2026年3月25日にジャンプ+にて、藤本タツキにより描かれた漫画『チェンソーマン第二部』の最終回が掲載されましたので、その感想記事となります。
チェンソーマン第二部 最終話 232話 『ありがとうチェンソーマン』
チェンソーマンのいない世界
前回、ポチタが自らを食ったことでチェンソーマンがいなかった世界、物語の起点にチェンソーマンがあったが故なのか、そのすべてをやり直すように一人デンジが目覚めるところから最終回は始まる。これまでの世界は、夢の中におぼろげにあるだけといった感じで、ちらっと呟いた犬も飼いてえな、という言葉は、ポチタの不在を強調しているように思えました。
目覚めた右目のないデンジですが、そこからの展開は、1話のお話をなぞるようなもの。1話と同じように悪魔に襲われ、殺されそうになりと、一度見た話の流れが続く。しかし、チェンソーマンがいない世界でそこにやってきたのはパワー。久々にやりたい放題したパワーのおかげで悪魔は倒され、パワーとの契約によりデンジは一名を取り留めることになる。
そんな中、最終話一番の謎は、その場にやってきたのが、マキマさんではなくナユタだったという事実。転生した悪魔は世界が変わろうと変わることがないという事なのか、はたまた、マキマさんの行動の中心にあったのがチェンソーマンだったが故に、その存在がない世界の支配の悪魔はナユタだったということなのか。もしかすると、マキマさんに強い行動理念がなかった故に、どこかで普通に死んでしまい、ナユタが産まれたなんてこともあるのかもしれません。
そこから描かれたのは、あっけないハッピーエンド。パワーもおり、アサも幸せそうに暮らす世界。デンジは、自らが語っていた天国のような幸せをつかんだわけではないですが、ポチタがデンジについて語っていたように悪魔と戦わされる地獄の中で、幸せに生きられる世界を生きることになったようです。そうはいっても、アサに対する好意も確かに残っており、そういった感情全てが否定されるわけでもないというのが良い塩梅でした。
ポチタが望んだデンジが夢を見続けられる世界は、デンジが一番幸せなままでいられるのは、これだったんだろうなというのも何となくわかる世界でもあり、デンジのお話の終着点として子の最終回となったこと自体はよくわかるもの。
ただ、ここに至る過程の方は素直に良かったとは言い切れるものではなく、このラストも何とも急展開。ちょっと心の整理がつかないというか、特に終盤は、話の展開にひたすら流されるままにいつのまにやら放り出され、あっけなくハッピーエンド、といった印象を受けるものでした。
最終回のタイトル『ありがとうチェンソーマン』からは、第三部の構想などもなく、これで終わらせるんという決意のようなものを感じさせる。第二部全体で言うなら作品としてよかった、とは少し言い難いですが、デンジのお話のケリとしては、幸せに終わってよかった、と思える最終回でした。


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