2025年7月23日配信開始、週刊少年サンデー2025年27号に連載された名探偵コナン、FILE1148『混沌からの来訪者』の感想・考察記事です。ネタバレもあるので注意してください。
FILE1148「混沌からの来訪者」
まさかの若狭先生登場
前回のサブタイトルに引き続き混沌の名前を冠して続く一連のエピソード。前の連載時の事件のアパートの下の部屋でさらに殺人事件が発生、そこに偶然キャメルがやってきて、更に偶然組織のナンバー2であるラムが仮の姿である脇田として寿司の配達に参上と、前回の時点でもかなり混沌としていましたが、今回のラストでは若狭先生まで登場と、混沌というタイトルに偽りなしなごちゃごちゃした状況となっています。
ともあれ気になるのは、若狭先生がなぜここに来たのかという事。ここまでいろいろ偶然が続いている状況なので、偶然という一言で済まうこともできそうではあります。若狭先生は、灰原に目を付けていたので様子を見ており今回の事件に遭遇なんてこともあるのかもしれません。
そういえば、今回灰原がドックンと何かに反応する描写がありました。脇田の方には前に反応し離れたことで落ち着いたことを考えると、今回の反応は若狭先生が脇田を見つけた際に気持ちが高ぶったことに反応していたという事なのかも。ただ、現場からは離れているだろう事、また後ろを見て何かに気付いている描写を考えると、他の黒の組織メンバーを見かけてしまったという可能性もあるのかもしれません。
事件で足止めを食らったRUMですが、事件が片付いたらキャメルを誘拐する予定で警察こそいるものの、キャメルが現場から離れさえしてしまえばあっさりと連れ去られてしまいそうな状況。キャメルも、スマホを新しくしたばかりでFBIの面々とも連絡を取れずまさにピンチといった感じでどうするのかと思っていました。そんな状況に投入されたのは若狭先生と、そもそも助け船になるのか?という点から疑ってかからないといけない状況で、何が起きるのか気になるところです。
事件について
前回から続く今回の事件。何やら怪し気な遺言書の方は、割とあっさりとその偽装が見抜かれてしまい自殺ではなく密室殺人事件であることの証拠となりました。
元々書かれていたメモの内容は、事件に歯関係なさそうなものとなっており、偶然熱で消えるボールペンで書かれたものがあったので利用しただけという事なのかも。ただ、このメモに書かれている攻略できなかったクソゲーが今回の事件の動機なんかに関係しているという可能性もある気はします。
今回、事件現場気になる点
今回で明らかになった事件で気になったポイントをまとめていきます。
被害者は抵抗せずに死んでいる
被害者の首を絞められた際に抵抗してできる吉川線がないとのことで、被害者は抵抗せずに死んだことが明らかになりました。死因自体は頚部圧迫による窒息と脳血流障害とのことなので、他の方法で殺された後自殺に見せかけてつるされたという可能性はなさそうです。
懸垂バーの移動
被害者が首をつっていた懸垂バーの位置が、ベッドの横から移動されていたとのこと。自殺が起きていた場所は、部屋の中央で犯人が何らかの意図があり動かした可能性があるようです。
移動された場所は、ドアの入り口から見える場所という事で、死体に意識を向けさせる狙いがあったなんてことはあるのかも。ただ、ドアとの間には服がかけられており、外からは見えにくくされていたようにも見え、背の低いコナン君がいたため発見されてしまったという可能性はあるのかも。そのため、トリックの仕掛けのために、ここに置かざる負えなかったなんてこともありそうです。
死亡と音の鳴り始めたタイミングは同じころ?
