2025年冬より放送開始の作品、原作:河森正治・サテライト、監督:糸曽賢志による想星のアクエリオン Myth of Emotions 7話『ボクらの世界は』』 の感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
7話『ボクらの世界は』感想
サッコとモモヒメとサン
サンの登場以来、ただでさえややこしい話がさらに込み入ってきたように見える本作。今回の話では、サンとサッコ二人の関係に焦点が当たることになる。
モモヒメがサンに好意を抱き共に過ごすようになってから、どことなくこれまで見せてこなかった感情を見せるようになった気がするサッコ。サンに関わっていく中で、学園の生徒たちが消える現象にサンが絡んでいることを知り、絡んでいってしまう。サンが卵のような石を鳴らすと、サッコは赤い世界へと囚われる。やがて、それこそがサンの中にあるマナの世界であることに気付き、それと同時に外の世界へと戻る。
その直後、今回のラストではサッコのあいつの事好きかもしれねぇという話の流れは、今回のサンとの会話の中でちらっと頬を染めていたりと、サンに対する恋心に気付いてしまったようにも見える。ただ、その直前のサンに見せられた過去生のシーンでのナヌークとセドナとの関係を考えると、モモヒメに対する恋心に気付いてしまったと捉える方が自然なのかも。
このあたり、サン、サッコ、モモヒメの間の人間関係がここからの話の中でも重要な要素を占めてきそうです。
ハナと神様
前回ちらっと描かれていた神様とハナとの交流ですが、今回でしっかりと拾われることになり、何やら神様の言葉を真に受けていたり、トシ君から神様という名前を聞いた際の神様!という驚きっぷりがなかなか可愛いかったです。
何やら怪しいことを離し続けているようにも見える神様ですが、その話の内容自体は、本作の世界で生じている問題を確かに言い当てており、ただの不審者ではないことを予感させる。愛情と殺意に関する問題こそ抱えているものの、その性根は素直であるが故に、そんな神様の話に感化されたハナの心情が描かれるのがなかなか面白い。
今回登場した神話獣は、より人らしい姿をしており、前の殺してやるという思いだけを伝えてきた神話獣と異なり、自らの負けを認めた神話獣は自分を殺せと語り掛けてくる。神様の言葉により、人に言われるままではなく、自分の頭で考えたハナは人を殺すことはできないと神話獣を逃がす。結果、2本目の杭は打たれてしまいましたが、ここで負けを認めた神話獣を生かしたことは、今後の展開で何か生かされることもありそうです。
単に怪しいだけのおじさんではなさそうな、神様、ここからどのように絡んでくるのかも気になってくるところです。
サンは一体何なのか?
今回の話でも、やはり謎ばかりのサン。何やらマナを調律する力を持っていたり、様々な事情を把握したような行動を見せる。前回までの話を見ていると、サンとサッコで同じ過去生を持っているが故に、という事も考えましたが、今回の話を見ていると、むしろ女神であるムルア・サテネを過去生として持つキャラクターなのかなという気もする。
モモヒメとサンとの出会いでは、恋は盲目といった雰囲気出していたモモヒメからサンへの好きという言葉の意味も彼女にはわからないはずの恋愛を指していたわけではなく、ただ自然に好感をもてる人物への好きというだけなのかもしれません。このあたりは、ムルア・サテネという女神がサンの過去生だとするなら、モモヒメの過去生であるセドナとの関係から考えると、女神として崇めていた人物に好意を抱いたということもありそう。
また、今回一緒に宇宙の環境を考える会が本格的に動いており、そのメンバーの中心人物がサンであることも明かされる。この新興宗教の教祖の様な立ち位置も、彼がかつて女神であったなら、自然な立ち位置となりそうにも思えます。
人のマナを調律するという謎の力を持った彼の正体、今後の話の中でも重要な要素となりそうです。
過去生で捨てた感情が欠けた感情?
今回の話では、サッコの過去生であるムナークは、臆病者のムナークと呼ばれていたことがわかる。臆病とはすなわち恐怖を感じる心で、それは今のサッコに欠けてしまっている感情でもある。過去生のムナークが強く持っていた感情をサッコが失っているというのは、今後何らかの理由で、サヌークがその臆病を捨てたことが、今のサッコに恐怖という感情を持っていないことに繋がっているのかなと思わせる。
過去生で捨てた感情こそが、今の人々に欠けた感情であるとするなら、モモヒメが恋愛感情をもてないというのも、過去生の世界で女神になるために、サヌークとの間の恋愛感情を捨てたと考えることもできそう。
他のエレメント候補生に欠けている感情も、過去生に起因して欠けたということになり、ここから過去生で何があったのか明かされていくのかが楽しみになってます。
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