2024年冬に放送開始した『ダンジョン飯』アニメ、23話『グリフィンのスープ/ダンプリング1』の感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
23話『グリフィンのスープ/ダンプリング1』
センシの過去
今回の話は、前回グリフィンを異様に恐れていたセンシの秘密が明らかになるお話。黄金を見つけた過去のセンシの仲間たちが潜っていったのはまさにダンジョン。そこでグリフィンに襲われ、一人一人と仲間が倒れていく。
しかし、この過去の中で、センシが最も恐れていたのは、グリフィン自体ではなく、自分が団長からもらったスープに入っていた肉は何だったのかという点。アニメ中では、言葉を濁しながら進めていたように思えますが、センシを残し部屋の外に向かった最後のドワーフの二人が、殺し合いその倒された方のドワーフの肉を自分が食べて生き延びたのではないかという恐怖。
その事実ははっきりとしないが、その事実を確かめること自体が恐ろしいというジレンマの中でセンシが悩み続けていたことが描かれました。
しかし、そのセンシの恐怖を理解したうえでなのか、よくわかっていないが故なのか、実際に食べて確かめてみようという解決策をあっさりと提示するライオス。イヅツミの「あいつなんなの。」という言葉は、視聴していても頭の中にちらっと浮かんでしまい、たまにライオスの事が怖くなってきます。
とはいえ、確かに食ってみればわかる話、そのまま引きずり続けるぐらいならば、というのもわからないではない。実際に、センシがグリフィンのスープを飲んでみると、それは全く別の味。
しかし、それに対しても、ライオスは回答を用意しており、チェンジリングと呼ばれるキノコの輪っかに足を踏み込んでしまった故に、その時食べたのはグリフィンではなく、ヒポグリフだったという事実を確認する。
もしかしたらそうであったのかもという過程のままいい話で終わらせずに、ちゃんと答えを出して終わらせるのは、流石ライオスといった感じでした。
無事、自身の悩みを解決したセンシは、再びライオス達と共にダンジョン攻略へ向かう事に。
そういえば、センシは、以前から若い者に食わせてやらなければというスタンスを見せていましたが、これもかつての団長の意思だったようで、彼の兜と共に今のセンシが引き継いだものだったこともわかりました。彼の過去と、そこから続く今の彼への繋がりがわかるようでよいお話でした。
種族が変わった面々
そして、前半重要な役割を果たしたキノコ『チェンジリング』が、まさかの後半パートでも事件の発端に。さりげなく、踏み抜けてしまった面々は、それぞれの別の種族に変わってしまうというなかなか恐ろしい状況に巻き込まれる。
戻ろうにも寝込んでいる間に、ダンジョンの形が変わってしまい戻ることもできず。頑張って戻ろうとするも、むしろどんどん奥へと進んでしまうという事態。
ここで描かれたのは、各種族ごとの特徴。なまじ、普段の体だと当たり前であることができなくなる。できなかったことができるようになる、という描写が入ることで、それぞれの種族の違いというものが見ていてもよくわかるお話でした。
ライオス達、体が変化してしまった面々からしても、そのことは実感しているようで、ある意味仲間の事がよくわかるエピソードでもあったのかも。このあたりは、次回に続くのでその辺でもわかるかもしれません。
しかし、ライオス・マルシル・イヅツミに関しては、さほど声が変わっていなかったのに対し、しっかり体が大きくなったチルチャックは、年相応のおじさん感ある声になっていたり、イケメンエルフになっていたセンシは、すっかり声がイケボに変わっていたりと細かい変化が丁寧。料理完成時定番の完成じゃという声も、何やら色気をまとった感じになっており、ちょっと笑ってしまいました。
しかし、今回エルフになったセンシ、声もですが何やら空気感もいつもと違う感じがしました。前半での悩みが終わったこともあり、テンションがが上がっていたのか。それぞれ元の名残を残していた他の面々と比べてあの大きな変化はないが原因だったのかちょっと気になりますね。
色々便利な面もありながらも、素直にそのままで進むのはなかなか難しそうな種族の変化。タンブリングの調理で、違う部分があっても問題ないと、強引にライオスはいい感じの話でまとめようとしていましたが、実際このままというわけにはいかなそう。果たしてここからどう体を元に戻すのか、今回はEDもなく終了となり、かなり気になる引きで次回に続くようです。
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