2025年冬より放送開始の作品、原作:河森正治・サテライト、監督:糸曽賢志による想星のアクエリオン Myth of Emotions 3話『まだ知らない』 の感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
3話『まだ知らない』感想
サヨの顛末
サヨの死については、結局どうなったのかよくわからないままだった前回ですが、今回あくまで葬式の前後が覆っていただけとのことで、サヨの死は決まっていたこと、それゆえに前回のサヨの死は確定してしまっていた事がわかる。先生たちについては、記憶の変化により葬式の事は覚えておらず、サヨがこの後死んでしまう事を知らなかったが故にエレメントして搭乗させていたとのこと。
てっきり、この神話世界との事実関係の衝突による過去や時系列の変化という現象が、本編でもガッツリ絡んでくるものかと思っており、そのあたりの話のメインのキャラクターとしてサヨが関わってくるのかなと思っていたので、ちょっと意外な展開。ただ、わざわざこんな設定を用意している以上、今後も事実が変わっていく描写があるのかなという気もする。
予言を行うディーヴァと呼ばれる機械や、公式サイトでのみ存在が言及されているイチキハナなる人物も、この辺に絡んでくるのかもしれません。
モモヒメが話の中心
これまでなかなか暗めな雰囲気で続いていた本作でしたが、今回はモモヒメが中心の話という事で、少し明るい雰囲気で進行。冒頭からモモヒメへの告白の山に対する、ごめんなさいの嵐。こういう女性キャラ、作中の他の女性から嫌われていそうなイメージもありますが、完璧なモモヒメと釣り合う男はなかなかいないといった感じで好かれており、この状況も受け入れられているようです。
今回の話は、これまでサッコ・小夜との関係のみが描かれていたモモヒメに焦点が当たり、いよいよ彼女もエレメント候補として選ばれる流れに。優秀で完璧な彼女、周りからは誰よりも最初にエレメント候補として選ばれるのではないかと思われていました。そんな彼女が選ばれるのが遅れた理由は、彼女が完璧であるが故に、彼女に欠けている感情がわからなかったから。欠けている感情がない場合、神話世界からの精神攻撃に耐えられないとのことで、エレメント候補生に欠けた感情が必要とされていることも今回改めて明かされる。
結局、その欠けた感情は謎のまま話は進行。アクエリオンへの合体もベクターマシンへの操縦も完璧にこなすモモネエですが、それぞれかけた感情が入ってくる流れで、気持ち悪い…と呟いてしまう。それに反応するリミヤの調子が悪くなりピンチを迎えて終了となりました。
モモヒメの欠けた感情は憎しみ?
モモヒメの欠けた感情に関しては、今回の告白描写や、公式サイトの情報では恋愛感情がわからないという記述から、恋愛感情が欠けているというのが一番ありそうに見えてくる。
ただ、これまでのエレメントをモニターの描写では、これまでのキャラクターの欠けている感情がグラフで表示されており、残り登場していないのはAFFECTION(愛情)とTERROR(憎しみ)、ただここまでのモモヒメの描写を見ているとAFFECTIONが欠けているというのはかなり違和感があるようにも思える。そうなると、もしかするとモモヒメに欠けているのは、HATRED(憎しみ)の方なのかもしれません。
モモヒメは、サヨが死んだことを理解しても、サッコ達も先生も恨む感情はないという話が今回展開されました。これも、憎しみという感情が欠けているからなのかも。また、愛と憎しみは表裏一体という言葉があるように、憎しみがわからないが故に恋愛感情を理解できていないとすると筋が通っているようにも思えます。
今回、最後の合体の後欠けた感情を気持ち悪いと感じたのも、自分の中にこれまでなかった不快な憎しみという感情が入ってきてしまったから。リミヤが調子が悪くなったのは、リミヤ自身は合体の中で普段自身の中にない共感性を得ているが故に、モモヒメの感じた不快感に共感してしまったからなんてことはありそうです。
過去生の話
これまでの話では、あまり出番のなかった過去生に関する話が今回描かれる。モモヒメの過去生らしき人物が、髪に使える乙女として選ばれ、その結果、サッコの過去生らしき人物との恋路が阻まれてしまうといった話が展開。
これまでも必殺技の際にちらっと姿を見せてはいましたが、実際に動いているところを見るとなかなかに異物感がある本作の過去生。今回、何があったかを思い出すほかにも、モモヒメが自身の姿を過去生に重ねてみているシーンも描かれる。
モモヒメが今回、リミヤ達とも過去に会ったことがあるという話をしたのは、神話世界との記憶の干渉による何かなのかとも思いましたが、今回これだけ過去生の話を振っていたのを見るに、過去生での記憶に絡んだものだったということなのかも。
本作、神話世界との干渉による記憶への影響に加え、過去生による記憶の影響の話が重なっており、色々と今後の描写も混乱していきそうです。そもそも、この過去生の話が神話世界と別れる前の話なのかどうかという点すらわからず、今後どのように本編に絡んでくるのか全く見えないのがちょっと怖くもあります。今後の展開が、どうなっていくのか、色々と気になる作品です。
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