GLITCH Productionsによる、デジタル作品THE AMAZING DIGITAL CIRCUS:(アメイジングデジタルサーカス)の2話『Candy Carrier Chaos!』 が2024年5月4日にYoutubeで公開されました。この記事は、そちらを視聴した感想・考察記事となります。内容のネタバレも含まれますので注意してください。
THE AMAZING DIGITAL CIRCUS – Ep 2: Candy Carrier Chaos!
明るく陽気な雰囲気を漂わせつつも、古いゲームのような世界に迷い込んでしまった女性ポムニーをメインに、ちょっぴり(とっても?)ダークな世界観で贈るブラックユーモアにあふれた作品。
今回は、キャンディーキャニオンキングダムでの冒険に旅立ちます。そこで出会ったワニのNPC達との交流が描かれます。
Ep2 Candy Carrier Chaos! 感想
前回のエピソードから、結構たっての続編でしたがお話自体は、EP1の翌日。今回のケインによる提案された冒険はキャンディーキャニオンキングダムに用意された新たな冒険。
あまり気乗りせず早々に去っていったズーフーを除いた面々は、半ば無理やりゲートの向こうに放り込まれる。新たなAIもいる、との紹介でたどり着いたキャンディーキャニオンは、まさにお菓子の国。何やらメイプルシロップがギャングたちに奪われてしまったとのことで、それを取り戻すというのが今回指定された目標ですが、そのかわいらしい雰囲気の割に、異様に物騒な車を使った冒険のスタート。しかし、大衆のNPCが思いっきりただのデク人形なのはケインの手がそこまで回らなかったのでしょうか。
メイプルシロップを奪ったガングル―達と、それを取り返すために追いかけるポムニ一行。相変わらずのポムニのひどい扱いに加え、何やらドンパチでテンションが上がっているジャッカス。
そんな派手なぶつかり合いの果て、チョコレートの川に落下してしまう面々。しかし、その中でもガングミーとポムにだけは全く別の場所まで落ちてしまう。
地下のマップ、まさにプレイヤーやNPC達は知らなくていいデータ置き場のような世界。そこに落ちたガングル―は自分たちのモデルデータを見てしまい、ともに落ちてきたポムニから話を聞くことで、自分たちがNPCであることを知ってしまう。
メイプルシロップを奪う理由であった母親、故郷、そのすべてがただの設定と気づいてしまったガンミグーの悲哀はいかほどの物か。NPCである彼の悲哀に共感してあげられるポムニ。ある意味彼女も、アメイジングデジタルサーカスにきて、元々の記憶もない自分の存在は、NPCとそう大差ないと感じたのかもしれません。
その励ましの言葉と、共にサーカスに行こうというポムニの提案の元、トラックに乗る二人。何やらトラックの当たり判定の異常を利用し、空に向かって飛び立つ。
このあたりも、まさにゲームにおける物理演算のバグを利用したモーションといった感じがするお話でした、なかなか希望にあふれた展開。
自分の境遇を知ってもなお、仲間には伝えないでくれと周りの心配をし立ち直ったようなガンミグー、実によいキャラでした。
ガンミグーの最後
ガンミグーの最後はNPCだからそうなるよね、と予想していた通りの話ではありましたが、なまじ一度ゲートの通過はできてしまうというのがひどいところ。サーカスに戻る際のあのゲートを潜り抜けていく演出を見た時に、順番に抜けたはずなのに、向こうについたらガンミグーだけいない、なんてことがあるんだろうなと思って見ていただけに、そこを抜けてもガンミグーが残っているのには少し驚く。
てっきり、このまま新キャラクターとして加入、という事になるのかと思ったところ、容赦なくケインの手により消されるシーンはあまりにもあっさりとしておりひどい。ケインは、人とNPCで区別がつかなくなったらどうなってしまうのか、と言っていましたが、むしろこのあっさりした消去で狂ってしまいそうな勢い。
しかし、この発言をした時のケインが一瞬フリーズしたのは、自分自身もまたNPC的な存在だからということなのでしょうか。
共にマップの下に放り込まれ脱出を行い、友達になった二人、あまりにも無情な別れ。
ラガタの話に合った、NPCを再利用するという話がちらっとありましたが、今後のエピソードで再び出番が来ることはあるのかもしれません。とはいえ、あくまでNPC、仮に再登場しても同じ人格を持った彼が出てくるのかどうかは不明。下手な展開だと、同じ姿で中身は別人なんて可能性もありそうで怖いですね。
皆の気持ち
あまりにもあっさりと消されてしまったガンミグーに気持ちを持っていかれ、すっかりいつもの顔になってしまったポムにでしたが、カフモのお葬式を見ることに。
参列しなかったジャックス以外の面々は、それぞれカフモとの思い出を語る中で、ひとまずその場にいる仲間たちは自分の事も思ってくれていると、少し気持ちを持ち直すことができた様子。
相変わらず自体はよくわからないまま、自分もいつか抽象化されてしまうのではないかという恐怖もあるままですが、果たしてポムニはここからどう動いていくのでしょうか。
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