2024年9月8日より放送開始した令和仮面ライダーシリーズ第7作目の作品『仮面ライダーゼッツ』3話『Case3 蝕む』の感想・考察記事です。
この記事には最新話のネタバレが含まれますので未視聴の方はご注意ください。
Case3 蝕む
世界を蝕むナイトメア
富士見刑事の深層心理が望む警察の壊滅。ナイトメアの目的は、夢の中で彼の願いをかなえることで、深層心理の扉を開くこと。そのすべての扉が開かれると、もはや目覚めることはないという話でしたが、その願いをかなえた時点で体をナイトメアに奪われてしまうようでした。
前回の時点で、三つの扉が描かれており、パトカーの爆発の時点で扉が開いており、何か意味深でしたが、やはりその3つの扉に意味があった様子。今後もこういった形で、扉が開かれることで体がナイトメアに体が乗っ取られるという展開が続くのかも。
そんな中、体を乗っ取られた時点で、何やら悪夢が現実を侵食しているような描写が広がっていたのは気になる所。ナイトメアの悪夢の時のような、赤い空が広がり、赤い月がモニターに映りる様子はまるで悪夢のような光景。そんな中で、紫色の蝶が飛び交い、妹である美浪の瞳に宿ったのはなかなか意味深。こういった形で一度ナイトメアが外の世界に出てしまうと更なるナイトメアの被害者が増えてしまうという事なのかもしれませんが、妹のナイトメアに絡むお話の伏線がまかれたという事なのかもしれません。
更に、体を奪ったナイトメアの方も、自らを生み出した人物の悪夢を叶えるという行動を最後までやり遂げる様子。単に暴れるというわけではなく、富士見刑事の望んでいた爆発すべく本体ごと自爆しようと動く。この点で考えても、最後までナイトメアは宿主の夢をかなえきることを目的としており、その結果として世界に悪影響が出てしまうといった感じになっている様子。
夢と悪夢
富士見刑事の悪夢は、警察を爆発で壊滅させること。現実でも怪事課が解散されたという事で、どうしようもない問題に直面し、その悩みをどうするのか?というのが今回の莫が富士見刑事に絡むお話になるのかと思っていましたが、あくまで莫が対処したのは現実に現れたナイトメアを倒すのみで、結局のところ、富士見刑事に絡む問題は何も解決されずに終わる。
ナイトメアは深層心理で望んでいる物を人は悪夢としてみており、それを叶えていると語りましたが、実際にそうであるならば、その行動をを止めることはできても、その考えをどうにかすることはできない問題。しかし、そんなナイトメアの言葉に対して莫が、富士見刑事の望みはそんなものではないと答えたのが印象的、
結局のところナイトメアが叶えている夢というのは、あくまで富士見刑事の悩みの部分が夢として現れた悪夢でしかないという事。現実の富士見刑事は、苦しみながらも、それでも頑張ろうという気持ちをしっかり持っており、だからこそ現実で触れあった富士見刑事を信じる莫が止めるために戦うというのは、ある意味で本作のテーマとなる部分なのかなという気もする。
1話で莫は、おそらく彼自身の深層心理から生まれただろう銃のナイトメアと対峙。彼自身の弱さを突きつけられながらも、それを払いのけナイトメアの悪夢を終わらせました。
そんな心の多面性のようなものは、決して莫だけではなく他の人にもあり、深層心理で悪夢を願う事はあっても、それだけが全てではない。悪夢に囚われずに頑張ろうとする人の気持ちを莫が救っていくという話になるのかなと思わせるお話でした。
そんな今回の莫ですが、現実の世界で初のゼッツへの変身を行いました。その変身時の決めセリフは夢の中でのものと違ってどこかたどたどしい物。そもそも、現実では夢で活躍せするセブンのような力は持っていない彼ですが、それでも悪夢を払うために戦う覚悟を決めた非常に良いシーンでした。
ゼロの謎
今回、ナイトメアの悪夢で起きた爆発が現実の警察でも起きる。その説明の際にゼロは、莫の部屋の押し入れに秘密基地ができたことと同じように現実に出現したと語っていましたが、これはどうも、ナイトメアとゼロが似たような存在であることを示唆しているように思えました。
ゼロは自分を遠隔操作されていると語っていましたが、そもそもゼロの本体はどこにいるのかと考えると、やはり一番ありそうなのは莫の夢の中。つまり、莫のナイトメア的な存在なのかもしれません。こうやって考えてみると、莫の特徴的な不幸も、ゼロが何らかの関与をしており、莫の夢が現実に干渉してしまったが故に起きた事という風にとらえることも出来そうですが、はっきりとその繋がりを指摘できるかと言われると怪しいところ。
ともあれ、ゼロと莫の関係というのは、おそらく本作のかなり重要なポジションを占める話となっていそうですし、今後の二人の間に何が描かれるのか、気になるところです。
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