仮面ライダーガッチャード最終回 50話感想・考察『キミと僕のCHEMY×STORY』

2023年9月3日より放送開始した令和仮面ライダーシリーズ第5作目の作品『仮面ライダーガッチャード』最終話『キミと僕のCHEMY×STORY』の感想・考察記事です。錬金術師が生み出した人口生命体ケミー。何者かによって一斉に世界に解放されてしまった101体のケミーを集めるため仮面ライダーに変身することとなった高校生・一ノ瀬宝太郎の戦い絵を描く作品。

この記事には最新話のネタバレが含まれますので未視聴の方はご注意ください。

最終話『キミと僕のCHEMY×STORY』
仮面ライダーガッチャード毎週日曜9：00放送中

最終話『キミと僕のCHEMY×STORY』

グリオンとの最終決戦

いよいよ最終回という事で、グリオンとの最終決戦が描かれることなりました。

前回ラスト衝撃の登場をした黄金のミナト先生、何やら喋ることもまだできる状態で連れてきていたのは、グリオン様のいやらしさが感じられます。

製造シーンは度々映っていながらもなかなか本編では出番がなく、いつ使うのかと思っていたドレッドルーパーについては、世界を黄金にするビームを発射する装置を装備して侵略を開始。鏡花さんまでも黄金にされてしまうというなかなかの厄介っぷりでした。

一度は撤退、仮面ライダーであることを母に明かし、それでもなお応援してくれるという息子を理解する母の気持ちに背中を押されての再出発。今回のスパナは、貰ったおにぎりを頬張り、これまであまり見せなかった表情を見せていましたが、ある意味本当の意味で同じ目標に向かう仲間になったといった感じでが出ていてよかったです。

グリオンの手により、冥黒王の三人が人形として復活させられた際も、ギギストとスパナの戦いでは、少しばかりギギストに言葉をかけてあげているスパナの姿があり。前回の後継者に認めていたギギストがちょっと報われたようでよかったですね。

グリオンの元に橋を架け向かう宝太郎、きちんとバイクに乗って最終決戦に向かう仮面ライダーっぷりがよかったです。ただこのシーン、橋が架かる絵面、仮面ライダーセイバーで公園で駆け上った坂と印象が被って少し笑ってしまいました。

ちょっと尺不足なところもあったかも

最終回を迎えるにあたり、まだまだやるべきことが残っていたように思えていた本作。色々な要素をどのようにまとめるかと思っていましたが、少し尺不足だったところも感じられる。

ケミーと人間の関係についての人間側の話は、結構大きくトラブルとなっていましたが、目立ってケミーの危険を訴えていたYoutuberのたっちゃんについては、自分たちを助けてくれた錬金術師に共感し協力するという立場に切り替わる。とはいえ、このあたり本当に短い時間で、その後何をしたのかのも描かれずに終了。

また最後のシーンで、結局信じたい人だけはケミーの事を信じ、大人は皆意外と気にしないといった感じの終わらせ方となり、ひとまず人間が羅からのケミーへの認識は前進しながらも大きく進展はせずひと段落といった感じに終わりました。

個人的にもう少し長めに尺を取ってほしかったのは、クロトーのエピソード。最後の最後、姉妹二人を犠牲にしたグリオンに単身挑み、レベルナンバーXのレプリケミーの力を一斉に合わせ立ち向かうもグリオンには勝てずといった感じで、最後を宝太郎に見届けられる。彼女自身が姉妹を大切に思っていたことは宝太郎と出会ったことで見つけることができたというまとまりにはなりましたが、ここまで半年ほどずっと苦難を強いられてきたクロトーのエピソードとしては、割とあっさりと終わってしまったなという印象は残ってしまう。クロトーの決着がどうつくのかは、割と気になって追いかけていた部分もあったので、少し寂しかったです。

グリオンとの決着こそが最後の話の要なので、1話にまとめるとどうしても他の要素は短めになってしまうのは仕方ないのですが、もうちょっと時間を取ってほしかったなと思う所でした。

……等と色々思っていたのですが、何やら最終回のDC版の配信が決定したという告知が流れる。まだ配信日は未定とのことですが、こちらで気になった部分の補完もされるのかもしれません。

仮面ライダーガッチャードアルティマス

仮面ライダーエルドと、仮面ライダーガッチャードの戦い。エルドラゴの黄金ブレスがなかなかに協力で、最初はニジゴン、そこから次々とケミー達を黄金に変えていってしまう。

黄金にされたニジゴンの力を使い巨大化させたトルーパー。その黄金光線は、一度はすべてを黄金に変え理想の黄金郷を作り上げたグリオンでしたが、その中で宝太郎だけが動き出す。

自ら黄金を砕き動き出した宝太郎、砕いた黄金を再びベルトに再錬成、地球を覆っていた黄金すらも新たな星の錬成に利用するという離れ業を見せ、大物錬金術師になるという物語の始まりの夢をまさに叶えるようなラストでした。

これまでも、錬金術に関する才能については、宝太郎自身ものであるという点はここまでもずっと描かれてきていたので、かなり規模こそ大きかったですが、まさに最終回にふさわしい派手さ。他の星までグリオンを蹴り飛ばし、最後ケミー達と共に決着という流れは非常に良かったです。最後のライダーキック合戦も、宝太郎とグリオンの二人の戦いでは拮抗、しかしそこに、ケミーの力が加わることで一気に撃破といった感じになっていたのもケミーの力も合わせての勝利といった感じがしてよかったですね。

宝太郎が新たに作り出した星は、まさにケミーのための星といった感じ。人間との共存という夢はまだまだ道途中ですが、一時的にケミー達が自由にいられる空間を作ってあげたようなラスト。星一つ作りだしゆっくりと人との共存を目指していくというのは、話の流れとしてはかなりの離れ業でもありますが、このぶっ飛んだ発想は宝太郎らしくもあり良い終わりだったと思います。