TOHO-ONE シネマイレージとの比較 改善?改悪?
東宝株式会社により展開されるシネマコンプレックス『TOHOシネマズ』で提供されている会員サービス『シネマイレージ』が『TOHO-ONE』に一新されるという告知がされていたが、その詳細が12月3日に発表、2026年3月より実施されることが告知された。
従来のシネマイレージ会員では、6回の映画の視聴で1回の無料視聴に加え、映画の視聴時間に応じてもらえるポイントをポップコーンに変えられるマイル制度などがあったが、新たな制度『TOHO-ONE』では、ポイント還元に一本化される様子。さらに、従来はなかった無料会員の追加なども行われており、より気軽に登録することも可能になる様子。
この記事では2026年3月から実施される新たな制度『TOHO-ONE』で何が変わったのかという点をまとめていく。
シネマイレージ会員からの機能変更点一覧
| 項目 | シネマイレージ | (新サービス) TOHO-ONE |
|---|---|---|
| 金額 | 入会金:500円 更新料:300円 | 年会費 スタンダード500円 プレミアム:3000円 |
| スタンプラリー | 6回の映画視聴で1回無料 | 100円ごとに2ポイント付与 240ポイントで1回無料 例:2000円の映画6回で1回無料 |
| マイル | 廃止 | |
| シネマイレージ®デイ | 火曜 1,300円 | 火曜 1,300円 |
| インターネットチケット 早期購入 | 3日前の21時 から購入可能 | 変化なし |
大雑把に従来のシネマイレージで利用可能だった特典を新制度を比較すると上記の表のようになる。更新料が300円から500円に変化しており、年で考えるとわずかではあるものの増額している。火曜日に1300円となるシネマイレージデイに関しては継続、インターネットチケットの早期購入なども従来通りとなっている。
なくなってしまうマイルは、映画の視聴時間に応じてもらえるポイントで、映画関連のキャンペーンへの応募や、ポップコーンへの交換などが行えていたため、なくなる分損をする形にはなるものの、元からそこまで大規模なものではなかったため、影響は小さめ。
なお、プレミアムプランは、映画に関係する部分でスタンダードプランと比較するとポイントの還元率は同じ、月1回のポップコーン(小)無料となる点、TOHO entertainment ONLINEストアでの先行予約といった特典が増える様子。フリープランに対してはポイントの獲得のみ可能で、還元率が100円で1ポイントになるとのこと。
そのためこの記事では、従来のシネマイレージ会員互換となるスタンダードプランとの比較を行っていく。
スタンプラリーについて
一番変更点として大きいのは、6回の映画視聴で1回無料で映画を見れたスタンプラリー機能だろう。
従来は、料金などに関わらず6回の映画視聴で1回無料だったのが、新制度では100円ごとに2ポイントのポイント付与という形になり、一般区分の映画視聴であれば240ポイントで可能になる。
公式サイトでの説明では、一般2,000円の価格であれば1階の視聴で40ポイント、従来通り6回の視聴で映画を見ることができ、ポイントは映画料金だけではなく、映画館でのポップコーンやパンフレットなどの購入、オンラインストアでの購入でも加算。記述はされていないが、おそらくプレミアムシートやIMAXなどの追加料金分もポイントが加算されると考えられる。
そのため、従来の6回より少ない回数で映画を新たに見ることができるようになり、全体的に考えるとよりお得になる範囲が広がると考えてもよさそうだろう。
ポイント付与の注意点
ただ、一点注意が必要なのは『※1TOHO POINTはチケットの基本料金だけではなく、各種割引料金・ムビチケ・TCチケットなどご利用金額に応じて 貯まります。』との記述がある点。
以前のサービスと異なり映画の料金に合わせてポイントが付与される形となる為、シネマイレージデイや、レイトショー、ムビチケなどを利用して映画のチケットを安く購入する場合は付与されるポイントが少なくなり、1回無料まで必要な視聴回数が増えることになる。
| 視聴方法 | 料金 | 付与ポイント | 必要視聴回数 |
|---|---|---|---|
| TOHOウェンズデイ シネマイレージデイ | 1300円 | 26 | 10回 残り20pt |
| auマンデイ | 1100円 | 22 | 11回 残り2pt |
