2025年12月23日から放送開始となったTXQ FICTION第4弾『UFO山』第3回の感想と考察になります。放送のネタバレも含まれますので注意してください。本作は、Tverなどでの見逃し配信が行われています。
UFO山(3)
周期の理由
今回のお話は、蜂谷さんのメモに残されていた言葉の中で、前回はっきりとしていなかった、周期の部分を掘り下げていく内容といった感じ。
2005年の大学生6名の不審死を調査する中で、化学サークル、シャインという繋がりが見つかり、自殺した学生Eこと白野凛太郎さんが命を取り留めていたことが判明。当時の記憶は抜け落ちてしまっているとのことですが、何やらUFOに興味があったことがわかり、ここで蜂谷さんが死ぬ直前に持っていた本の正式名称が『UFO 超周期仮説』であったことがわかる。
この本の作者である酒井輝次郎は、世界で起きているUFO事件は日本でのUFO事件と何らかの関係があり、それを超周期と名付けており、この作者に憧れていた蜂谷さんは、死ぬまでUFOを追い続けていたのではないかという話になってくる。
この本について語っていたUFO研究科の比嘉光太郎さんの話では、この本の中で1947年、ケネス・アーノルド事件の超周期が、1999年に起きると予言されていたとのことで、蜂谷さんの不審死もこの話に関連していたのではないかと考えられているようです。
この周期に絡む話は、具体的にわかりやすく定期的に起こる周期というわけではなく、あくまで過去の事例が現在に影響を与える簡単には分からない周期性があるといった感じのニュアンスのようなので、国外のUFO事件の年代と今回の様々ン事件の時期が関係してるというわけではなさそうな気がします。
2005年の集団自殺
また、もう一点明らかになったのは、2005年の不審死事件に絡むお話。どうやら、当時風邪薬などを大量に飲んで気分をあげるオーバードーズのようなことが流行っていたとのことで、これが皆を自殺に駆り立てられた原因だったのではないか、とのこと。当時事件に当たられていた警察官の話もそれを裏付けているようで、この話が間違っているというわけではなさそう。
宇宙に向けた気球の打ち上げや、過去登場したUFO映像がこのサークルの撮影した映像だった、という話が出たあたりでは、こちらもUFO絡みの話なのでは?と思いたくなりましたが、どうにも薬による錯乱状態での死亡という方が筋が通っているように思えます。
蜂谷さんの死の謎
色々と蜂谷さんに絡む事実が判明した今回ですが、そのラストはこれまで取材を拒んできた蜂谷さんの息子、吉岡空さんからの取材を受けるという話と、息子から送られてきた蜂谷さんの映像で締めくくられることになりました。
今回の話では、蜂谷さんは昔からUFO前衛科学研究会なるサークルに所属しており、酒井輝次郎というユーフォニストに憧れ、超周期を確かめるために山に登って映像を残していたことが明らかになる。家族よりも山を選んだ熱も、山自体ではなく、それに関連するUFOに対して向けられていたようです。
蜂谷と同じサークルに所属していた、石井正彦の言葉では、蜂谷は酒井輝次郎のような本物になりたかった偽物とのこと。最後に雪山に登って死んだことで、蜂谷は本物のユーフォニストになれたのではないかと語られていました。
ここまでの話から蜂谷について考えてみると、彼は超周期仮説を信じたが故に無茶をして山に登り、UFOを信じ切って死んだ。もしくは、自らがどこまで行っても偽物であることに絶望し、最後に山でUFOを信じて死ぬことで、周りに本物であることを示そうとした自殺だったなんてことはありそう。
ただ、その蜂谷への評価は、UFOを既に諦めた石井がもう長く付き合いのない蜂谷に向けた言葉だったという点を加味すると、一概に信じ切ってしまっていいのかは少し考える必要がありそう。UFOを諦めてしまった石井が、最後までUFOを追い続けて生き、死んだ蜂谷を本当に理解しきれていたのか?という点は少し頭に残しておいた方がいい気もします。
また、そもそもこれまでの話を合わせて考えても、蜂谷の顔だけが崩壊していた傷の件はわからないままとなっています。結局、あの顔の傷が何だったのか?というのは、4で明かされることもあるのかもしれません。
