ラストカルテ ―法獣医学者 当麻健匠の記憶―
2024年4月24日に発売された週刊少年サンデー2024年22号にて、浅山わかびによる漫画『ラストカルテ』の最終回が掲載されましたので、最終回と全体の感想記事です。
最終話・全体の感想
最終回は、前回のエピソードに続きまさにエピローグといった感じのお話でした。前の話から、ラストカルテで登場したキャラクターの成長した姿で登場し、本編のその後が描かれる中で、本編でのお話も頭に浮かんでくるような内容になっており、なかなか感慨深かったです。
作品としては、生き物の生死にスポットを当てながら、生き物の生態や、解剖といった生きている動物を治療するという話とはまた違ったスポットから描かれる物語といった感じでしたが、どのエピソードも動物に対して真剣に付き合っていく姿勢が描かれ、これまで知らない視点から、生き物を見せてくれるような作品でした。
正直、まだまだ続く作品だと思っていたので、割と急な最終回告知がショックでもありましたが、最後のクマゴロシノシカエピソードは、ここまでの当麻の物語の総括として納得できるお話でもあり、寂しいながらも満足できるお話となっていました。
エピローグ前半に当たる前号での話では、達美さんと、雪裡さん、達美の姪っ子である由仁に、叔父さん、叔母さんと呼ばれる関係になっており、何やら結婚までたどり着くことに成功していたようで、本編のあのすれ違いというか、ずれっぷりからここまでいけたというのもよかったですね。
最終回、エピローグ後半は、本作の主人公である当麻と、その相棒とでもいうべき茨戸の二人に焦点を当てたエピローグ。成長しても昔の空気そのままの当麻と、新しい道へ進む覚悟を決めた茨戸、それぞれの大人になった二人の語り合いが非常に良い空気で終わるお話。ラストふわりと落ちてきた黒い羽が、1話のカラスの件を思い出させるのも物語の締めとしてよかったです。
お話はしっかりまとまって終わり、きちんと完結した満足感はありますが、やはり、まだまだ続くと思っていただけにここで終わってしまうというのがなかなかショック。高校卒業、大学入学と進み、いよいよここからかな?というところで、まだまだ読みたい漫画だったという気持ちもあり残念ですが、また次の作品を楽しみにしたいです。
コメント