GLITCH Productionsによる、デジタル作品THE AMAZING DIGITAL CIRCUS:(アメイジングデジタルサーカス)の7話『ビーチエピソード』 が2025年12月13日にYoutubeで公開されました。この記事は7話を視聴した感想・考察記事となります。本編のネタバレも含まれますので注意してください。
アメイジング・デジタル・サーカス エピソード7:ビーチエピソード
感想
ビーチサイドでの遊び
サブタイトルになっていたり、予告映像などでも描かれていたビーチサイドでのエピソードは、やはり今回の本編というわけではなく、むしろそこから一人離れたジャックスのエピソードと新たなキャラクターアベルの登場から続くお話が本筋となりました。
皆が遊ぶ中、一人ビーチを離れ自室へと戻ったジャックス。その部屋の壁にかけられた裏返された写真のうちの一枚は、1話でバグになってしまったカフモやリビットの姿があり、彼らに対してかなりの思い入れがあったことがわかる。リビットについては、まだ本編でははっきりとは語られていませんが、今回ラガタの口からその名前があがっており、EP5ではバツが書かれたカエルのキャラクターの扉が描かれていたこともあり、どうやらそのカエルのキャラクターがリビットだったことと推測できます。
写真の中での3人の様子を見ていても、かなり仲良さげにしていたことがわかり、そんな二人がバグになってしまった事が、今のジャックスの周りの人々を受け入れられず、ひねくれた態度をとってしまうきっかけになっているようにも思える。
今回、昼寝をするジャックスは、黒いかたまりと指を重ねた瞬間、悪夢のような光景を目にする。夢の中の一端には、カフモやリビットらしき姿がちらちらと見えており、あのまま声を掛けられることがなければ、ジャックスもまたバグ化していてもおかしくはなさそうな状況。
やはり、彼の精神状態はバグ化ギリギリのところにあることが改めてわかり、終盤に向けて一つの話の軸になって来そうな予感がするお話でした。
マネキンのアベル
そんなビーチでのやり取りの中、新たに登場したのは、自らをアベルと名乗る一体のマネキン。ケインによりNPCにされた時に、そのあたりにあるマネキンと同じ姿にされてしまったが故に、気づかれず自由に動くことができたとのことで、この世界からの脱出方法を知っていると語る。その正体は、C&A社のオリジナル・プログラマーの一人とのことで、デジタルサーカスの世界に関する重要な話もどんどん語られ、今回のサーカスの世界からの脱出に関わるとキーマンして話を進めていきました。
何やら元々C&A社では、元々サーカスの開発を行っていたC&A社は突然従業員をつなぎだし暴走、アベルが言うにはポムニ達も来た時点で巻き込まれてしまったのではないかとのこと。今のサーカスの仕組みは、休眠ポッドと仮装世界はどちらも同じプログラムで動いており、ケインのマスターコンソールを停止できれば目覚めることができるという事実が判明し、ポムニ達は脱出に向けて動き出すことになりました。
ジャックスは、ケインの口からキーを盗み出し、ポムニ達はケインのオフィスへと向かう。そこへ飛び込む方法は、何やらゲームの子リジョンバグを利用したぶっとびといった感じで、如何にも本作らしい方法。ケインの部屋には、何やら丸い球体がたくさん置かれており、どうやらその一つ一つがケインが作ったアドベンチャーの世界だった様子。ポムニは、ガングルとの思い入れの深い、キャンディーキングダムの世界を覗いているのがなかなか印象的でした。
そんな計画を提示したアベルですが、同じくサーカスの開発に関わっていたプログラマーである同僚のキンガーをなぜか話から遠ざけようとするなど何やら不穏な行動も見せる。そもそも、アベルがNPCなのかという点については、彼自分がNPCではないと語っているだけということもあり、怪しんでみていましたが、最後にはやはりただのNPC出会ったことが判明。今回のサーカスからの脱出という状況自体が、ケインの仕込んだ今回のアドベンチャーということがわかり、真剣に脱出を望んでいた皆からすれば、かなり悪趣味な結末を迎えることになりました。
