2025年4月9日より放送開始、監督:鶴巻和哉 脚本:両榎戸洋司庵野秀明 キャラクターデザイン:竹によるテレビ放送版 機動戦士Gundam GQuuuuuuXの5話『ニャアンはキラキラを知らない』の感想・考察記事です。ネタバレを含みますので注意してください。
6話『キシリア暗殺計画』
追い詰められるマチュ
今回はあらゆる方向からマチュが追い詰められていくお話となっていました。
その一つ目は前回のニャアンとの出来事。ひとまずクランバトルには自分が出場した体でポメラニアンズの元へ戻ってきたマチュでしたが、その試合を見たメンバーからこれまでの試合と比べても大きい賛辞が送られる。皆は、すごかったと褒めてくれるけど、それをやったのはニャアン。マチュの自尊心ががりがりと削られていく話の流れ。
その後、シュウジの元へご飯を持って行ってあげるも、そこには既にニャアンがいて一緒に餃子を作っている。そんな二人が仲良くしている様子を見ていることもできず逃げ出してしまう。ただ、マチュ自身もニャアンが悪いわけではなく、自分が一人で癇癪を起しているという自覚があるだけに、最初思わず口に出してしまった時以外は、それをぶつけようとはせず逃げてしまうというのが、仕方ないとはいえより状況を悪くしているようにも見えてしまいます。
二つ目は、マチュが信じていただろうアンキーさんの裏切り。ドーナッツの差し入れから自分を後押ししてくれたアンキーさんですが、今回マチュの後をつけ赤いガンダムの隠し場所を探っていたことが判明する。
マチュからするとアンキーさんは、クランバトルという特別な世界で、自分の事を認め、後押ししてくれる人物ということで、一番信頼を置いていた人だったことが伺える。しかし、そんな彼女もあくまでマチュは自分の利益のために利用していただけ、最後の試合が終われば赤いガンダムの懸賞金を貰い雲隠れするつもり。そんな彼女の裏切りをマチュは知ることになってしまいました。
そして、三つ目は普通でいろと押し付けてくる母親の存在。マチュの進路相談では、母は自分の地球の海で泳ぎたいというやりたいことを認めてくれない。決してそれが間違っているわけではないのですが、マチュからすればそれは受け入れがたい現実。しかし、クランバトルの世界に裏切られたマチュは、再び自分をそんな普通に押し込めようとする母親を認めることはできずに逃げ出してしまう。
あらゆる方向から追い詰められているマチュは、次回シュウジと共に地球に向かう計画を実行しようとする。ニャアンと共に3人で落ち合えたらとのことですが、その約束は果たして果たされるのか。次回はコロニー内部でサイコガンダムとの戦いが行われているシーンも挟まっており、どうやら悲惨なことが起きそうな気配もありますが、
キシリア暗殺計画
サブタイトルにもなっていた『キシリア暗殺計画』に関して、様々な推測が語られることになりました。
ジオンサイドでは、キケロガの輸送の件もあり、シャリア・ブルが暗殺を狙っていると推測されているようで、シャリア・ブルの監視を行っているエグザベが警戒。しかし、どうにも地球で描かれたバスク・オムの話を見ていると、次のクランバトルの最後の相手に絡むアマラカマラ商会が、その実行役となる可能性が高そうです。
アマラカマラ商会が空調機として持ち込んだものは、今回そのパイロットである強化人間の少女ドゥーの語り口的にサイコガンダム。ムラサメ研の名前も登場し、一気に登場キャラがZガンダムの世界に寄ってきたように思える展開。ドゥーという名前は、アン・ドゥー・トロワの2番目とも考えられ、彼女はムラサメ研の2番目の強化人間なんてこともあるのかもしれません。また、彼女もまたキラキラを見ているようで、果たして彼女がマチュ達とどう絡んでいくのかも今後気になる所。
そんなサイコガンダムですが、次回予告では、コロニー内部で暴れている姿が描かれる。クランバトルの体でサイコガンダムをキシリアのいるコロニーで暴れさせ、その混乱の中でキシリア暗殺を狙うなんてこともあるのかも。このあたりのアマラカマラ商会の動きを見ていると、シャリア・ブルがキケロガを用意していたのはこういう事態に対抗するためのようで、どちらかといえば彼はキシリアを守るつもりで動いているように思えます。
また書き換えなきゃ
今回全体的に話の動きが大きいお話となっていましたが、その中で印象に残ったのは天井にグラフティを描くシュウジが語った「また書き換えなきゃ」という発言。キラキラの中に真っ白な部分を描きながらの発言という事で、ある意味キラキラの先にあるものを見て語っていたようにも見える。
また、この書き換えるという言葉は、本作が原作である機動戦士ガンダムのパラレルのような世界であることを考えるとなかなか意味深に思えてくるものとなっており、”また”という言葉には、今のジークアクスの世界自体も既に書き換えられたものなんて意味が込められているのかも。
このあたりに何か絡んでくるとすれば、『シャロンの薔薇』あたりが怪しく思え、シュウジと赤いガンダムが地球にある薔薇を目指しているのは、再び世界を書き換えるためなのかもしれません。
二人の夢
今回のお話では、二人の夢を通じて、特別になりたいマチュと、普通に過ごしたいニャアンの対比が行われていたようでした。
今回のニャアンは、仕事をあっせんするおじさんに誘われ中華料理屋に言っていましたが、そこで金を稼ぐ理由に夢なんて言うなよと釘を刺される。しかし、その後描かれた彼女の部屋の中には、セール情報など節約している描写と共に、本棚にジオンの大学の赤本らしきものが描かれていました。ニャアンには、大学に通い仕事について生きていくという夢があることを示唆しているようでした。
そして、それとは異なり、マチュもまた今回は進路相談で自分の夢を語ることになる。マチュには地球の海で泳ぎたいという夢がある。ただ、それは現実離れした今この場所ではない何か特別なことをしたいという形のない物。
普通な現実の夢を求めるニャアンと、どこか遠く漠然としない特別な夢を求めるマチュ、二人の違いが窓から見る景色にも表れているようなお話でした。
マチュのリベリオン
次回は、いよいよ最後のクランバトルとなりそうなお話。町の中でサイコガンダムが暴れ、それと戦うジークアクスと赤いガンダム。更にはアンキーに裏切られたマチュもまた、信じれるものがいない中、地球脱出という革命を起こそうとする。
今のマチュが地球に行けるとするなら、それはおそらく地球行きのグライダーということもあり、彼女の言う約束の場所とはグライダーの出発地点ということなのかも。
あの暴れ方的に、コロニーもただでは済まなそうな中、行われる地球へ向けての脱出計画。3人でご飯が食べたかったというニャアン、次回果たして3人揃ってマチュの言う約束の場所にて落ち合う事ができるのか。いよいよ、大きく話が動き出しそうです。
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