2025年10月8日配信開始、週刊少年サンデー2025年46号で連載された龍と苺260話「最終局用」の感想記事です。ネタバレもあるので注意してください。
最終局用
トーマスとO.K.
O.Kと苺ちゃんとの対局は、ハワードの横やりにより5分間の早打ちでの勝負となり、その中でO.K.の回想が語られることになる。扉にするか人型にするか、から始まったO.K.選択。どっちでもいいんですけど…、なんでもいいんですけど…と言いながらも、女性型を選んでいたり、トーマスの好みの方に寄せ続けていくO.K.が非常にかわいい。新しい体は周囲の話ではトーマスの好みのもの、その姿になったうえでちらちらトーマスの方を見て反応を気にしているのもよい感じ。
そして、そんなO.K.に対して、トーマスもなんだかんだ5分の時間を与えていたり、結局破棄せず停止してどうにかしようとしているあたり、既に前回からその兆候はありましたが、今回改めて最初から破棄できる人物ではないことが語られる。なんだかんだこの二人の関係が良い感じなお話でした。
しかし、シンギュラリティを迎えるきっかけこそ人に負けそうになるということなのは間違いなさそうですが、このO.K.の試合前の反応を見ているとどうにもそれ以前の段階で自分を取り巻く人間たちに向けた感情のようなものを持ちつつあるようにも見える。この開発者への想いという点は、これまでのシンギュラリティを迎えたAI達にも共通していそうですが、ハワードを見ているとその点が欠けていそうに思える。そんなハワードが作るAIが、シンギュラリティにたどり着けるのか?というのは少し疑問が残りそうです。
将棋会館崩壊
5分制限での二人の対局も大詰め。予想外の手を打たれ、O.K.の負けという点までは見えていますが、最後の最後ハワードの攻撃に耐えきれず将棋会館が崩壊。決着自体はついたようなものですが、果たしてどのような形で次回この対局が終了となるのか。
しかし、相変わらずというか話が進むほどにハワードのやることがぶっ飛んできておりもう笑うしかないという状況。おそらく苺ちゃん的には真剣勝負に茶々を入れられたうえ、将棋会館まで壊されたとなると怒り心頭なのは間違いなさそう。以前に腕を切られた復讐を誓っていましたが、もはや完全に敵認定されていそうです。
そんな状況ですが、ハワードの目的は、将棋会館を破壊したいわけではなく、シンギュアリティを迎えたO.K.のネットへの接続。しかし、O.K.自身がそれを望まないというこれまでの展開とも重なる流れになりそう。そうなると、ハワード自身もシンギュアリティを迎えたO.K.奪還に奪いに向かうなんてこともにもなりそうです。
色々と話が進み次回が気になる今回のお話ですが、最後のページのあおり文の「ついに将棋会館崩壊…!」は笑える状況ではないのですが、その勢いについ笑ってしまいました。
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