2024年5月22日配信開始、週刊少年サンデー2024年26号より新連載となった古々路ひめるの全秘密 1話『Y.D.U?H?』の感想記事です。ネタバレもあるので注意してください。
古々路ひめる
サンデーの新連載第5弾、以前『いとやんごとなき』を連載されていた、小松翔太先生による新連載。
春の5連新連載の流れの中では特に際立った感じの絵柄だなと感じていた作品。ちなみに、その時は小松先生による作品だとは気づかず見逃しており、そのあまりの絵柄の変化にかなりびっくりした作品でもあります。てっきり、原作担当、作画は別といった形なのかと思っていましたが、まさに本人で絵柄の変化に驚きました。
良くも悪くも緩いギャグだった故に、設定なんかもゆるくなーなーだった前作と比べると、ひめる周りの過去と秘密に対するスタンスについてはわかりやすいものとなっており、今回もぶっ飛んだ設定ながらも心情を図りやすい作品になったように思えます。
そんな本作、全体的にパリッとした絵柄を保って結構まじめな空気を出していながらも、細かいところ差し込まれる緩い突込みなんかは、どことなく作者のギャグの空気を感じさせて面白かったです。逆に、絵が際立ったからこそ、緩いギャグとの緩急がついてよくなったのかもしれません。
主人公である一文字ツグムの時点で大概やりたい放題している設定であり、こういう方向の漫画かーと思いながら読んでいたところに放り込まれたひめるの秘密は大分予想外の方向にぶっ飛び、大丈夫なのかこの漫画と感想が変化。しかし、その果てに来た宇宙人によるアブダクションまでいくと、唐突な流れながらもまぁこれだけやりたい放題な世界ならそれぐらいあるよな、と思いつつもいつのまにか笑いながら読んでいる状況に。
しかし、この宇宙人絡みがひめるの二つ目の秘密に関係しているという展開は、完全に想定外だったことから、その畳みかけるような終盤の勢いについ笑ってしまいました。
ここまで読んで改めて巻頭カラーのページのごちゃまぜ秘密娯楽劇の意味が解り、次回以降も何でもありな感じに秘密が積み重なっていくのでしょうが、何が起こるのか楽しみなラストとなりました。
先の展開で気になる点と言えば、ひめるの前世にて、ひめるの秘密を話してしまった人物というのは、ここから先の展開にも絡んできそうな気もするあたり、また一文字自体も、ひめるには劣るながらもなかなかぶっ飛んだ人物。こちらについても、何か秘密があるなんてこともあるのでしょうか。
ちなみに1話サブタイトルの『Y.D.U?H?』の『Y.D.H』については、『You Don’t Understand?』の略のようで、『あなたは理解できますか?』という問いかけ、そこに続く、Hはおそらく彼女を意味する『Her?』の略でしょうか。
追記:改めて読んでいたところ「勇者で宇宙人 はぁ?」の略でした。ある意味ダブルミーニングなタイトルだったようです。
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