2024年3月3日より放送開始したスーパー戦隊シリーズの第48作目の作品『爆上戦隊ブンブンジャー』。監督:中澤祥次郎、プロデューサー:久慈麗人による作品。様々な惑星を襲う『ハシリヤン』と、気分ブンブンで爆上るヒーローとの戦いを描く。
この記事には最新話のネタバレが含まれますので未視聴の方はご注意ください。
最終回『君のハンドル』感想
スピンドーとの決着
スピンドーのためにすべてを捧げたグランツとの戦いから始まった最終回。ここまでそこまで大きく戦うところを見せていなかったグランツでしたが、黒い傘を携えながらのバトルシーンがなかなかカッコいい。
しかし、あくまでスピンドーのためにすべてを捧げて戦うグランツ、違う作品であればその生き様も認められたのかもしれませんが、本作はあくまで自分自身の道を誰かに委ねず自らの道を行くブンブンジャーということで、人にハンドルを任せた存在として撃破されることに。
倒される瞬間に見えた景色は、どうやらスピンドーに忠誠を誓った瞬間の一幕。ごみのように扱われていたグランツがスピンドーに生きる意味を与えられたようにも見えるシーンでしたが、本当に一瞬。二人に何があったのか、というのは想像することしかできない展開。語られないから良いということもあるのかもしれませんが、個人的にはもう少しグランツ周りも深堀りされても面白かったのかなという気がします。
ブンブンジャーに撃破されたグランツ・リスクですが、最後の最後に自らの悲鳴を媒介に、地球中のギャーソリンを集めることで、スピンドーに再び力を与える。
一時は弱ったとはいえ、その力は圧倒的なスピンドー、いざ再び力を取り戻せばブンブンジャーを圧倒、皆をあっという間に変身解除へと追い込む。絶体絶命のピンチ化と思った瞬間に、ブンブンが割って入り攻撃を防ぐ。
前回の予告でも見えていた人々の応援の声。それが。最後のピースとなり、ブンブンを蘇らせることに成功したようです。再び戻ったブンブンと、人々の応援する気持ちから力を得たブンブンジャー。皆の想いも大也とブンブンの背中に預け、スピンドーを倒す流れは、実に最終回という感じの展開でした。
大也とブンブンに倒されたスピンドーでしたが、最後ブンブンの手を取るのではなく死を選んだのは、彼もまた自分のハンドルを握っているが故だからこそ。ただ、ブンブンジャーとの違いは、スピンドーは自分一人で走り続けることを選び、ブンブンジャーは皆それぞれが自分の道を走りながらも助け合うという差。このあたりが、勝負を分けたように思えましたが、グランツと同じようにもう少しスピンドーのバックボーンが深堀されていたらまた感じ方が違うのかなと思える展開でした。
見えている感じ、地球と同じような悲鳴の溢れる星で育ち、そんな星で生き、苦しんでいたからこそ宇宙中全てを同じような悲鳴であふれる星にしようとしていたようにも見えたスピンドー。同じ苦しみにあふれた星の中にいてなお、人の悲鳴を救おうとする大也とは対極の存在として描いていたのかもしれません。
全てが片付いて
スピンドーとの戦いを終え、エピローグへと話が移っていく。大也と内藤との会話では、ブンブンジャーらしい、どこかしっとりとした空気が流れましたが、既に大也は次のステップ、宇宙へ飛び立つことを見据えている。
地球を捨てて宇宙へ出て行っていたはずの先斗が、地球に残り大也の夢をつなぐというのは、地球に戻ってきてからの先斗のこれまでがあったからこその展開。そして、それとは逆に大也達は宇宙へ飛び出しブンブンと自分たちの夢を届ける。スピンドーとの結婚の際に、未来がBBGの権利をスピンドーからもらっていたことも、最後のBBG健全化へとつながる伏線だったようです。
最後には、BBGに出場している皆の姿もきちんと描かれたり、先斗の元には送り出したビュンディーが戻ってきていたりと、それぞれの未来が描かれるラストとなっていました。
何やら春のVS映画では、ニコーラとのエピソードや、未だ宇宙にいるハシリヤン残党に絡んだお話なんかもあるようですが、果たしてどのような内容となるのか気になるところです。
爆上戦隊ブンブンジャー 全体の感想
爆上という戦隊名や、どことなく異質なタイヤを顔につけた異質なビジュアルから、勢いにあふれる戦隊なのかと思いきや、どちらかというとなかなか落ち着いた作風でちょっと驚き、登場するキャラクター達も、どことなくしっとりとした空気をまとっていることも多く、放送前に感じていた印象とは結構差もある作品でした。
終盤では、作中何度も裏切るのでは?といった展開を挟まれたシャーシロでしたが、ラスト1月程度は騙すためとはいえかなり長い期間メンバーから離脱していたり、ある意味もう一人の主人公であるブンブンが倒れたまま進行したりと、わかっていても同終わらせるのかと思ってしまう展開が続いた本作。
最終話、一話前での逆転までのなかなか追い詰められる展開が続きましたが、しっかり逆転勝利で終了となりました。
個人的には、グランツとスピンドーあたりはなかなか良いキャラクターをしていたので、もうちょっと彼らが悪事を働くさまも見て居たかったかなという気もします。今回の記事でも色々と触れていますが、この二人色々バックボーンがありそうながらも、あまり時間を取られずに決着となってしまったように見えるのが少し勿体なかったかなと思ってしまう所もあり。
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