Felvidek
※この記事はSteamキーをいただきプレイしたPR記事となります。
本作は、15世紀のスロバキアを舞台にした酔っ払い騎士のパヴォルを主人公としてJRPG。ちなみに本作はJRPGと題していますが、コマンドタイプのRPGというニュアンスが強く、いわゆる日本のRPG的な話運びや雰囲気は日本のRPGとは異なっているように思えます。とはいえ、ゲームのプレイ間隔はレトロなRPG。パヴォルを操作し、フィールドを探索、仲間を増やしたり頼みごとを聞いて解決したりを繰り返して話を進めていき、JRPGを普段から遊ばれている方は違和感なくプレイすることができそうです。
独特なグラフィック
そんな本作、遊び始めてまず感心したのは、その独特なグラフィック。レトロゲームっぽさを感じさせつつも、どこか古い書物のような雰囲気で、フィールドをひょこひょこ走るパヴォルと仲間たちの様子はなかなかコミカル。
そんなフィールド移動の様子を見ていると、全体が2Dタイプで表現されるRPGのように思えてきますが、いざイベントシーンになると3Dキャラクターが動き出しびっくり。そして、グラフィックという意味で一番驚いたのは本作における戦闘演出。攻撃やスキルなどの行動の度に、FPSのゲームかのように武器をふるう様や、ワインを飲む演出がUIを超えて大きく描かれ、なかなかのこだわりを感じさせてきます。
序盤から想像を超える展開
コミカルさも感じさせるた演出に反して、話の軸にあるのはコミカルさとは程遠い重いお話。15世紀のスロバキア、宗教上の的フス派やオスマン軍が繰り広げる陰謀を阻止すべく立ち回っていくことに。中世の騎士の冒険譚をゲームにしたようなシナリオとなっており、理解する上ではある程度歴史上の知識なんかもあったほうがよさそうです。
そんな本作、遊ぶ前の印象は現実の歴史に即した人同士の戦いを描いた作品なのかと思っていたところ、何やら黒い種や怪しい宗教儀式なども絡んでくる方向に話が広がっていく。果ては謎の怪物の出現もあり、なかなかファンタジーな要素も登場して大きな陰謀が渦巻いていくことがわかる。宗教と15世紀という時代に、ファンタジーのエッセンスが不気味さを広げていく作品となっています。
更に本作ではメインのストーリー以外にも、サブクエスト的なものもそれなりに用意されている様子。町の中を彷徨い町の人と話していたところ、本筋とは関わらない冒険に巻き込まれ何となく進んでいく、それが気づいてい見ると妙なダンジョンに行くことになったり、戦闘に巻き込まれたりとで、結構大規模なイベントだったなとなることもちらちら。
その中でも、個人的に印象に残ったのは、本作を始めて最初に遭遇したイベント。ちょっとした好奇心で選んだ選択肢が割と取り返しのつかない結果に陥ってしまい、容赦のない展開もあったりします。
己が選択の果てやってきた絶体絶命のピンチ、好奇心猫をも殺すともいいますが、パヴァロに与えられた使命を蔑ろにするような行動をとった因果応報ということなのかもしれません。ある意味、最初に自戒の意味を込めたイベントとなっていたのかも。
戦闘は大味
そんな本作をプレイしていてちょっと残念であったのは戦闘要素。RPGの肝ともいえる部分ですが、悪い意味で大味。バランスに関しても急に敵が強くなったり、回復が祭壇に戻らないとできない割に、敵の強さが結構強めで一戦ごとに苦戦が多く回復に戻ったりと手間がかかる場面もあり。
イベントに突入、いきなりの大ピンチ、全滅という場面も結構あり、歯ごたえがあると言えばそうなのですが、どちらかというと調整不足といった面の方を強めに感じるシーンもあり。
グラフィックや、話の雰囲気など、世界観を重視した作品といった感じで戦闘要素に期待して購入すると物足りない思いをされるかもしれません。
独特の雰囲気が魅力の作品
2024年3月に発売され、現時点でも圧倒的に好評という評価を得ている作品。Steamページのバナーを見た時点でわかると思いますが、本作はなかなか癖のあるグラフィック・世界観をもった作品となっています。やはり、この雰囲気を好きと言えるかどうかが本作を遊ぶかどうかの基準となりそうです。11月に日本語対応が完了となっており、このグラフィック、ゲーム説明の時代背景にびびっときた方は遊ばれてみてはいかがでしょうか。
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