パワプロドラマ 2025 ー平凡な新社会人の俺がサクセスした話
2025年9月27日に放送された、辻皓平による脚本、主演鈴木福による『パワプロドラマ 2025 ー平凡な新社会人の俺がサクセスした話』の感想記事です。
本作はTverにてWebで無料で見逃し配信されていますので、興味を持たれた方はそちらで見られてみてはいかがでしょうか。
パワプロテイストの新社会人ドラマ
放送される前から告知されていた通り、パワプロテイストな世界観ではありましたが、あくまで新社会人ドラマ。
高校野球最後のチャンスを逃し、そのままずるずると大学へ進み、望んだわけでもない会社に就職してしまった主人公『西野純平』が、入社当日にパワフル社会人なるNintendoSwitch的な形状をした謎のゲームを拾ったことから始まる。いざ会社に向かうと、矢部君、猪狩とまるでパワプロの登場人物と重なる人がいるという妙な状況、そんな中で新入社員として一念発起していくといった感じのお話になっていました。
妙なゲームによる導入から、もしかしたら世にも奇妙な物語に登場するような作品となるのかな、などとも思っていましたが、そのゲーム自体は左程本筋には関係なく、単に周囲の人のパラメーターを見ることができるツール的な活躍のみ。とはいえ、社長の趣味を表示することができ、新入社員としての人脈作りに大いに活用されていました。
果たしてあのゲームがあったが故に、世界がパワプロ風になってしまったのか、はたまた、元からそんな世界だったというだけなのか、ちょっと気になりますが、そこはさほど重要な要素というわけではなさそうでした。
モチーフにしたキャラクターの表現はよい感じ
本当にヤンスで話し続ける矢部君に、何をしても理不尽なまでに好感度が上がり続ける姫野カレン、ダイジョーブ博士など、原作キャラをモチーフにした人物が登場。サクセスモード中でのそれぞれの役割を話に織り込んで作られており、原作を知っている人ならば見覚えのある展開が出てきておりパワプロらしさはありました。
ダイジョーブ博士の実験がこのタイミングで来たらこうなるよな、だとか、彼女と付き合ったらこうなるよな、というような定番の流れは抑えられており、野球でこそないもののパワプロのサクセスに風景を実写映像化したらこんな感じになるのかなという感じられるものでした。
特に、矢部明雄役を演じられた阿久津仁愛は、ヤンスという特徴的な語尾を常についたセリフをちょっとわざとらしくコミカルな感じで演じておられ、最初こそ現実でその後日連打はないだろ…と思いつつもいつのまにやら左程違和感を覚えることもなくなり馴染んでいたりと良い感じでした。その他の役者さんもメインで多く登場される方は自然な演技をされており、違和感なくお話を盛り上げられていました。
ただ、猪狩とのライバル的なシーンで、西野の心象風景であるとはいえ急に安っぽいパワプロ風の野球演出になるのは、ちょっとどうなのかなという気もする。とはいえ、本作の中でパワプロらしさを出そうとするとどうしてもあの場面で使わざる負えない的な面もあったのかなという気がします。
全体の感想
新社会人ものということで、野球要素はあくまで演出的な部分がほとんどで、果たして本当にパワプロ風にする必要はあったのか?とか色々思うところはある本作。とはいえ、多数のパワプロサクセスモードのあるあるなネタが含まれた新社会人ものドラマとしては普通に見れるものとして成り立っていました。
そもそも発表されていた企画のゲテモノ感でどんなものが出てくるのかと思っている中で、お話自体はそこまで目立ったところのない新社会人ものといった感じながらも、最後までコミカルで楽しく見ることができる作品でした。
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