2025年冬より放送開始の作品、原作:河森正治・サテライト、監督:糸曽賢志による想星のアクエリオン Myth of Emotions 6話『秘密を教えて』 の感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
6話『秘密を教えて』感想
ハナがモモヒメを殺す理由
前回ラスト突然のハナからのモモヒメへの襲撃。今回はそれが、ハナの欠けた感情に由来した行動であったことが明かされる。他のエレメント候補生と同じく、憎しみの感情がないからこそ、愛情の向け方がわからず憎しみに重ねるように衝動的に殺そうとしてしまうというもの。
過去のハナとサヨとの回想を見るに、昔は愛情を感じると無差別に攻撃してしまっていたハナですが、サヨとの一番愛した人を攻撃するという約束があったから、サヨだけを攻撃していた様子。
殺したいという気持ちは衝動的なもので抑えることができずついやってしまうものの、別に傷つけたいわけではない。だからこそ、自分でサヨを傷つけてしまった際には余計に悲しんでしまう事になるというのがなかなかつらそうなところ。今回のサッコとハナとの会話では、サッコがそんなハナの気持ちを少しでも聞いてあげようとする姿勢が見られ、このメンバーの軸になっているのがサッコなんだなというのが感じられました。
しかし今回、一応事情が把握できたハナ以上に、自分を殺そうとしてきたハナを理解して全く動じることもなく対処してしまうモモヒメの方が異常に思えてくる。彼女の完璧さ故ということなのかもしれませんが、その完璧な対応と言いなかなか突き抜けていていますね。
一寸関係ないですが、人の心なんてわからないもの、と本当に人の心がわからないリミヤ君が言うながれに少し笑ってしまう。これまでも度々ありましたが、彼のちょっとずれている感じを毎度面白く描けていますね。
ハナとサン
転校生と新たなエレメント候補生という話が広がる中で、転校生はサンとハナの二人ということでどちらが新たな候補生なのかと思っていましたが、候補生として転校してきたのはハナの方だった様子。そのため、ハナが抱える憎しみがないという問題に絡んで話が進んでいましたが、その裏ではサンとの絡みもあり。
詩的な話ぶりで、何が言いたいのかいまいちよくわからないサンですが、今回の先生方の会話を見ていると、何やら特殊な事情がある様子。何やら卵の世界が二つに割れ、片方は銀世界と涙、片方は金の世界と炎とのことで、今の二つに分かれた世界の事を話していた様子はうかがえる。また、神話獣に対する理解もあるようで、神話世界とのつながりがあるキャラクターという可能性は高そうです。
ただ、今回は結局サンの事は一切が謎のまま終了。モモヒメがサンに惹かれてしまった理由についてはよくわからないまま。そもそも恋愛感情がないモモヒメがなぜかサンには恋したような態度を見せるというのは、過去生に絡んだ何かのような気もしますが、このあたりはいつ頃拾われることになるのか。また、サンと話していたモモヒメが気絶してしまった理由もよくわからないまま。果たして、次回何があったのか明かされるのか、気になるところです。
そういえば、OPでの描写を見ているとモモヒメとサッコの関係がここから重要になっていきそうですが、正直ここまでは姉と弟といった関係が目立つ中、今回サンに惹かれるモモヒメを見て少し心に波風が立っている様子だったのが面白い。サンが間に入ることで、モモヒメとサッコの関係も少し変化していくのかなと思わせる話でした。
今回撒かれた伏線?
今回は話の本筋に触れるというわけではないですが、何やら色々と伏線らしきものが多々用意されているように感じられるお話でした。イチキハナは、何やら世界の終わりを告げる紙を手に取り興味を示していたようでしたが、結局その後そちらに絡んだ話はなく、何やら今後そこに絡んで話が広がりそうな気配も感じる。
また、今回の神話獣は、アクエリオンに対して殺してやるという強い呪詛を吐きながら侵攻。どことなく憎しみを感じられる演出でしたが、その感情はイチキハナに欠けているものと重なることを考えると、何か意味があったのでしょうか。今回は、アクエリオンの熱い抱擁とキスにより撃破となり、ちょっと笑ってしまいましたが、神話獣はもう一つの世界の人を憎んでいるのが標準なのか、あの神話獣がそうだっただけなのか、気になる所となりました。
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