2025年8月27日配信開始、週刊少年サンデー2025年39号で連載された龍と苺253話「礼を尽くす」の感想記事です。ネタバレもあるので注意してください。
週刊少年サンデー2025年39号
龍と苺 253話「礼を尽くす」が掲載された週刊少年サンデー。
礼を尽くす
三段リーグを見守る
前回ミクのプロ入りが決定するも、それで終わりとはいかない三段リーグ。最後の一局でミクが相手をするのは既に将棋から離れる覚悟を決めた山本。
今回描かれたのは、将棋でプロをするうえでは必ず存在する負けた側のお話。山本からすれば将棋に向き合う最後の試合となりますが、同時にもはやプロになれない山本からすれば意味もない試合でもある。無意味だと感じて投げ出してしまう山本の気持ちもわかりますが、そこに苺ちゃんが現れそれを止める。礼にはじまり礼に終わるという、将棋を通じて学んできた事、今の苺ちゃんに通じる一番大事な言葉をもって再び対局に向き直させるのが良い展開でした。しかし、一度は負けましたと負けを認めてしまった山本へのアドバイスが、しれっと戻れなのも実に彼女らしい図々しさを感じさせるとともに、ある意味これから先生きていくうえでのアドバイスにもなっているようでちょっと笑ってしまいました。
そして、今回の話何よりも、三段リーグを見つめてきたという苺ちゃんの言葉に嘘偽りがなく、将棋に向き合ってきた人を最後まで破れかぶれにならないよう拾い上げていたというのも、人を導く立場になった苺ちゃんというの描いているようでよかったです。
三段リーグ周りの話は、正直最終的に何を描くためにやっているのかなと思っていた部分もありましたが、もしかすると今回の話が書き方勝ったが故にここまで話を続けてきていたのかなと思わせる。単に上を目指すだけではなく、苺ちゃんがこれまで将棋の世界を見守り続けていたことがわかることで、より一層AIという最大の敵に向き合う事への説得力が増したように思えるお話でした。
いよいよ次回は、挑戦者決定戦と竜王戦も終盤を迎える。ある意味最後の戦いがだいぶ近づいてきたように思えますが、ここから何を見せてくれるのか今後の展開が楽しみです。
龍と苺の最新刊22巻が9月18日発売とのことで、予約なども開始しているようです。
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