2025年冬より放送開始の作品、原作:河森正治・サテライト、監督:糸曽賢志による想星のアクエリオン Myth of Emotions 9話『輪廻の終わりに』 の感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
9話『輪廻の終わりに』感想
前回ラスト神話宇宙へと飛んだアクエリオンと3人から始まった今回の話ですが、神話世界に到達するとアクエリオンの合体は溶けてしまい分離。皆は、それぞれバラバラになってしまい、現地の堕天使と遭遇することになる。堕天使たちは、モモヒメを見つけると肉体と呼び、一つになろうと動き出す。依り代となる仮面に体を宿して話しかけてくる堕天使たちを見るに、神話宇宙の世界には肉体が存在せず精神的な生命体のみがいる様子。
また、神話世界についたサッコ達には翼が生えており、それぞれにかけていた感情が戻ることなる。サッコは恐怖を覚え、モモヒメはサッコに対する恋愛感情を自覚、更にリミヤは人を理解する心を持つことで、堕天使たちの愛するものと合体したいという気持ちにすら共感を覚える程。彼らが失っていた感情を取り戻した故に、再び芽生えた感情を強く感じているのか、はたまた失っていただけで、元々強い感情を持っていたのか。
ただ、今回神話世界に来て皆の翼が生え始めたことや、そもそも、神話世界が1万2千年前の世界と形状が一致している点を考えると、強い感情と共に捨てた翼が残ったのが神話世界なのではないか?と思わせてくる。そのため、どちらかというと本来、それぞれが持っていた強い感情が再び彼らに芽生えたというのが正しいように思えます。
堕天使たちも、愛しているから殺したいという言葉の通り、肉体を持つサッコ達に敵対するわけではなく、あくまで合体して一つになりたいだけと話を伝える。また、彼らの言う合体については、聖なる卵の子の意思とのことで、サンは堕天使たちの考えに近いまま動いていることが語られました。
堕天使たちは二つの世界を再び一つにしたいがために行動しており、ある意味それは、今回神話世界に来たことで芽生えた感情を再び捨てることに対する喪失感を受けていたサッコ達と同じようなものなのかもしれない。ただ、結局二つの世界が一つになれば、どちらかの世界は消えるという大前提の問題が残っており、ここからどのように話をまとめていくのかが気になるところです。
失敗作の意味?
そういえば、今回モモヒメは両親から失敗作と言われていたことがわかり、サッコも同じようなものだったと語られる。前回、人工的な救世主であるサンを作るまでにいくつもの失敗作がいた事が語られており、酸を作る上で生まれた失敗作というのが今のエレメント候補生達なのかも。
神話世界での話では、堕天使は偽りの女神の杭で奪われたマナを奪い返しているだけといった話もあり、この神話世界から奪われたマナというのがサン達の誕生に絡んでいるのかもしれません。
また、話の中で出た偽りの女神の杭というと、何やらサッコ達の世界の宇宙に浮かんでいた物体は、杭のような形状をしていたこともありおそらくこれを指していそう。そうなると、むしろ堕天使側は先に何かを仕掛けられ、それで奪われたものを取り返そうとしているだけのようにも思えてくる。
そうなると、そもそもの杭を打たれて世界が一つになればどちらかの世界が消えるという話自体も怪しいところが出てきたようにも思えますが、果たしてどうなのでしょうか。
今回のラストでは、取り戻した感情を捨て戦う決意をしたサッコ達の前に、前回儀式の影響を受け様子が変わっていたトシ君が敵対しもう一体のアクエリオンに乗って登場。このもう一体のアクエリオン、今回のトシ君が、サン達の前でオリジナルは必要といった話をしていたあたり、アクエリオンをベースに作られた人工のアクエリオンといった感じなのかも。
トシ君突然の悪落ちでですが、彼の過去生はアクエリオンの開発に関わっていたようなので、アクエリオンの秘密に関しても何かを思い出した結果が今の行動という事なのかもしれません。
誰が敵で誰が味方なのかも段々と怪しくなってきた本作、果たしてここからどのように話をまとめていくのでしょうか。
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