グノーシア
2025年秋より放送開始、ゲーム『グノーシア』を原作としアニメ化した作品『グノーシア』の感想記事です。
ゲーム版は既プレイでの感想記事となっており、本筋のネタバレとなるの話題は避けますが、一部ゲームと絡めた話も含みますのでご注意してください。
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SQの秘密
先週は女性になってしまうという不測の事態に遭遇したユーリですが、次の周回となる今週は再び男性の体に復帰。とはいえ、目覚めた直後に慌てて自分の体の確認をしていたあたり、前回の出来事は相当ショックだったようです。そんな今回ですが、SQちゃんが話の中心になり、更にユーリ、SQの二人が留守番で人間同士が確定というユーリからしても初の立ち位置でのお話。
今回明かされたのはSQの秘密。自らがマナンのスペアボディとして作られた存在であり、たまたま自らの意識が生まれたが故にSQとして生きていることが明らかになりました。
SQを傷つけてしまうユーリ
ゲームの方だとプレイヤー=主人公といった形になっていたこともあり、銀の鍵の話もセツ意外とはほとんど共有することがないだけに、今回のエピソードはアニメならではの展開と思わせる点もありました。ユーリは自身の演技力の低さを自覚しているが故に、正直に銀の鍵の話をSQに伝えることにある。しかし、それが逆に情報が必要だから構ってくれていると、SQに思わせてしまうはアニメの設定だからできた話の広げ方で面白かったです。
今回のユーリはSQと共に留守番、そうなればSQの情報を引き出すチャンスだと思っていたのは本編でも語られた通り。しかし、情報集めの方に気を取られていたが故に、SQの気持ちを蔑ろにしてしまう。
SQからすれば、自らがマナンのスペアボディであること、SQという名前もその番号でしかないという事実は、あまり人に話したいものではないはず。それでもなお、ユーリに話してくれたのは彼女の優しさ故。しかし、それに対して、ユーリは人間じゃないの？だとか、無自覚に辛辣な言葉をぶつけてしまっていたというのも事実。
SQに対する配慮に欠けていたことに気付きSQを追うユーリですが部屋に入る直前、グノーシアの襲撃が挟まってしまう。二人が人間確定な留守番であることも相まって、このタイミングでSQが消されてしまうのではないかと思わせるタイミングでしたが、幸い？なことにその晩消されたのはジョナス。
翌日の議論で決着をつけたユーリは、SQの元へ話をしに行きますが、部屋の中はSQ達が培養されるホログラムの映像が投影されている。まるでその中から自分を探してくれとでも言わんがばかりのシチュエーションでしたが、ユーリはしっかりとSQ本人を見つけ出す。
いつも冗談交じりにからかってくるSQですが、その本心が自分がコピーという偽りの存在であるが故の自信のなさのようなものを嘘をつくという形にして誤魔化していたようにも思える。そんなSQにかける、今いるSQこそがユーリにとってのSQであるという言葉は、今の彼女を認めるもので本当に彼女が欲しがっていた言葉という感じがしました。
今回は、情報集めに頭が向き、配慮が欠けていた面もあったユーリでしたが、冒頭にSQのネイルをさりげなく褒めていたりと、これまでのループで交流を重ねたSQともしっかりと向き合っていたのは事実。そんなループしている人だからこそ、短い期間でもSQ自身を認めることができたというのはなかなか良い感じでした。
しかし、今回のラストはそんな二人の別れで終わってしまう。ループしているが故に本当のSQを知ることができたユーリですが、ループしているが故に別れが訪れてしまうというのは、なかなか皮肉さも感じるもの。ちょっと切ない終わりではありましたが、原作のエピソードにうまくアレンジを聞かせたうまいお話だったように思えます。
余談：絶望のしげみち
今回はＳＱとのエピソードが中心ということで、あっさり目だった議論パート。初日にグノーシアのククルシカが特に理由もなく凍結させられてしまう。その晩はジョナスを排除するも、翌日にはしげみちがグノーシアと推理されてしまいある意味パーフェクトゲームともいえる様相でした。
本当に、しげみちの視点に立ってみるととてもじゃないがやってられない状態で、二人しかグノーシアがいない中、自分はエンジニアを騙っているのに、相方が初日のなんとなくで凍結させられてしまった際の絶望感は半端なさそう。
議論が主軸のエピソードでこんな話が来たら笑い話にもならなそうですが、実際の人狼ゲームでもなくはない状況な気もする。ループもの、更に他のキャラクターとの交流もできるエピソードであるが故に、こういう不運な状況も挟み込めたとも考えられ、本作ならではといった感じで面白かったです。
そんなグノーシア、SQとのお別れが美しく一種のエンディングのような風情もありてっきり年内は今回が最後なのかなと思ったのですが、どうやら来週の12話が年内最後の放送となるようです。来年も話が続いていく本作、年内の締めともなる12話ということで、何かサプライズがあってもおかしくはなさそう。果たして、次回何が描かれるのか楽しみです。
グノーシア Blu-ray1巻
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