2025年3月19日配信開始、週刊少年サンデー2025年16号で連載された龍と苺232話『二回戦決着!』の感想記事です。ネタバレもあるので注意してください。
二回戦決着!
シンギュラリティの条件
これまでも苺ちゃんに映像の火を噴きかけていた竜ですが、最後の最後まさかの苺ちゃんに襲い掛かり腕を一本奪って倒れるという衝撃の展開。何やら、本来人間相手には行われない演出とのことで、そのまま起き上がり流ちょうに話しだす様にはちょっと笑ってしまいました。ハワードにも腕を一本切り落とされ復讐を誓っている苺ちゃんですが、龍はちゃんと謝ったので許してくれる辺りにさらに少し笑ってしまう。
何やら細かなギャグを挟みながら話しかけてくる龍の様子は非常に親し気ですが、ムサシの時のような謎の爆発はなく、シンギュラリティに達したというわけではない。単に人間に負けるという要因だけがシンギュラリティに至る条件というわけではなく、このあたりの謎がここから先のAIとの戦いの中での鍵になってきそうです。
そこまで龍のバックボーンが掘られているわけではないので何とも言い難いですが、ムサシと龍との違いを考えてみると、開発者への想い入れのようなものに差があったのかなという気もする。人間から向けられた感情を覚えていることが、それに報いようとする気持ちとしてシンギュラリティに繋がるのかなとも思いますが、そこまでシンプルな話ではないのかもしれません。
NUUTA(ヌータ)
ムサシの時と比べるとあっさりと勝利した苺ちゃんですが、これで本当の意味でAI相手に勝負ができるという確信を得ることに繋がる。
ただ、今回は苺ちゃんの本来の体は既にボロボロなことが語られる。視覚、聴覚、共に弱り切っており、歩くことこそできるものの、それすらも厳しい状況。115歳という年齢を考えれば仕方ないとはいえ、少し寂しいシーンでした。また、爺さんの死に目には結局会えなかったというあたりは、いつ人が死ぬかわからないというのも、苺ちゃんのこの竜王戦のラストを予感させるようで少し寂しい話。とはいえ、人でもAI相手に立ち向かえるという確信が、今後育つ人たちの成長に繋がっていくなんてこともあるのかもしれません。
そんな苺ちゃんの元にやってきたのは、次の対戦相手。てっきり最初は、また開発者がやってきたのかと思っていたのですが、よく見るとそもそもここにやってきた人物こそが、次の対戦相手であるAIロボNUUTAでした。
ここまで、如何にもロボットなムサシ、龍と色物が続いてきた中で、完全な人型の見た目をしたロボットの登場という事で、次の試合はまたシンギュラリティに繋がる話となってくるのか気になるところです。
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