ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 43話『決戦クオン！天使からの贈り物』感想

2025年2月16日より放送開始のスーパー戦隊シリーズの50周年記念作品ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー43話『決戦クオン！天使からの贈り物』の感想です。

この記事には最新話のネタバレが含まれますので未視聴の方はご注意ください。

第43話『決戦クオン！天使からの贈り物』感想

第43話『決戦クオン！天使からの贈り物』感想

テガジューンとグーデバーン

女王を吸収したクオンと吠との決戦となった今回のお話ですが、同時にブライダンとの決着のエピソードという体もあったようで、女王とテガソード・グーデバーンとの関係や、ブーケたちブライダンとの和解のお話といった面もありました。

今回、特に印象に残ったのは、グーデバーンとテガジューンの和解のお話。グーデバーンは、ブライダンの元に囚われた際のテガジューンの態度から、そこに寂しさを感じ取り、敵ではなく自らの母親として彼女と向き合うことになる。そして、そんなグーデバーンの態度が、テガソードの気持ちすらも変え、二人の和解へとつながる展開となりました。

母であるテガジューンに強引に生み出され、テガソードからも認められているかというと怪しいところもあったグーデバーン。今回は、テガジューンにぼこぼこにされながらも、その寂しさをくみ取りマフラーを作ってあげているのを見ると、本当にいい子としかいいようがなく、熊手との付き合いがここにきて生きてきたようにも思えるお話でした。

そんな今回、グーデバーンがテガジューンに送った手編みのマフラーが今回の天使からの贈り物というサブタイトルの一つの意味だったのかもしれません。

吠の願い事

そして、今回のメインとなった吠とクオンとの決戦は、もはや戦いというよりも二人の気持ちのぶつけ合いといった面が強いお話でした。

これまでのエピソードを見ていると、クオンは吠を殺そうとする割にその裏に異常なまでの愛情が見えていた気がしましたが、今回はその原点がはっきりと示されることになる。

今回の冒頭では隠され最後に久光から明かされた幼い頃の吠のクリスマスの願い事は、『おにいちゃんといっぱいあそびたい』。これを聞いた瞬間に今回のサブタイトルの意味を理解するとともに、あまりの可愛さに、かつてのクオンが吠を天使呼びしていた理由もはっきり理解できてしまう。クオンはこの時の吠の願い事を忘れていたようですが、今回語った吠を倒さなければいけないという気持ちの裏にずっと見えていた気持ち悪いまでの愛情の原点はここにあったようです。

戦いの果て、吠に敗れ最後には吠を庇って死んでしまった久光。死をもってこれまでの罪の禊とするのかとも思いましたが、テガソードにより吠の武器として復活。自らの罪を償っていけばいずれ元の姿にも戻れるとのこと。しかし、もはや吠を倒さなければいけないという気持ちがすっかり消えさったことで、最後に気持ち悪いお兄ちゃんだけが残ってしまい、ある意味ブレーキを失って吠に迫る様子にちょっと笑ってしまいました。

納得できないファイアキャンドル

これまで部下たちを倒されてきた宿敵でもあるゴジュウジャーに、自分以外のメンバーが皆絆されそちらにつくという展開となった今回のお話ですが、唯一ファイアキャンドルだけはそんな決着を認めず一人戦う道を選ぶ様子。

今回のブライダンの仲間入り、これまでの罪滅ぼしとして力を貸してもらうという流れなのはわからないでもないもの。しかし、正直なところ、これまで人間などどうでもいいと好き勝手してきた敵役が、最後の最後でそのあたりをなーなーにして味方入りというのもどうなのかな？と思う部分もあったので、それまでの味方に加え自分を生み出した存在にすら歯向かって、最後まで自らの立ち位置を変えない姿はなかなか良い。これまでのエピソードでも、仲の良い金のアーイー達が倒された際には、毎度悲しんでそのリベンジを誓っていたファイアキャンドルだからこその展開といった感じでした。

ただ、ファイアキャンドルが一人で敵対を続けるとは言っても、ブーケによる機体の修復すらもうできず、それまで仕えていた女王からはもはや頼りにはならず、アーイー達はこそ今後どちらに協力するのかは不明ですが、まさに孤軍奮闘としか言いようがない状況。

これではゴジュウジャーの相手をするには力不足としか言いようがない中で、ファイアキャンドルがどう動くのか。吠との決着をつけるために力を求めるなら、もはや厄災側につくしかないようにも思える展開となってり、ファイアキャンドルがこれからどうなっていくのか気になる展開となってきました。