2024年9月8日より放送開始した令和仮面ライダーシリーズ第7作目の作品『仮面ライダーゼッツ』1話『Case1 始まる』の感想・考察記事です。
この記事には最新話のネタバレが含まれますので未視聴の方はご注意ください。
Case1 始まる
仮面ライダーゼッツ
先週仮面ライダーガヴが終わり、翌週当たり前のように始まった新作の仮面ライダーゼッツ。今回の仮面ライダーは夢を舞台にしたものということで、主人公の万津莫は、自分の夢を自由に操れる明晰夢を見ることができる青年。そんな彼は、エージェントものの映画が好きなようで、彼のその好みが夢の中の景色や仮面ライダーとしての姿にも表れているのかもしれません。
莫がエージェントが好きな理由は、おそらく人助けという点に根差しているようで、夢の中だけでなく現実でもまた常にだれかを助けようとしている、というのは実に主人公という感じ。今回怪人からは、誰かを助けることなどできないと深層心理で思っていると指摘されていましたが、深層心理にいたゼロからライダーのベルトを受け取っていたあたり、むしろ迷いがあるのは現実の自分を知っている心の外側なのかなという気もします。
そんな彼ですが、その最大の特徴はその不幸っぷり。仮面ライダーガヴの最終回に見せていたUFOに電撃を食らうというものもその不幸の一環だったようで、今回は攫われそうな女の子を助けようとする代わりに車に轢かれてしまうという不幸が訪れる。今回、これまでに彼が受けた不幸の一部が流れていましたが、サメに襲われたり、隕石が直撃したりと、さりげなくとんでもないことが書かれていました。
そういえば、今回車に轢かれた件は、敵組織ナイトメアにより起こされた事件だったようですが、これまで彼に訪れた不幸もナイトメアに何か関係があるのかというも気になる所。また、本作におけるゼッツの変身ベルトは、彼の深層心理の中で手に入れたものが実際に出現しているというかなり曰く付きな物。不幸がおきる理由、明晰夢を操れる点、仮面ライダーに変身出来た理由などなど、万津莫自身にも何か秘密がありそうです。
夜の戦闘が生える赤いライン
そんな万津莫が変身する仮面ライダーゼッツ、スマートな体形に鋭いシルエットといった感じで、ここ数年のライダーとはまたデザインのラインが異なるように見えましたが、これはこれでかっこいい。
特に印象に残るのが、変身時にも光る体の赤いライン。悪夢を舞台にした戦闘という事だからか、夜の戦闘シーンが多めになっていた本作、赤く光るラインが怪しく光る様がなかなかかっこよかったです。
そういえば、ゼッツのベルトは胸につけるという点もこれまでのライダーとは異なりますが、ちょうど莫の心臓が止まっていたところに、ベルトを胸につけて動き出したというのがなかなか印象に残るシーンでした。あのシーンをみると、実は今の彼はベルトを付けていないと死んでしまうのかな、などと思ってしまいますが、実際はどうなのでしょうか。
また、ゼッツの特徴的な赤いラインも胸につけたベルトから伸びていることを考えると、あれには心臓から血を全身に巡らせるようなイメージもあるのかもしれません。あの赤いラインがはじける様に体の端であふれ出す描写がかっこよくてよかったです。
夢の中の様な戦闘シーン
戦う場面が逐一切り替わっていくという演出も夢らしさが出ていてなかなか面白かったです。冒頭の莫の夢のシーンでも、窓を飛び出して落下したはずなのになぜまた同じ部屋に戻ってきていたり、扉を開くと全く違う景色が広がっていたり、どことなく不気味な雰囲気も相まって夢っぽさがよくでているようでした。
敵により腕を縛られていた鎖が、いつのまにか敵を縛る鎖に変わっていたりと、莫が明晰夢を操れるが故の夢らしい演出が挟まっていたりするのもテーマを生かしていてよい感じでした。ライダーキックの決めに入るスロット風演出も最後にZZZが揃って相手を眠らせて撃破というのも面白い。
そんな自由な夢の中での戦闘で気になるのは、今回はあくまで万津莫自身の夢の中での戦いだったという事。予告を見る限り、次回以降は他人の夢の中で活動を行う事になるようですし、今回ほど自由にできないなんてこともあるのかも。このあたり、自分の夢と他人の夢の違いなんかが描かれることもあるのでしょうか。
また、自分の夢を見れる等のはある意味当たり前ですが、他人の夢に入れる、というのがどういう理屈で行われるのかも気になる所。今のところ本作の夢に繋がる力は、今のところ全て万津莫自身に由来する物ですし、それが彼の特異性となるのか。はたまた、人の見る夢と夢は無意識レベルで繋がっているなんてこともあるのかもしれません。
ちょっと余談ですが、この場面転換に関しては、仮面ライダー恒例の急な戦場の移動なんかもある意味自然に演出できしまいそうです。
ねむちゃん
本作のヒロインになるだろうねむちゃん。人気のアイドルとのことですが、実際には万津莫との面識一切ない。ただ、番組の宣伝では、夢の中でのヒロイン的な役どころとして度々登場することが示唆されています。
単に万津莫のイメージが形を作った、というだけでは何か寂しい気もしますし、今回のラストお礼を言えなかったようなシーンもちょっと気になる所。もしかすると、ねむちゃん自身も夢の中での意識があり、夢の中で莫と本当に出会っていたなんて展開もあるのかもしれません。
とはいえ、今のところはあくまで夢の中で助けるだけの対象といった感じのまま、現実で本人と出会う時が来るのか、来たとしたらその時に何が起きるのか、今後の気になる要素となりそうです。
仮面ライダーゼッツ 1話感想まとめ
非常にスタイリッシュなライダーといった雰囲気がありましたが、現実の万津莫はちょっと緩い感じも見せる優しいお兄ちゃんといった感じで、その差がなかなか良い感じ。
戦闘シーンも夢であることを生かした演出が多く使われており、今後もこういった演出が生かされていくのかどうかは気になりますが、なかなか見ていて面白かったです。今回の夢の件だけなら、いつものようなただの夢、と本人に思わせておいて、いざ目を覚ますと夢の中で手に入れたはずのベルトが体についていてびっくりという流れは、その演技からも本気の驚きっぷりが感じられてちょっと笑ってしまいました。
一話で一番気になったのは、主人公である万津莫に隠されていそうな秘密。自身の深層心理の奥で仮面ライダーのベルトを受け取ったり、異常なまでの不幸、仮面ライダーになれた理由等々、彼自身の秘密も本作における話の鍵になっていきそうな予感がします。
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