| セゾンの木曜日 | 1200円 | 24 | 10回 |
| ムビチケ | 1600円※1 | 32 | 8回 残り16pt |
一般的な割引サービスを利用した際の必要視聴回数を上の図にまとめてみたが、映画の視聴だけで考えると割引率に応じて2~5回必要視聴回数が増えることになる。そのため、映画館に映画だけを見に行く場合は、従来よりも損をする形式になった人もいるかもしれない。
ポップコーンやドリンク 関連商品にも加算
ただ、映画館でポップコーンやドリンクなどの購入を行ったり、映画のパンフレットの購入などでもポイントが加算され、こちらは従来の映画を見るたびに1ポイントよりも明確にメリットとなる。
ポップコーンセット810円の購入では、16ポイント加算され、他のチケットが割安になるサービスを利用した場合でも従来の6回視聴で1回無料とほぼ同水準となる。さらに、パンフレットなどの購入も行っている場合は、更にお得になっていく。
そのため、映画館で1回の視聴と関連する商品の購入に2000円以上の金額をかける人なら、従来の制度よりもお得になると考えるのが一番わかりやすい。
若者・シニア・障がい者はよりお得に
ここまで前提に話してきた、240pで1回無料なのは一般区分での映画館の利用の場合となっている。料金が安く設定されている若者・シニア・障がい者に関しては、その分必要なポイントが少なく設定されている。
| 区分 | 映画視聴 獲得ポイント | 1回無料 必要ポイント |
|---|---|---|
| 一般 | 40 | 240 |
| 大学生 専門学生 | 30 | 180 |
| 高校生以下 | 20 | 120 |
| シニア | 26 | 150 |
| 障がい者 | 20 | 120 |
チケット分に関しては6回で1回無料という設定にはなっているが、ポップコーン・ドリンク・パンフレットなどの価格は変わらないため。そのため、映画のチケット代以外の購入で得られたポイントを使用する場合、チケット代のポイントに割り当てる比率としては一般区分よりも得になると考えられる。
ちょっと気になるのは、映画視聴の区分が変わる場合だが、大学生から一般といった感じに料金があがるタイミングでは、ポイントはそのまま必要ポイントと少し損をし、逆に一般からシニアと料金が安くなる場合は、少しお得になるのかもしれない。
さらに余談だが正式にどうなるかは不明だが、シニア割の1300円は26ポイントとなり、6回分で156ポイントと6ポイント分お得になりそうだ。
ポイントの保有期限はどうなる?
そして、現在まだ紹介されていない中で重要になりそうなのは、ポイントの有効期限だ。現在のスタンプラリーの鑑賞ポイントの有効期限は、2年となっており2年間で6回映画を見ないと使用する前にポイントが消えてしまう。
現在、新たな制度のTOHO-POINTでは、期限に関する説明はされていないが、有効期限が設定される可能性はある。ただ、有料プランに加入する人の場合、映画を見る頻度がそれなりにあるだろうことを考えるとあまり関係ないかもしれない。
そのため、どちらかと言えば、ポイントの期限の有無の影響がありそうなのは、新たに追加されたフリープランで利用される人かもしれない。フリープランの場合、100円で1ポイントとなる故に、無料で見るためにはスタンダードプランの倍、12回の映画視聴が必要となる。ここまでの頻度で映画を見るなら、スタンダードプランに加入した方が良いということになりそうだが、このポイントは詳細は不明ながらもポップコーンなどのその他の購入にも使えるようになるとの記述があるためそちらでの利用が主となりそうだ。
TOHO-ONEはお得なのか?
新たな制度TOHO-ONEについて、旧制度と色々比較をしてみたが、マイルの削除やポイント映画館に映画だけを見に行く人にとっては従来の制度と比較すると損をする面も見えてくる。しかし、パンフレットやフード・ドリンクの購入など関連サービスを利用される場合には、お得になるケースもしっかりあるようだ。
従来のシンプルな6回映画を見て1回と比較すると、それぞれの映画館の利用形式によって変わってくる部分が大きくわかりにくくなっているが、スタンダードプランで映画館利用の実を考える場合、映画館で1回の視聴と関連する商品の購入に2000円以上の金額をかける人なら、従来の制度よりもお得になるといった感じで考えるとわかりやすいかもしれない。



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