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映画『クレヨンしんちゃんオラたちの恐竜日記』 感想・レビュー

クレヨンしんちゃんオラたちの恐竜日記感想 アニメ
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2024年8月9日に公開された、監督:佐々木 忍、脚本:モラル、『クレヨンしんちゃんオラたちの恐竜日記』の感想・レビューです。内容にはネタバレも含みますので注意してください。

クレヨンしんちゃんオラたちの恐竜日記 感想

自由なシロ

今回の話は、ディノズアイランドと呼ばれる恐竜が現代に蘇ったテーマパークから恐竜をテーマとして話を広げ、シロが見つけた謎の恐竜ナナとの関係を描いたお話。

序盤の展開でちょっと笑ってしまったのは、あまりに自由なシロ。何やら勝手に外に出ている、まではわかるのですが、もはやそのことに疑問を持たない野原一家。更には、自分の餌を恐竜のナナに持っていって世話までしてしまうと、今さらですが、犬としては立派すぎるシロ。

ディノズランドに出かけ戻ってくるまで、ナナとの関係はシロのみというシロの優秀さに頼ったまさかの展開に加え、きちんとナナのしつけをしていたり、ひろし・みさえにナナを飼う事を頼み込むシーンでは、まさかのしんのすけではなくシロの事を信用して認めるなど、まさにシロさんと呼びたくなるような活躍。全体的にも、ナナについては、シロとのエピソードが強めに描かれており、共に動くシーンもしんのすけよりも、シロの方が多かったように思えます。

ラストのナナとのエピソードでも、最後の決め手になったのはシロだったりと、このあたりのシロとナナの絆のお話といった面も強く、拾われてきたシロが、ナナにその時の自分を重ねているのかなと思える展開でよかったです。

しかし、年々優秀さが増していくシロ、今年は特にその優秀さが発揮された映画だったように思えます。

序盤の出来事を生かしたよいサプライズ

序盤、ナナがしんのすけをふいに傷つけてしまい、ひろしがナナがやったのではないかと、問い詰める中、転んだだけと言い張るしんのすけ。その覚悟を決めたしんのすけを見て、ひろしも何も言わずに納得するという序盤の流れは、ひろしの親として子供を信じる姿がしっかりと描かれており良かったです。

このシーンがあったからこそ、アンジェラや、ビリーに対して冷たく当たる父に対して、ひろし・みさえの二人が勇気づけるシーンに説得力が出た気がします。さらに、このしんのすけを傷つけたシーン、終盤のナナを正気に戻す展開にも生かされており、よい話の拾い方でした。

アンジェラの夢の話では、恐竜相手にキレのよいアクションを決めており、上着を脱ぐと結構ガタイもよかったので、てっきり彼女が諦めた夢とは格闘家や、プロレスラー的なものなのかなと勝手に予想してみていました。しかし、ふたを開けてみるとまさかのバスガイド。何やら内側にバスガイド服を着こんでいたり、その後のバスでの脱出の最中ノリノリで東京ガイドをしているあたりは非常にかわいかったです。しかし、改めて思うと、最初のディノズアイランドの案内の際、結構楽しそうにしていたりとなかなか良い感じの笑えるサプライズ。その後の、ビリーと再開時の「何その格好」には、つられて笑ってしまいました。

また本作におけるほとんど恐竜は、恐竜ランド向けに作られた機械の物。序盤から何やら不自然に停止していたりとそのあたりが示唆されていたのですが、それをはっきりと示されてからは、そのメカっぷりをいかして、火炎放射やら、バイクに変形やら、果ては何やら巨大メカ恐竜まで登場とやりたい放題で面白かったです。野原一家の家を破壊するシーンなんかは、なかなか怖かったですが、そこから段々とコミカルな演出の恐竜に移っていくのもクレヨンしんちゃんらしい感じでよい。

そして、そんな恐竜たちの中で、途中不穏に登場していたスピノサウルスがまさかの味方としての登場だったのには素直に驚き。川に影を映しながら泳いでいるシーンなんか、まさに敵の切り札的な演出だと思っていたので、ナナのピンチに乱入はよいサプライズ。ナナの鳴き声に助けに来たという話も、機械である恐竜が?という疑問が湧きそうですが、この辺も、ビリーの回想にて、機械の恐竜たちはビリーの恐竜の研究を生かしたことで、音声に対する反応が非常に良いという話があり、そこをきっちり拾って説得力を付けていてよかったです。

