銀河特急 ミルキー☆サブウェイ
2025年夏にYoutubeなどでネット配信が開始された、監督・脚本・キャラクターデザイン・制作:亀山陽平によるアニメ『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』最終回 12話『マキナ死す』の感想記事です。
アニメのネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方はご注意してください。
最終回 12話 マキナ死す
マキナ死す?
いつも以上に軽い次回予告なで始まった最終回ですが、このノリが実に本作らしさを感じさせます。
オータムちゃんにより襲撃を受けるチハル・マキナ達ですが、電車の周囲を囲まれつつも目標は先頭車両で獲得したコントロールキーを最後尾の車両にまで持っていくことで決着を付けようとする。
先頭車両に向かう流れでは、周囲にアイドルソング風のBGMが流れる中で、各キャラクターが中に侵入してきた防衛ロボットを排除しつつ進行。今回も各キャラクターのアクションが、BGMのリズムにあうように差し込まれており、全体の戦いが音に合わせたリズミカルな感じになっているのが良いですね。
そんな最終回、特によかったのは、これまでの各キャラクター達の描写の重要だった点を改めて深堀する流れだったという所。カート・マックスに対してはマキナからのありがとうと言うお礼の言葉、アカネも先へ進むカナタに対してコントロールキーを託してその信頼を示すリーンが挟まれる。このあたりは、ここまで語られてきたそれぞれのキャラクターの話の軸だった部分でもあり、それを改めて触れ直しているのは、これまでの総決算といった感じがするシーンでした。
なんだかんだすっかり仲良くなった6人ですが、残りの話として気になるのはタイトルにもあるマキナ死すが何を指していたのか。
先頭車両に到着後、まだあきらめないオータムちゃんの一撃によりマキナが破壊。かと思ったものの、何やら頭からメモリーが出現しギリセーフといった感じ。そのまま、後部車両はロボットに変形、前の車両に残っていたオータムちゃん達を一気に撃破して無事完結となりました。
そのまま1話での生首のシーンに繋がり、マキナ自体はバックアップがあるとはいえ、果たしてどう終わるのかなと思っていたところ、そもそも電車が変形したロボットの方にマキナの意識が移っていたとのことで、新しいボディはどんなものにするかと語り合ってハッピーエンドで終了となりました。
銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 全体の感想
一話一話は非常に短い作品でしたが、その全体的な軽いノリがなかなか癖になってきて楽しい作品でした。1話でのマキナ絡みの件は、ある意味全体の謎として最終回まで引っ張った割には軽く済まされたように思えますが、そもそも本作にそんな重いノリは求めていなかったり、最初からそもそもマキナの死に関してはネタっぽかったりで、この先何が待っているのか?とストーリーに興味を向ける役割をきっちり果たしていたように思えます。
また、度々挟まれる戦闘シーンでは、そのアクションをリズムにはめる感じで動かしているのが結構好みで、流れる音楽と相まってなかなか楽しい演出。そういう面でも、楽しそうな雰囲気を全体的に作ることを意識されていたように思え、毎話見ていて明るい気持ちにさせてくれる作品でした。
正直に言うと、本作は今期のアニメの中で、最初あまり気にしていない作品でした。そのため、最終回に近づいた段階でまとめて一気に見てしまったので、毎週次の展開を気にしながら楽しめるともっと面白かったんだろうなと思う。特にオータムちゃん黒幕のあたりは、あの首がぐいっと動く演出なんかがなかなか怖く、あそこから1週間待つとなると次に何が起きるのかすごく気になっていそうです。
個人的にはカート・マックスの二人組が、その態度と裏腹に求めているのはお礼の言葉、人として認められることという点がギャップもありかなり好み。それ以外の面々もなかなかいいキャラクター達が揃った作品という事もあり、今後も何か展開があるのか、続編の構想なんかはあるのかとちょっと気になってしまいます。監督の次回作にも期待したいですね。
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