吉岡空の送ったビデオ
今回のラストに送られてきた空さんからの映像は、はっきりとはしないもの。ただ、1話の蜂谷さんの遺留品のジャンパーや、帽子とよく似た服を着た人物が映っているので、おそらく蜂谷さんが自らを移した映像の様子。さらに、何やらガサガサ音が鳴っていることから考えると、おそらくテント内での映像なのかもしれません。
何の映像なのかは明らかではありませんが、ここで送られてきた映像ということを考えると、蜂谷さんが死ぬ前に残した別の映像なんてことはあるのかも。以前の蜂谷さんのつぶやきながら彷徨う映像は、近くの山小屋にあったテープとのことなので、世間に公開されていない映像を家族が持っているというのはおかしくはない話。
ただ、気になるのは、なぜこのタイミングでこれまで取材を断り続けていた空さんが、取材を受けることに決め、映像を送ってきたのかということ。
取材を受ける前に空さんに送られたメッセージを見てみると、UFO山(3)での大学の不審死と同じく薬の誤用による錯乱なのではないか、といった文面が送られていることがわかります。
ただ、動画の冒頭は何やら冷静に映像を撮る準備をしているようにも見え、当時の蜂谷さんはおかしくなっていたというわけではないように思える。そうであるなら、その証明のために連絡をしてくれたのではないのかなという気がしてきます。
未だ残るシロクマの謎
今回のエピソードで、蜂谷さんのメモにある周期が書かれていた理由が明らかになり、これまでの謎もほとんど解明し全体が見えたようにも思えました。ただ、改めて考えてみると、今度は逆にシロクマと1987と書かれていた理由の方がよくわからなくなった気もする。
まず、1987年に発生した大量自殺の件は今回の話ではほとんど触れられておらず、本編では2005年の集団自殺の件で登場した警察官による、「時折、コントロール外になっちゃうこともある」、という言葉のみ。これ自体は、当時も1987年時代の大学生が何かをやらかしただけとしてもおかしくはない話です。
ただ、シロクマの方は、前回語られていた未知の存在を置き換えたスクリーンメモリーであるとしても、結局のところ2005年の不審死自殺と同時期に酒井さんの実家の牧場のカメラに映り、2024年にも改めて噂になっているこのシロクマ、白い怪物は何なのか?という点は今回一切進展していない。そのため、結局あれは何だったのか?という謎は残ったままになっている。
超周期仮説を信じる蜂谷さんなので、1987年の大学生の不審死の事件を宇宙人と結び付けて考えていた、と考えることは自体は十分あり得る。ただ、そうだとしても、そこに同時にシロクマのメモが残されていた理由は不明。そうなると、蜂谷さんの死以前にもも2005年、2024年に発見されたシロクマと同じものが、姿を見せていたと考えられるように思える。
色々と考えてみると、やはり、シロクマ周りのお話だけまだまだ謎が残っているようにも思える。また、1987年の際のシロクマの件は、偶然カメラに撮られただけで、ほとんど話題になっていないのに対して、作中の2024年時点でシロクマの目撃情報が多発しているのを見ると、もしかするとUFO山(4)では、2024年以降により大規模な事件が起きてしまうなんてこともあるのかもしれません。
UFO山(4)で何が起きるのか?
今のところはあまりわかりやすくホラーといった感じはなく、着々と事実の解明を進めているドキュメンタリーといった感じで話が進んでいる本作。色々と丁寧に描写しているので割と楽しく見ていますが、同時にちょっとインパクトには欠けるかなという気もする。
とはいえ、まだいまいちはっきりとしない部分も残っているようにも思え、特に蜂谷さんの死の謎に関しては4が本題となりそう。果たして、本作どのような結末を迎えるのか、明日の放送が楽しみです。
Tverにて配信
Tverでテレビでの放送終了後より配信開始しております。
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