サブキャラの出番が多め

本作では、松坂先生を筆頭に幼稚園の先生三人に加え、みっちーよしりん、埼玉紅さそり隊、さらには売間久里代なんてキャラクターも途中ちらちら登場しており、妙にキャラクターが多いなと思ってみていました。ただ顔を見せるだけではなく、何やらきちんと終盤それぞれに見せ場を用意していたりとなかなか豪華な出番があったのには良い意味で驚く。更には、そこまで姿を見せていなかった園長先生まできっちり登場して、通園バスの運転テクニックを生かす出番があったのもよかったです。顔見知りでもなかったアンジェラに流れるように組長呼ばわりされるところは、定番ギャグながらもちょっと笑ってしまいました。

あいちゃんは出木杉君なのかも

今回予告の段階で珍しくあいちゃんが登場しており、映画でも出番があることがわかっていました。とはいえ、予告でもワンカットのみの登場という事で、果たしてどの程度出番があるのかなと思いながら見に行きましたが、思った以上には出番があったのに驚く。ディノズアイランドが予約待ちということで、スポンサーとしてしんのすけ達を連れていくというのが彼女の出番でしたが、ディノズアイランドでの観光パートがそこそこあったため、あいちゃんにもきっちり出番があったのはよかったです。

ただなまじ序盤にそこそこの出番があったので、終盤サブキャラたちの活躍シーンでももう一度活躍する機会もあるのかなと思っていましたが、そちらでの出番がなかったのが残念。圧倒的な財力を持つあいちゃん、事件発生後に登場してしまうと、その力であっさり事件を解決してしまうなんてこともできてしまいそうで、ある意味彼女は序盤の導入にしか使えない出木杉君的なキャラなのかなと思わせるお話でした。

今回は出番多めでしたが、やはり本筋には絡めなかったあいちゃん。彼女は彼女でなかなかいいキャラをしているので、そのうち一緒に冒険する映画とかやってほしい気がしますね。

ただ一点寂しかったところ

今年の映画は、全体的にテンポよく細かいギャグが差し込まれクスッと笑えるシーン多めだったり、サブで出てきたキャラクター達もきっちり活躍させるシーンがあったり、本筋となる家族のお話もなかなか良いものだったのですが、ただ一点寂しかったところもあり。

それは、本作のラスト、恐竜のナナが死んでしまうという点。小さな恐竜が、すごく大きな力を使い続けることで体に負荷がかかっており、最後の最後しんのすけ達のピンチを救うためにその力を使い果たしてしまったというのはわからなくはないのですが、やはり、そこまで特にそういう描写もなかったため、突然死んでしまったという印象が強めに残ってしまいました。

偶然生まれてきてしまった本物の恐竜であったナナでしたが、その命までもある意味人間の勝手に振り回されて消えてしまうという展開はただひたすらに寂しい。

EDでのしんのすけとシロが一緒に遊んでいた河川敷を眺めていたり、シロがナナと一緒に見た月を一人見ていたりと、ナナの死を悼む演出もしっかりとあったのですが、それでも実は、その時は単に気を失っていただけで、生きていることが世間に知られるとまずいからビリーが隠して連れて行っているのではないかと、ずっと思いながらED当たりの展開を見ていました。しかし、ED後、ビリーが離れた島で研究をしていた当たりなんかは、最後の最後でサプライズか?と思いましたが、あくまでナナ達の写真を見て懐かしむだけ。

ナナを殺して話を終わらせる必要は、本当にあったのかなと思ってしまう終わりで、この一点が本作に置いて唯一寂しく感じるところでした。

来年はインド映画?

というわけで、本作終了後には来年の映画に関するチラ見せがあり、何やらインド映画をモチーフとした作品となる様子。インド映画といえば、よくわからないけど凄く踊る作品という印象があります。本作のまさお君のように、ひたすらに踊りまくる映画となるのかもしれません。

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