永久のユウグレ
2025年秋より放送開始。監督・シリーズ構成:津田尚克、キャラクターデザイン:齊藤佳子によるP.A.WORKSオリジナルの本格ラブストーリーアニメ、永久のユウグレ のプロローグ 1話『星の海に魂の帆をかけた女』の感想文となります。
アニメのネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方はご注意してください。
星の海に魂の帆をかけた女
目覚めたアキラ
前回のラスト、おそらくコールドスリープから目覚め未来の世界で目覚めたアキラ、早速出会った現地の人たちとの交流が行われることになりました。
アキラを発見したイディと呼ばれる少女とその父親が済んでいるのは、ハコダテ村とのことで、もろに五稜郭の側にある村。アキラも昔トワサ達と旅行で来たとの話をしており、おそらくアキラが撃たれ意識を失った場所ではないことが考えられる。
この時のアキラの描写で気になったのは、目覚めた時点ではイディ達の言葉が通じなかったのが、すぐに適用するように翻訳されていったという点。アキラ側が適応したのか、イディ側が適応したのかと思いましたが、どうも描写的にはアキラ側で自動で翻訳が行われたように思える。前回のラストにトワサにより語られた人とAIを一体とするLCProjectなるものが、アキラの体にも適用されているという事なのかもしれません。
前回アキラをサポートしていたAIが、アキラの体に埋め込まれているなんてことはあるのかもしれません。
今の世界とOWEL
目覚めたアキラは、村では全知様として祀られていたようで好待遇を受け、今の世界を知ることになる。全体的な技術力は18世紀レベルと判断しており、エスニック風の食事などの文化などから考えると元々函館に住んでいた人達だけによる子孫というよりは、後から移り住んできたといった雰囲気を感じる人々。
結婚といった文化も、エルシー(LC)という男女・人数を問わずシエラーというパートナーとなる契約を結ぶものに変わっている様子。LCという名称は、トワサに夜人間とAIが一体化する計画の名称と重なると作中でも触れられており、何か関係があるのかもしれません。
アキラたちが生きていた時代と比べると技術水準が落ちた世界に見えますが、学校の教科書などは異様に丁寧に作られていたり、耕運機があったりとで単に技術レベルが下がっているというよりは、必要最低限の知識を管理されて与えられているように見えました。
そして、OWELと呼ばれる組織がその管理を行っているようで、本来はアキラも遺物としてすぐに報告しなければいけない対象だった様子。結果的にアキラの事はOWELに伝わってしまい、そもそも最初からそうすべきだったのだな、と思いましたが最後には遺物に関わったものは皆処分となかなか過激な対応を取ってくるなかなかの危険な組織のように見えました。
今回対応したカニス管理官が特別性格が悪かっただけなのか、はたまた、OWELという組織全体がこんな感じなのかはわかりませんが、この組織が現在の世界の全てを管理しており、そのおかげで世界は戦争もなく平和に過ごせているというのも事実ではある様子。何やら大きな戦争があった後の世界の様ですし、その戦争の後を立て直す中で、争いにつながる過去の技術を遺物として世間に広まらないように管理しているなんてことはありそうです。
そういった特権的な扱いから、組織の末端が暴走していたのが今回の話という可能性もありそうですが、果たしてどのようにOWELと関わっていくのか気になるところです。
ユウグレ
0話は現代の恋愛パート、1話前半は牧歌的な未来世界で過ごす日常パートと話が進み、1話後半カニス管理官の登場から大分話の雰囲気が変わってきたな?と思っていたのですが、ユウグレの登場以降は見ている作品が変わった?と思わせるほど過激な展開へと変わっていく。
ユウグレによるド派手な戦闘シーンに加え、OWELの兵隊たちも血しぶきをあげてバラバラになっていたりと、圧倒的な戦闘力を見せつける。最後には巨大な兵器に腕を作り出し、カニス管理官ごと遠景の山を吹き飛ばすというあまりにも過剰の攻撃力。てっきり、ここでカニス管理官を撃退、ここから彼が追いかけてくるという流れになるのかと思いきや、まさかのその一撃で蒸発そのまま退場となる流れに唖然としてしまいました。
今回のユウグレの過剰なまでの戦いっぷりを見ていると、アキラが目覚めた後の景色もユウグレのような兵器が争い合った戦争の跡だったのではないかと推測でき、同時に戦争後OWELという組織がそういった過去の技術が外に漏れないように管理したとするなら、その必要性も実感できてしまう話でした。
そんな中、ユウグレはアキラに突然結婚を申し込む。現在の結婚に相当するエルシーではなく、結婚という言葉を選んでいる点、また、その顔がトワサにそっくりという事から考えると、トワサに何かを託された存在という可能性は高そう。
また、その後に流れたOPの映像では、どうにもユウグレと似た顔をしたキャラクターが多数登場しており、公式サイトで調べてみた所やはり、同じ顔をで作られたアンドロイドとのこと。トワサが自らをモデルにしてアンドロイドを作ったという事なのかもしれませんが、その中でもアキラに対して特別な感情を向けているユウグレは何やら特別な存在であることは間違いなさそうです。
そういえば、1話のサブタイトルである『星の海に魂の帆をかけた女』に関しても前回に引き続きはっきりと意味が読み解けずなかなか気になる所。この女というのは、トワサの事を指しているようにも思えますが、いつか回収されるのでしょうか。
思った以上にアクションが過激だったり、血が飛び交ったりとびっくりする展開もありましたが、なかなかインパクトのある一話だった本作。果たして、トワサはどうなったのか、アキラはここから何を目指すのか、色々と次回が気になるところです。
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