今回の事件で被害者の死亡とスピーカーから大きな音が鳴り始めたタイミングほぼ同じであることが度々強調されているように思えます。それが配信中に起きた出来事故に、今回の容疑者二人のアリバイとなっているようです。
警察による推定では、死亡時間は1時間半~2時間前。呉井さんは、音が鳴り始めたのは1時間半前といった際に、跡部さんは2時間前と指摘している点も気になる所。この30分の時間のずれに何かあるのかもしれません。
部屋の中に転がっていた鎖の欠片
コナン君が捜査中に、鎖の欠片を見つけています。キャメルが扉を開いた際に壊れたチェーンロックの一部という可能性は扉の開いた方向から否定済み。つまるところ、別のチェーンの一部、もしくは、犯行時にチェーンロックに何か仕掛けがされており、その際に残してしまったものといった感じか。
チェーン絡んでは、今回跡部さんの格好はゲーム配信に合わせてパンクロック風にしており腰のあたりにチェーンがついている。気になって前回の話を見ていると、部屋に入る前はチェーンが2本だったのが、部屋に入ってからは3本に増えており彼が何かをした可能性がありそうです。
配信中は音をごまかせるタイミングはあった
容疑者の二人とも事件中はゲーム実況を配信しており、視聴者の話ではしゃべり続けと異例に言った時間すらもなかったとのこと。この配信が、スピーカーからの音で中断されたという事実が、二人のアリバイとなっているようです。ただ、ゲームには大きな音がして、声が聞き取りにくくなる瞬間もあるとのことなので、僅かな時間であれば何かをすることは可能だったのかもしれません。
扉の前につけられた線
部屋の外にいた脇田が指摘し、コナン君による事件解決の最後の鍵となった証拠。線の角度的に、チェーンロックで開いた扉の位置に線が引かれているように見えます。何かの拍子に見えるようになった線という感じではなさそうで、誰かが意図してそこに書いたということなのかも。
現時点での推理
コナン君はすでに犯行の全容を把握しているため、次回で事件自体は解決となりそうですが、やはり状況がつかめない。
個人的に一番怪しく見えるのは跡部さん。前回の話を見ると彼が部屋に入るのは一番後となっており、皆が死体に向かっていく最中に部屋に鍵を置くなんてことも可能だったように見えます。前回の部屋に入った際のキッチンのシーンを見ても鍵らしいものは机の上になく、後から鍵を置いたという可能性はありそう。そうであるなら、部屋に鍵がかかっていた方の密室の条件は達成できることになります。
残るはチェーンロックの方ですが、こちらはいまいちわからない。ただ、鍵さえ持っていれば、チェーンだけ外からかけるなんてことはできるのかも。跡部さんの腰のチェーンが増えたことも、何か関係していそうな気がします。
また、死亡時間に配信をやっていたというアリバイの方も問題。色々考えてみましたが、やはり前回の線が束ねられたヘッドホンのコードや、開いたガラス扉が関係しているように思える。
最初被害者は気絶した状態でヒモを首にかけてつるされ足元に足場を置かれた状態で立たされる。この状態だと首はまだ締まらず死亡には至らない。この時、懸垂バーをガラス戸が開いた際に当たる位置に置いておく。こうすることで、後からガラス戸を開きぶつけることで足場を崩し首を絞めさせるといったことはできるのかも。
また、コードの長さを調整したヘッドフォンをステレオに接続、そちらから音が鳴っている状態で、扉を閉めたガラス戸の横に置くことで、戸を開いた勢いでヘッドフォンのコードを外し、被害者の首を絞め始めるのと同時に音を鳴らすといったことができるのかも。
あとはどうやってガラス戸を開くのか、という点が問題になるのですが、このあたりは跡部さんが持っていたチェーンをつないでおき、僅かに扉が開けば外から引き抜いてガラス戸を開けられるようにしておくことはできるのかも。
跡部さんが実況していたのは恋愛アドベンチャーゲームという事で、操作はしなくてもよいタイミングはあるでしょうし、実況をしていないことをごまかせるタイミングがあることも指摘されているので、部屋を出て扉の隙間からチェーンを引き抜きガラス戸を開ける時間程度はあったように思えます。部屋に残った鎖の一部は、その時に一部残ってしまったということなら、ひとまず筋は通っているように思えます。
ただ、部屋の外の謎の線に関してはノータッチですし、細かい部分を詰めだすとかなり怪しい気がして、ちょっと無理があるかなという気もする推理です。
果たして次回どのようなトリックが暴かれるのか、キャメルはどうなるのか、若狭先生は何をするのか、非常に気になる回となりました。
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