仮面ライダーガッチャード48話感想・考察『黄昏にさよならを』

2023年9月3日より放送開始した令和仮面ライダーシリーズ第5作目の作品『仮面ライダーガッチャード』48話『黄昏にさよならを』の感想・考察記事です。錬金術師が生み出した人口生命体ケミー。何者かによって一斉に世界に解放されてしまった101体のケミーを集めるため仮面ライダーに変身することとなった高校生・一ノ瀬宝太郎の戦い絵を描く作品。

この記事には最新話のネタバレが含まれますので未視聴の方はご注意ください。

48話『黄昏にさよならを』
仮面ライダーガッチャード毎週日曜9：00放送中

48話『黄昏にさよならを』

風雅とグリオン

今回は1年間を通じて描いてきたりんねとアトロポスの物語の最終章といった感じのお話。冒頭から、予告でも印象に残っていたグリオンが風雅に助けを求めているシーンが描かれ、親が子を思う気持ちからまさかの対ガエリヤ共同戦線が始まる。

ガエリヤの狙いは、アトロポスにりんねの力を注ぎ込み、キマイラと呼ばれる究極の人工生命体を作ろうとするもの。二人を助けにやってきた風雅・グリオンに対して、互いに殺しあうロシアンルーレットを強要。決闘に必要なもの以外は入れないというルールで宝太郎の妨害を防ごうとするものの、いつぞやのバレットちょうちょであれば、銃であるがゆえに問題ないという機転を生かし決闘を阻止することに成功。

アトロポスとりんねは助け出され、二人は親からの愛を確認し、ガエリヤとの最後の戦い…かと思ったところでグリオンが本性を現す。アトロポスに対する愛情など本当は一切持っておらず、りんねの力をアトロポスに注ぎ込み世界を黄金に帰ることで風雅を絶望させるためだけの行動だったことが語られる。

復活してからのグリオン様、アトロポスに対して妙に優しく、何やらあるのかなと予想はしていましたが、これでこそグリオン様だなといった感じの本性をあらわにしてくれました。今回冒頭にあった渾身のアトロポス救助を風雅へ願うあたりなんかも、ただの演技だったようで、騙しにかかるときの徹底っぷりが素晴らしいですね。

キマイラの作戦は失敗に終わりましたが、ガエリヤ自体は撃破され無事冥黒王の力は受け取ることに成功。ギギストもその力を受け取っていましたが、やはり本編最後の敵はグリオンとなるのでしょうか。

アトロポスとりんね

グリオンに裏切られたことである意味本当の自分の願いを自覚できたアトロポス。最後の最後で、りんねちゃんに力を託して消滅してしまう。アルケミスリングとは反対側の手に、ついた黒い指輪はある意味アトロポスの力の象徴といった感じなのかも。二つの指輪の力を使い、りんねちゃんはあら鉈姿へと変身することに成功しまいた。

今回は、ここまでのアトロポス、りんね絡みのお話に決着をつける回でもあり、アトロポスが本当は友達が欲しかったという本心が語られる。改めて思うと、特に序盤のアトロポスからのりんねの絡み方は、親に愛されるりんねへの執着というよりも、りんね自身に構ってほしいかったようには見えており、友達が欲しかったというものだったというのもよくわかる。最後の最後で、その本心を吐露するアトロポスのシーンは実によいものでした。

ガエリヤの予知に対抗するために二人で一人として戦いましたが、その戦いを終えりんねちゃんの中で眠りにつくというなかなか寂しい決着となりました。

クロトーはどうする？

ラケシスは人間になる道を選び、アトロポスはりんねちゃんの力となり消えてしまう。一人ラケシスの助けを求めに向かったクロトーでしたが、アトロポスの消滅には間に合わず、彼女が消えたことを察するのみ。終盤に向けた展開の中では、ただひたすらに姉妹の事だけを想い行動し続けてきたクロトーですが、アトロポスの消滅により、もはや三人揃ってと言う夢は叶わなくなってしまいました。

彼女の子の姉妹に向けた気持ちは、この終盤に差し掛かる中でもまだどこに落ち着くか見えてこず、果たしてここから彼女がどう動くのかというのは、一つの話の肝になるようにも思える。

グリオンに作り出された人形でありケミーと同じく作られた命である彼女が、果たしてどのような最期を迎えるのか、本作も終盤に向かう中で気になる要素となってきました。