瑠璃の宝石
2025年夏より放送開始。渋谷 圭一郎により、HARTAにて連載されている漫画『瑠璃の宝石』を原作とし、監督:藤井 慎吾により制作された鉱石を題材としたサイエンスアドベンチャーアニメ。作品のネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方はご注意してください。
13話 見上げて覗いて探して、次!
瑠璃の目標
今回のお話で描かれたのは、将来に対する瑠璃の悩み。凪さん達と同じような研究者になりたいという明確な目標を持っている瀬戸さんに対して、具体的な目標を持てない自分という関係で思い悩む姿が描かれる。
昔から色々と考えていた瀬戸さんに対して、鉱石と出会ったのもまだ最近の瑠璃からすれば、まだ具体的にどうのという目標を持てないのもある意味当然ではありますが、なまじ瀬戸さんがわかりやすく前進しているが故に余計自分が遅れてしまうと感じてしまうというのもよくわかる。
今の自分の状況を悩む瑠璃ですが、そういったわかりやすくやりたいことをやれているように見える凪さん達にも少し嫉妬してしまうと、彼女にしては珍しく後ろ向きな気持ちが見えるお話でしたが、やはりそれも真剣に考えているからこそという事なのかも。
そんな瑠璃ですが、凪さんが学芸員にならないかという誘いが最近あったことを知る。来年には凪さんがいなくなっていてもおかしくはなかったと驚いていた瑠璃。このシーンの凪さんは、教授を目指すという目標を達成することを選んでいましたが、どこか遠くを見るようなその姿は、学芸員なれるという貴重な誘いを受けるかどうか悩んでいた節も感じられ、いつも余裕のある彼女の少し違う一面が見えたようで面白かったです。
最終的には、二人の話からどのような立場であっても悩みはあることに気付き、再び持ち前の前向きさを取り戻すという流れにもつながっており、瑠璃自身の気持ちにも変化を与えるお話でした。
今回の話は、タイトルにもある通り一つの事を成し遂げた後に、次の事が待っていることに気付くお話でもある。
終わってしまう事の寂しさを感じる瑠璃に、その次がある事への期待に気付かせるものでしたが、この終わってしまう寂しさという点は、このお話自体が最終回という点ともあえて重ねているようで、その終わりの寂しさを一緒に感じてしまう面もあり、最終回であることをうまく使ったお話だなぁと感心させるものでした。
温泉と隕石
今回のお話で描かれたのは、温泉と隕石に絡むお話。温泉のエピソードは、温泉回をやりたかったが故というくらい大胆な温泉シーンと共に語られる。温泉に入っている凪さんの語り口は、いつもよりどこか緩やかな感じで温泉に浸かる事の楽しさがが感じられたのが良い感じ。
そういえば、今回の背景の温泉旅館の描写も、実写からの加工なのか非常にリアルで、モデルとなった旅館がありそうでしたが、果たしてどこなのか気になる所です。
そんな温泉に関するお話ですが、一口に温泉と言ってもその成り立ちは異なるという事実を改めて知ることができたのが面白かったです。
また、隕石の話では、隕石を探しに行こうという凪さんの提案に、寄っているのか?という目を向ける二人の姿が可愛い。いつもどこか悠然と話すところがある凪さん、実際そのあとお酒を飲んで酔っ払っているシーンも挟まれていましたが、話口は普段と変わらない感じで酔っているのかどうかわかりにくそうです。
そんな隕石を見つけるという話ですが、隕石と聞いてイメージする光り輝いてクレーターを残すというものではなく、小さな破片のようなサイズのものが地球にはたくさん降り注いでいるというもの。塵と同じように風に飛ばされる隕石、雨どいや壁の隅など、色々なところにある砂埃から磁石に反応する物を集め、さらにそれを顕微鏡で確認していくというなかなか大変な作業で探すとのこと。
丸い結晶が度々見つかり、確認するも違うと言われており、本当にそこまで分かるものなのか?と思いながら見ていました。しかし、最後に瑠璃が見つけた隕石は、本当に特徴的な模様が作られており、自然の不思議さを感じさせるもので面白かったです。
成長した瑠璃?
EDでは、その後のお話が描かれており、鉱石ラジオあたりで初めて一緒に動いた葵もいつのまにやら合流していたのが印象的でした。そして、その果て、最後のナレーションのシーンでは、瑠璃の声ながらもどこか大人びた雰囲気を感じさせるもの、その後の一枚絵で鉱床を一人眺める瑠璃は、どうにも少し背丈が伸びておりその衣装も凪さんを意識したものに変わっていそうなことから、どうやら成長した瑠璃が最後に語っていたという事なのかも。
最終回、自身の未来に思い悩んでいた瑠璃だからこその最後のお話といった感じで非常に良かったです。
瑠璃の宝石全体の感想は前回
恥ずかしながら、先週のエピソードを最終回と勘違いしてしまっており、そちらに本作全体のまとめの感想を書いています。よろしければそちらもどうぞ。
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