ただ、気になるのはアベルが果たしてどこまで嘘をついていたのかという点。今回、キンガーに情報を渡そうとしていなかったのは、単にキンガーがそれを知れば途中でこのアドベンチャーの計画がばれてしまう可能性もあるからというのが一番ありそうな話。ただ、そうだとするなら、キンガーを情報から遠ざけようとしていたというのは、彼がデジタル・サーカスの開発に関わっていたプログラマーという件が真実である証明にもなるはず。そうなると、C&A社に絡むお話なんかも、一概に全て嘘だったとは言い切れなさそうです。
ただ、どちらにしても最後のどちらかのボタンを選んでいれば脱出できたという話に関しては、全て嘘だったことは間違いなく、本当にサーカスから脱出手段はないのではないかと思ってしまいます。
現実を知るケイン
ジャックスとケインとのディナーの際には、ジャックスはケインのフリーズのために、彼の趣味に関する話を持ち掛けることになりました。
目論見通りフリーズするケインですが、すぐに復帰してしまいその話を聞くことになるジャックス。ケインが語ったのは、手元にあった3枚の写真に関する話だったようで、そこに描かれているのは、おそらく現実の世界の景色。どうにもC&A社の内部といった感じで、興味を持ちこの場所の情報があれば再現したいが、アクセスは切られてしまったとのこと。
そもそも、今回の話は全てケインの仕込みによるアドベンチャーだったわけで、この話も果たして本当なのかは怪しい点もありますが、どうにもここに関してはケインの本心が語られていたようにも思えます。
そもそも、ケインは彼の仕掛けたことで、皆の気分を最悪にしてしまってしますが、本人的には本気で皆に楽しんでもらいたいと思っている節はある。現実であるマクロバースよりも、このサーカスの世界にいたほうが楽しいと考えるのは、AI故の人の心がわからなさ、というだけなのか、はたまた、何か他にも理由があるのかちょっと気になるところです。ポムニを筆頭に本作の登場人物たち、何やら皆現実でうまくいかない部分と向き合っているところもありそうで現実にいるよりもここにいたほうが幸せとケインに思われているということ別にもおかしくはなさそうです。
ただ、終盤の会話では、キンガーの語るバグったスクラッチという発言から、キンガーの奥さんの名前がスクラッチであったことが推測できます。ポムニが自分たちの名前の件や、バカソースなど、自分たちの心をもてあそんでいると語られた際には、かなりケインも動揺しており、何やらまだまだ秘密を隠しているようで、果たしてここからのエピソードで何が語られるのか気になるところです。
ジャックスの過去と車の事故?
ジャックス、今回サーカスに残るボタンを押す前にちらちらとフラッシュバックした現実の景色らしき映像も気になる所。29:00頃からのシーンで見えてきた限りでは、町の中や、道路を車で走っているような景色、そして最後には道路の向こう側が光って見えたこともあり、直接的な描写はありませんでしたが、何となく車での事故を連想させるものでした。そうなると、ジャックスがサーカスにいる理由も、その事故に絡む何かだったのではないかと考えることもできそう。
今回アダムから語られた休眠ポッドという話が嘘ではなく、更に他の面々もサーカスに来た際の記憶があいまいな点等を合わせて考えると、サーカスに来ている人たちは皆、現実で何かの被害にあっており休眠ポッドの中におり、その意識だけがサーカスにあるなんてこともあるのかもしれません。
まだまだはっきりとしたことはわかりませんが、終盤も近づく中でデジタル・サーカスの秘密についても語られる時が近づいているように思えるお話でした。
この記事で使用している画像はTHE AMAZING DIGITAL CIRCUSより引用しています。© 2025 by Glitch Productions


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