2024年秋に放送開始の作品、監督:上村 泰によるネガポジアングラー 1話『ネガティブアングラー』 の感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
1話『ネガティブアングラー』感想
ぼんやりと釣りアニメという認識だけ頭に入れて視聴を開始した本作。冒頭の流れは、もはや人生に絶望しきった感じの主人公『佐々木常宏』の絶望的な現状が描かれる。自殺をしようとするも失敗、病院にいけば何やら寿命残り2年と1話サブタイトルのネガティブアングラーを表すがごとくどうしようもない状況。
さらには多額の借金まで背負っており、パチンコをしていると借金取りに遭遇、金を求めて追い掛け回される。部屋の中にあった本や、見た感じ借金をして投資をしようとしたところ失敗したといった感じに見えましたが、このあたりも何か今後絡んでくるのでしょうか。
全体的に暗い感じのお話でスタートして、ちょっと見ていてつらいかなーと思っていましたが、何やら借金取りの3人組はなかなかちょっとギャグ寄りの雰囲気を出していたり、根の性格がよさそうな部分が出ていたりと良い塩梅に感じられました。
そんな中、3人組から逃げる佐々木は、海へと落下。死を覚悟するも、釣り船に引き上げられたことで命は助かる。興味がないとはいえ、帰ることもできず夜明けまで付き合うことに。夜の海を眺める中、不意に鮎川なる女の子から、釣竿を貸してもらい、最初こそ嫌がっていたもののそこで初めて釣りに触れることとなる。鮎川さんの強引さと、それを取りなす躑躅森さんの二人のバランスが良い感じで、基本的に何事にも向かいたくないスタンスの佐々木が前に進むきっかけとなったのがわかりやすい。
そんな本作、佐々木の真っ暗日常から始まり、釣りに触れ、初めて鯖を釣り上げ成功を感じ、更には巨大なシーバスまでも釣り上げかける中で、釣りの楽しさを少しずつ感じていき、最後は夜明けの魚の群れにまとめる流れがきれいな1話でした。
船で戻ってみると、なぜか皆がいるのは小さなコンビニ。どうやら皆同じコンビニのバイトとのことで、釣り好きであることがバイトの応募条件とのこと。何やら癖の強そうな面々が揃うコンビニですが、佐々木もこちらで働くことになるのでしょうか。
ラストは躑躅森の車に乗せてもらい家に戻る途中、釣った魚の料理からフライパンもないの、と軽いノリでの会話につながり、いざ家についてみたらさらに何やらトラブルの予感。てっきり、借金のかたに荷物が差し押さえられたのかな、とか思って見ていたらまさかのアパートが工事でなくなりつつあると、思った以上に大問題。急に住処すら奪われた佐々木、もはや釣りどころではない状況に陥った彼の今後が気になるラストとなりました。
魚や釣り道具への描写にも力を入れているようで、海の描写も海中の魚の動きなんかも躍動感ある感じで綺麗な作品となっており次回も楽しみでしたが、気になるのは佐々木の寿命2年という設定。今回はさほど意識しているようでもなかったですが、果たしてこの彼の寿命という設定がどのように生きてくるのか、なかなか気になる所となりそうです。
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