仮面ライダーガッチャード46話感想・考察『黒き占星、黒鋼の宣誓』

2023年9月3より放送開始した令和仮面ライダーシリーズ第5作目の作品『仮面ライダーガッチャード』46話『黒き占星、黒鋼の宣誓』の感想・考察記事です。錬金術師が生み出した人口生命体ケミー。何者かによって一斉に世界に解放されてしまった101体のケミーを集めるため仮面ライダーに変身することとなった高校生・一ノ瀬宝太郎の戦い絵を描く作品。

この記事には最新話のネタバレが含まれますので未視聴の方はご注意ください。

46話『黒き占星、黒鋼の宣誓』
仮面ライダーガッチャード毎週日曜9：00放送中

46話『黒き占星、黒鋼の宣誓』

黒鋼スパナ

ケミーと人が共に過ごせる世界を目指す宝太郎、しかし、現実はそれほど簡単ではなく、急激に戻ったケミーの記憶は世界に無用の混乱を起こしてしまう。これまで登場していたマルガムとなった悪意のある人々だけではなく、普通に生きていただろう人々すらもケミーの力を求める者が増え、傷つき泣く少女の姿を見たスパナ。

スパナ自身も、これまでの話の中で宝太郎の考えにも一定の理解を示すようになってはいました。しかし、実際にケミーの記憶が戻ったことで人々の欲望がケミーへと向けられ、混乱する世界を直に見てしまったことで、ケミーの廃棄の決意を固める。

ケミーを受け入れるには、愚かすぎる人間が多すぎる世界、世界の安定か、ケミーとの共存かをはかりにかけた時にスパナが選択したのは、世界の安定。それは、宝太郎やその仲間たちとの考えとは、真逆を行くもの。しかし、それでも荒れていく世界をどうにかするにはそうするしかないというのもわかる選択。時間をかけて少しずつケミーへｎ理解を深めていく余裕があれば、スパナもここまで強硬な手段にはでなかったのかもしれません。しかし、ケミーの記憶を急に戻されたことで、人が荒れ、大切な人が傷つき、時間もない、そんな状況ではこの選択を取らざる負えないというのがわかるお話でした。

これまでの話で描いていた、宝太郎とスパナ二人の立ち位置の違い。今回それが明確に示されたことで、いよいよ次回二人が戦う事になるようです。

ちょっと気になるのは、最近影が薄めなギギスト様。スパナには黒い炎の件で一度仲間にならないかと勧誘していた彼ですが、今回も意味深に黙って様子をうかがっていました。そもそも、スパナが黒い炎を扱えるということ自体も、ちょっとした謎な気がしますが、このあたりも踏まえ今後のギギストがどう動いていくのか、注目点となりそうです。

ガエリヤ

今回のケミーの記憶が戻る事件の発端となった、冥黒王の一人ガエリヤ。力技だったジェルマンと違い、彼女なにやら先の運命を見て策を弄するタイプの様子。

何やら錬金術と情報技術は相性が良いとのことで、記憶を戻すのに合わせて、端末から消されていたデータまでも復元するというなかなかの仕事っぷり。そこから生まれる混乱、スパナの今回の行動まで踏まえての作戦といった感じなのかもしれません。

今回彼女の行動で気になったのは、さりげなくりんねちゃんの手の甲に残していった刻印。今回は回収されずに終わりましたが、何やら禄でもない要素が仕込まれてしまったように思える。ケミーのせいで犠牲者が出るという予言にも絡んでいる可能性もありそうです。

グリオン様

復活してからやはり様子がおかしいグリオン様。今回は、アトロポスに対して新たな服を用意し、一緒に絵本を読んであげるという父親らしい行動をとる。ちらっと挟まれた回想を見るに、絵本を読むのはかつての二人がやっていたこと、新しい服についてはその時りんねが来ていたものだったようで、かつての、九堂風雅とりんねの関係をそのまま模倣しているようです。

映画に登場した未来でのグリオンは、アトロポスを切り捨てていたのに対して、復活したグリオンはアトロポスの父親として接するグリオン、正直何を考えているのかが全くわからなくて不気味。

単にアトロポスにより再錬成され復活したがゆえに、彼女が求めていた父親の姿を演じており、父親を演じるうえで彼の知る親子像として風雅とりんねの関係を模倣したという事なのかもしれませんが、やっているのがグリオンというだけで、単にそれだけではなく、もっと悪質な何かを企んでいるようにも見えてくる。

ほかに考えられるとすると、かつては冥黒王の人形として意識を一部支配されていたが、アトロポスによる復活により解放されたことで、本来のグリオンがやりたかった事をやっているなんて可能性もあるのかも。以前、AIのデータを奪いに金剛ラボラトリーを襲撃した際に、所長に対して耳打ちしていた内容もそのあたりに絡んでいるのかもしれません。

現在は、宝太郎とスパナの関係に話が向かっていますが、蘇ったグリオンが何を思い動いているのかというのも、気になる所です。