DEATH NOTE Killer Within
DEATH NOTE Killer Withinは、2025年8月5日に日本向けに発売された漫画『デスノート』を原作としたマルチプレイ人狼ゲーム。
ゲームとしては、『Among us』や『ダンジョン人狼』などの作品に近く、ゲームはプレイヤーが操作する小さな箱庭の中にて行われる。相手の本名を書きこむことで人を殺すことができる本『デスノート』を使うプレイヤー『キラ』と、その正体を暴きたい逮捕することを目的とするプレイヤー『L』を中心に、異なる役職が協力することで互いの目的を果たすための騙しと推理の戦いが行われるマルチプレイヤーゲーム。
この記事では、本作をプレイした中で感じた点や、VCは必要なのか?といったあたりを含め感想・評価を行っていきます。なお、私はあまりVCを使ったプレイはしたくなかったため、VCなしでのプレイ感想となります。
ちなみに、本作は2025年8月のPS+のフリープレイに入っている作品。加入されている方はそちらでプレイするとよさそうです。
豊富な原作ネタ
死が確定した時、逮捕された時に流れるカットイン演出は、アニメ版の『デスノート』の映像や声が使われており、なかなか賑やか。また、チャットで使用できる定型文にもアニメで使われたセリフが多数用意されており、そういったセリフを使っていくのもなかなかも楽しい。
カットインやセリフは、真面目な場面・可愛い場面等々色々用意されており、夜神局長が月が拘留される際に言った「私も監禁してくれないか!」といったそういえばあったなぁーとなるものの、なぜ選ばれたのか?ちょっと疑問が生じるものも用意されているのが、なかなか面白い。
また、演出で登場する「夜神月「、「L」の3Dモデルやアニメーションの出来が非常によく、月のあの悪そうな笑顔なんかもきっちり再現されているのが良い感じ。個人的には、ゲーム中の特殊な役職出るメロが勝利した際の、二人の完全に想定外といった感じの顔が好みです。
また、このゲーム特有の原作を生かした要素として、通り名と本名が別で設定可能というのが面白いところ。これは、デスノートが本名を書かなければ人を殺せないという点を再現した要素となっており、普段他のプレイヤーに表示されているプレイヤーネームとは別に、本名となる要素を設定しておくことが可能。こちらの本名を知られるとキラに殺されてしまうのだが、この本名は間違えて逮捕された場合にも世間に公開されてしまう。そのため、本名にちょっとしたネタを仕込んでおくと逮捕された際に世間にその名前が公表されてしまう…なんてことができるのは、本作ならではの面白さと言えます。
人を選びそうなのは、無料版だと操作キャラクターが原作のニアが持っていた指人形風のものしかなく、少し不気味なデザインとなっているのは人を選ぶかも。ただ、課金アバターでは、夜神月やミサなど原作を可愛くデフォルメしたキャラクターも用意されているので、最初のアバターが不気味という方はそちらを利用することも可能です。逆にアバターや演出以外の課金要素は存在しないため、ゲーム自体は平等にプレイが可能となっているのもよいところです。
VCはあってもよいがないならないなりの楽しみがある
本作は、ゲーム内のVCが用意されており、そちらの利用が推奨と公式では紹介されている。それ以外のゲーム内でのプレイヤーの交流手段は、ゲーム中用意された文章の実を使って交流を行う定型文となっているのが独特。類似する作品だと、文章によるテキストチャットが用意されていることが多い中、本作では定型文のみとなっている。
用意されているのは、『はい』、『いいえ』などの基本的な応答に加え、『~が怪しい』といったゲームの進行に関わるものなど数多くの種類がありますが、それ以外にも原作での心象的なセリフ『僕がキラだ!』、『削除』な度も用意されており、そちらでちょっとしたごっこ遊びをすることにも使えます。
VCがない場合は、テキストチャットも用意されていないため推理はすべて定型文を使って行われることになり、情報をきっちり伝えきるという事は難しくなってしまいます。例えば、その時自分が何が何をしていたのか?という事を伝えることはできても、何のためにそれをしていたのか?という点まで伝えるというのは難しかったり、特に自分のアリバイを説明などはかなり難しくなっています。
それでは、人狼系のゲームは成立しないのでは?とも思われるかもしれませんが、本作は『L』という絶対の探偵役が存在するが故に、こういったあいまいさを含んだうえでもゲームの進行が進められるようでした。
死んだプレイヤーの残すダイイングメッセージに書かれた怪しい人物や、デスノートで殺される条件となる本名の書かれた身分証が盗まれた、といった情報、その時近くに誰がいたから怪しいといった感じの情報は伝えることができるため、Lがその情報から判断して推理を行う事が可能。L自身も、他の役割では使えない監視カメラなどの要素がある為、非常に調査能力が高く、自分の調査+定型文での断片的な情報をつなぎ合わせることで、キラを追い詰めていくことが可能です。
そして、もう一点VC抜きの利点と言ってもよいのが、定型文しか使えない曖昧さによる傘下のハードルの低さ。定型文のみでの会話であるが故に、ある程度緩くプレイできるというのも、なかなか良い感じのように思えます。
VCを使えたらもっと詳しく伝えられる、というもどかしさこそありますが、VCがないなら、ないなりの楽しさを感じられる作品でした。
設定で調整も可能
本作は、様々なゲーム要素の設定が可能となっています。例えば、初期設定ではキラサイドのプレイヤーが、他プレイヤーの側にいると、相手の身分証を絶対に盗むというものになっています。ある程度側にいたプレイヤーは身分証を盗んでいくということで、L側からすると大きなヒントになるのですが、それはそれとしてしばらく遊んでいるとこれは少し強すぎると思える要素でもある。ある程度慣れてきたら、OFFにすることでより推理する要素を増やすことができるなど、設定で自分たちの遊び方に合わせて難易度を変更していけるのはなかなか良いところ。
他にも、身分証を盗まれたかもしれない?という表示を消すことができたり、全員が調査を行うとデスノートを持っているように表示されるなど、様々な部分が変更できるようになっているため、VCの有無や参加しているプレイヤーの慣れ具合などに応じて変更していけるのはなかなか良い感じでした。
原作ファンにもおすすめ
グラフィックもなかなか良い感じで、差し込まれるアニメのカットインや合間の演出はきっちりボイスがついているなど、アニメ要素がもりもりな作品。原作要素も多く、定型文のみで遊べばハードルを下げることもできるため、あまり人狼系ゲームを知らないという方にもお勧めできる作品だと思います。
頭を使いながらマルチプレイで楽しく遊べる作品となっておりなかなかおすすめできる人狼ゲーム。とはいえ、やはり原作を知っているとより楽しめる作品だと思いますので、少し遊んで興味を持たれたら読んでみるのもよいかもしれません。
本記事ではDEATH NOTE Killer Within ゲーム中の画像を引用しております。 ©大場つぐみ・小畑健/集英社・VAP・マッドハウス・NTV・D.N.ドリームパートナーズ ©Bandai Namco Entertainment Inc.
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