アポカリプスホテル 3話『笑顔は最高のインテリア』感想

2025年4月9日より放送開始、監督：春藤佳奈　キャラクター原案：竹本泉 シリーズ構成・脚本：村越繁によるテレビアニメ『アポカリプスホテル』の感想記事です。ネタバレを含みますので注意してください。

3話『笑顔は最高のインテリア』感想

3話『笑顔は最高のインテリア』感想

前回から50年経過

前回の謎の宇宙人の来訪から更に50年が経過となかなか衝撃的なスタートとなった今回。自らを地球人だと異様に強調して話す家族が、宇宙船に乗ってやってくることから話が始まる。

100年待って宇宙人のお客様が来て、そこから50年。なら、あと50年待ちましょうとのことで、なかなかの気の長さを見せるヤチヨさんですが、今も時折限界が来ていそうな彼女、更に50年経過しても耐えれるのかとちょっと気になってしまう話ぶりでした。

しかし、今回冒頭の地球人が戻ってきたと喜んでいるヤチヨさんの姿がとても印象的。いつもよりはるかに大ぶりに体を動かしており、たぶん本人的には普段と変わらない態度を取っているのでしょうけど、その内からあふれる喜びっぷりが思わず外に漏れだしてしまっているといった感じで非常に微笑ましい。結局、彼らは地球人ではありませんでしたが、いつか本当に地球人が帰ってきたところも見てみたいなと思ってしまうシーンでした。

今回のED後の映像では、狸星人達が遭遇していた地球人は死んでいたことがはっきりと明示される。とはいえ、あれはあくまでいくつも飛び立った宇宙船の一隻、どこかに生きている地球人はいてくれないかと思ってしまいますが、年月が年月なだけに難しくも感じます。

そういえば、温泉の掘削作業も50年間続けていた様子。元々、専門のロボが100年掘ったところで休職してしまい、そこから50年掘り続けても出てこない温泉、果たして本当に出てくるのか気になるところですが、クライマックスに湯が出るのか、はたまた、どこかで湯が出て温泉施設建築回がくるのか等々、なかなか気になる要素となってきています。

50年ぶりのお客様

50年ぶりにやってきた自称地球人のお客様は、正確には狸星人でることが早々に明かされる。姿こそ人間の姿をまねていますが、本来の姿はまさに狸といった感じ。

姿だけ狸なのかと思いきや、その性質まで狸そっくり。地中で暮らしが基本、溜め糞をすることで縄張りをアピール。更に、ホテル内に穴をあけたり、夜間に走り回ったり、水槽に飛び込み魚を取ったりと、なかなかにやりたい放題な姿を見せる。そういえば、彼の星が縄張り争いで滅んだ…という話で星が茶色に埋め尽くされていたのは、改めて思うとそういう事だったのかな…と少し思ってしまいます。

やりたい放題の狸星人達でしたが、あくまで狸のような本能の部分を表に出して生活した方が快適というだけで、きちんと理性や道徳心はある様子。今回は、ヤチヨさんが50年前の宇宙人との遭遇から学んだ相手への理解を示すという態度を見せたが故に、そこに甘えて色々とやらかしてしまいましたが、ヤチヨさんの怒りの正当性を認めれば、きちんとその態度を見直せる。また、宇宙で遭遇した人類は、既に死んでしまっていたことをあえて黙っていてくれる気遣いも見せていたりと、その本質は人間とも違いはなさそうでした。

その中でも宇宙育ちの娘・息子世代の二人は、その性格も親たちとはかなり異なるようで、未知なる地球に興味津々。娘のポン子は、ホテルの仕事をやりたいとのことで、お手伝いすることに決定。ヤチヨさんの元、次回の話の中心になりそうです。しかし、就業規則は15歳、ポン子は56歳だからセーフ、のあたりは人間と狸星人の生態の違い故のすれ違いという面を見せながらも、とんとん拍子で話が進む様子にちょっと笑ってしまいました。