2024年冬に放送開始した『ダンジョン飯』アニメ、21話『卵/黄金郷』の感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
21話『卵/黄金郷』
カナリア隊とカブルー
今回、カブルーの過去、かつてダンジョンのあった自分の故郷を襲った悲劇も語られ、カブルーのここまでの行動方針の根幹が描かれた今回。
以前、ダンジョン内で魔物食に対しては、他のキャラクターと比較しても大きな拒否感があったように描かれてましたが、それはこの過去に理由があったようです。人を食う魔物を見て、それでも魔物を食ったのかとまでシュローに思われるカブルー、そこまでしてでもやり遂げたい理由というのは、自分の過去のようなダンジョンによる惨劇を回避するためだったようです。
今すぐにダンジョンに兵を派遣し制圧しようとするエルフたちでしたが、カブルーは自らの過去から、それではより大きな被害を生んでしまうと別の案を提案。
ダンジョンを封鎖し、人をできるだけ外に出す、その間に一番ダンジョンに深くかかわっているライオスがどうにかしてくれるよう狙っているようです。
ダンジョンが成長する中で栄養を求めているという話をエルフたちにすることで、多数の兵士を突入させるよりも兵させたほうが良いとカブルーは説得していましたが、このダンジョンが栄養を求めるというのは、要するにダンジョン内で死んだ人の魂がそのままダンジョンの栄養となってダンジョンを拡大させているといった感じなのでしょうか。
ひとまずは、カブルーの計画に乗ってくれたエルフたち、果たしてここかだろう動いていくのか気になる所です。
センシの卵の解釈
以前のお話で触れていた現在のファリンの魂の状態の話の際に出ていた卵の話。今回のお話の中では、そこについてセンシが少し深い洞察を見せる。
魂自体の事を卵に例え、それが混ざりあってしまったのが今のファリンということですが、果たしてその混ざり方は、どのようなものなのかという考え。魂の性質を多様な性質を持つ卵に例えた理由まで深く考えるあたりは、普段魔術に触れず食材を深く知るセンシだからこその考えといった感じでした。
スクランブルエッグのように完全に混ざり合ってしまっているのか、一つになったようで複数の黄身が中にある状態となっているのか、このあたりの解答はファリンの魂の今の状態がどうなっているのかという点についても考えさせる部分となっている気がします。
ささやかに触れられた話ですが、ここから先ファリンを救うとなった場合には、大きな意味を持ってくるのかもしれません。
黄金郷
今回ダンジョンについてかなり大きく話が進んだのが黄金郷に関するエピソード。これまで、たびたび何やら亡霊を見ては幻覚としていたライオスですが、イヅツミも何らかの気配を同じ個所に察していることから、その亡霊の存在を認めることに。
度々、無視されていた亡霊、ちょっと怒っていたのには少し笑ってしまいましたが、その亡霊の導きのまま、ライオス達は黄金郷にたどり着くことになりました。
そこは、1000年間外から隔絶された世界。すべての人は、狂乱の魔術師の魔法の元、不老不死となりその空間で過ごし続けていた様子。町に現れたとされる国王も、元はここにいた人物、狂乱の魔術師を倒したものにすべてを与えるというのも、不老不死にされた自分たちを解放してくれるならば、後の物はすべて差し上げようということだったようです。
しかし、この1000年続く王国、人らしい生活こそ続いているように見えますが、味覚のような感覚は薄れてしまっているようで、本当にただひたすらに生きているだけといった感じで、果たして生きることの意味とは何なのかを考えさせられる国になってしまっている。
食べ物も必要とせず、それでも人らしくあるために食べ物の生産を続け、食器などの手入れも行いと、何とも難しい状態となっています。しかし、そんな中でも衣服に関しては独特の発展を続けていたようで、奇抜な恰好ではありますが、ある意味1000年の積み重ねが生きる数少ない分野となっているようでした。
しかし、それはそれとして、この王国魔物の家畜化、野菜の栽培など、様々な面でライオスやセンシの好奇心をそそるものが発展しており、ライオスと、センシのはしゃぎっぷりがすごかったです。
最終的に、狂乱の魔術師を倒すものは翼の剣を持つものという予言により、ライオスに討伐の依頼を託される。とはいえ、一度その力を見ているライオス、あっさり決めるという事はできない、というよりも、そもそもどうやって倒すなんてことができるのかわからない状況。
はたして、ここからライオスは何を決断するのか。いよいよ、様々な真実も明らかになり、終盤の近づきを感じさせるお話でした。
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