのでしょうか。
少女たちが旅立つ理由
そんな2年後の狂った世界、クロヒョウキャラバンが持ってきた荷物に入っていた新聞紙。そこに中富 葉香の姿が描かれていたことから少女たちは葉香を探して旅に出る。
電車を動かせる理由なんかは、町に戻ってきた善次郎なる人物から教わったという事のようですが、その辺は大分バッサリカット。善次郎自身も、7G事件の主犯者であるポイズンポンタ郎との関係もあったようで、このあたりもいずれ描かれることになりそうです。
葉香は、池袋にいるということがわかり、吾野から電車を動かし旅立っていく。まさにこの電車こそ終末トレインということなのかもしれません。しかし、一人旅立とうとする葉香につられるように、あっという間に追加で3人乗り込むスピード感は、あまりの迷いのなさにちょっと笑ってしまいました。しかし、皆動物の姿となり、本当に動物になってしまうかもしれない、ある意味どん詰まりのあの町から皆飛び出してみたいという思いはあったのかもしれません。
しかし、まさにサブタイトルの『ちょっと行ってくる』の通りの軽い旅立ち。7Gにより変化してしまった世界はなかなか過酷なようですが、果たしてどのような旅路となるのか、気になるところです。
吾野から池袋
本作は、会話劇のテンポがなかなかに早く、ぽんぽんと進んでいくお話は結構楽しそうな空気はあり。とはいえ、まだまだよくわからない部分も多く、ここからどのように話が広がっていくのか次第で楽しめるかどうかも変わっていきそうです。
主人公たち4人組が出発した埼玉県の吾野駅から、東京都池袋までの距離感というのがよくわからなかったのでGoogleMapで見てみましたが、電車であれば本来2時間ぐらいの距離。しかし、7G事件での影響によりおそらく長い旅路となりそうです。
駅毎にそれぞれ異なる変化を遂げた町での事件に巻き込まれていくという流れになるのでしょうが、果たしてどのような異質な町が登場するのか、そこでどのような事件が起きるのか、というのが話の見どころとなりそう。
そういえば、少し気になったのは『終末トレインどこへいく?』という作品名。今回ラストでも残り30駅と表示されており、どこへ行くかについても、池袋に行くことがはっきりと明かされているはず。それでもタイトルに『どこへいく?』とつけているのは、果たして何を意味しているのでしょうか。
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