2024年夏より放送開始の作品、米澤穂信による『小市民シリーズ』を原作とし、監督:神戸 守によるアニメ化作品『小市民シリーズ』 8話『おいで、キャンディーをあげる』の原作未読での感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
8話『おいで、キャンディーをあげる』
誘拐事件
小佐内さんが誘拐されるというラストで終わった前回に続き、小佐内さんの母はそのまま警察に連絡。誘拐事件の操作が開始されることに。
そんな中、小鳩君はひとまず家に帰ることになったのだが、そこに小佐内さんからメールが届く。そこには、お菓子を買ってくるお願いが二つ。前回の地図をつかった謎解きと同じで、今回は個数を比率として考え小佐内さんの誘拐先を特定。健吾と共に確認に向かう事になりました。
廃棄される予定の体育館には、何やら真新しい車、更には何やらアメの包みが転がっていたり、犯人が使ったとされるボイスチェンジャーまで置かれている。
確信を得るために中に向かったところ、小佐内さんを発見。小佐内さんさんが、犯行グループそれぞれの名前を告げる異様な空気の中、それでもなお迫る小佐内さんへの危機に突入。警察が来るまでの時間を稼ぎ無事に救出に成功となりました。
何やら健吾は怪我をしてまで助けたりと、描かれはしないもののナイフを持った女性相手になかなかの乱闘になっていたようでしたが、皆無事だったようでひと段落。
お菓子のお見舞いだったり、一緒に最後のスイーツセレクションを買いに行く約束だったりと、事件は無事解決となりました。
小佐内さんの考え
誘拐事件が無事解決されハッピーエンド、かと思いきや、ラスト夏季限定トロピカルパフェを二人で食べに行ったラストで話が大きく動く展開。二人見つめあう中、小鳩君が「誘拐されるってわかっていたんだよね?」と確信に触れる一言を告げ音が消える。一瞬の空白の後、暗転となかなか緊迫感を伴う演出。何やら、小佐内さんがわざと誘拐されたという推理に小鳩君はいきついていた様子。
色々と考えてみましたが、小佐内さんが、ドラッググループのリーダーをはめるために何やら計画していたという話だったのかなという気がしてくる。前回、ドラッググループのたまり場の近くのお店で変装していたのも、小佐内さん自身も彼女らグループを探っていたからという事なのかも。
今回の小鳩君へのメールにも、ちょっと気になる点があり。そもそも、誘拐の電話の後にメッセージという事で、そんな余裕があったのかという事、さらに場所についての謎解きも余裕をもって伝えていたのも気になる所ですが、小佐内さんならスイーツセレクションの地図位は頭に入っていそうなのでできないことはないのかもしれません。そして、居場所を伝える暗号をごめんなさいの言葉で囲んでいた事もちょっと気にある。このごめんなさい2回には、もしかすると単にメールの内容をごまかすためのもの以外にも何か意味が込められていたのかもしれません。
そもそも、ドラッググループのメンバーからすると、小佐内を誘拐する理由もよくわからない。そもそも、誘拐して身代金というあたりは、今回の会話でも一切触れておらず、むしろ、迷惑をかけてきた小佐内さんを痛めつけることを目的といていたようにも見える。誘拐の電話については、小佐内さんが仕掛けたものなのかな、という気もしますが果たしてどうなのか。
ドラッググループのリーダーも、小佐内さんが悪い、私は被害者と何やら語っていたのも気になる所。人に責任を押し付けようとするタイプの人物に見えるので、その言葉自体はいいがかりと取られてもおかしくはないですが、実際に何かを小佐内さんに何かをされたという事もありそうです。
このあたりまとめて考えてみると、前回言っていた、夏の集大成というのもだいぶ意味合いが変わってきそうです。
ただ、結局小佐内さんが、なぜここまでの事を仕掛けたのか?という理由については一切がわからないまま。中学時代に同じ学校で事件が起きていたことを考えると、その時の因縁を晴らすために今回動いたという事なのでしょうか。
事件自体は解決しても、より大きな謎が小佐内さんから飛び出てくるあたりが、実に次回が気になる引きとなったお話。果たして、小佐内さんが何を思い、何を仕掛けていたのか、次回が気になる所です。
今回のサブタイトル、小佐内さんはキャンディーで誘われたのではないか?と健吾が冗談を言っていましたが、むしろ、小佐内さんが甘い餌を罠にドラッググループをつったという意味が込められているのかもしれません。
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