2026年4月13日に放送開始した月9ドラマ『サバ缶、宇宙へ行く』、略称さばうちゅの感想記事です。ネタバレも含まれますのでご注意ください。
1話 先生、港町の水産高校に赴任する
新人教師 朝野峻一
さば缶と宇宙、二つの言葉のギャップのインパクトが興味を引き視聴を始めた本作、1話で語られたのはなぜ、水産高校の生徒がさば缶を宇宙へ飛ばすという目標を抱いたのかというお話。
主人公である朝野峻一が、若狭水産高校へ赴任したところから物語は始まる。務める学校の先生、地域の大人たち、皆が皆時期に潰れると語る高校への赴任。最初のなんでこの学校に来たのか?という問いかけからの流れを見ていると、しんどい展開が続くのかな?とも思ってしまいましたが、思った以上にさわやかな展開が続き、子気味よい場面切り替え、テンポの良い話運びなどもあり、あっという間に一話を見終えてしまう作品でした。
最初は厳しく当たってきていた黒瀬先生、段々とその態度が朝野先生を思ってのものわかってくる中で、ちょっと緩いところが出てきたりするのが面白く、なかなかいいキャラをしていました。
そして、主人公である朝野峻一先生の演技も、ほわほわとした雰囲気がある中でも、生徒に対して向き合う気持ち、やってみなきゃわからない、というひたすらな前向きさがしっかりと出ていて良い感じでした。終盤のくらげ豆腐の発表会の台本を結局自分が全て書き直してしまったシーン。これまで頑張ってきた奈未たちの感情を無視してしまったことにショックを受けているあたりも、生徒の気持ちを大切にしようとする考え方が良く出ているようでした。
そんな朝野先生について、ちょっと気になるのはその過去。この学校に来た理由は、ただ海が好き、楽しそうだからと語っており、冒頭のダイビングの描写を見てもそこに何か嘘があるというわけではなさそう。
漁業の実習を行うシーンを見るに魚についての知識があるというわけではなく、漁業への興味があったという感じでもない。では、本作の鯖缶を宇宙に飛ばすという主題に絡んで宇宙の知識があるのかと言われると、そうでもない。技術を教える先生としては、生徒たちにとって必要かと言われると疑問が感じる彼ですが、プレゼンの資料を作る際には、非常に手慣れた感じを出しており、これは先生になる上で身につけたものなのかちょっと気になる所。
ただ、本作における、やってみなくちゃわからない、という彼の精神が生徒たちを動かしたように、物語全体を動かす原動力となっているのは間違いない。ここからの、お話でも困難にぶち当たるたびに彼がそれを打ち破るきっかけとなっていきそうです。
生徒たち
水産高校の生徒ということで、漁業や魚の加工については皆興味を持っている。ただ、閉鎖的な町の中で育つ彼らは、学校を卒業し、町で働くのを当たり前と考え、夢を持とうとするのを諦めてしまっている。
特にその象徴的なポジションとなっていたのが、今回話のスポットライトが多く当たっていた菅原奈未。海辺で一人ダンスをしている彼女に、朝野先生が話しかける展開は、すべてが無駄だと思ってしまう彼女の心持ちが変わっていくきっかけとなった印象的なシーンでした。
そこからの彼女の変化はなかなか面白いもので、実習を通じて発見したクラゲの問題に積極的に向き合っていく。彼女が変わったから、その変化に巻き込まれ周囲の子供たちも変わっていき果てはくらげ豆腐の開発に成功してく、という流れは本作における「やってみなくちゃわからない」という言葉を象徴するような流れででした。
そして、生徒の中でもう一人目立っていたのは、授業中眠って過ごしていた寺尾君。こちらは、最初は問題児的なポジションでかき乱すのかと思いましたが、むしろ、妹の宇宙への憧れを通じて、さば缶を宇宙へ飛ばすことを目指す、本作の話の切っ掛けともなるポジション。
ぶっきらぼうな態度を見せていますが、なんだかんだくらげ豆腐作りの際には積極的に力を貸していたり、妹への態度だった利で、その優しさが見えてくるのが良い感じ。今回は、出番自体は短めでしたが、なかなか重要なポジションとなるようなので、次回以降の出番が楽しみです。
そんな中、気になったのは、実習授業の際も遠目に見ていてまともに参加していなかった少女。ちらっと聞こえた話では、元は東京にいたようで、そもそもこの水産高校にいること自体が不本意な感じもありました。水産高校に通っていたとしても、皆が皆、漁業や魚に興味があるわけではないというのを表すような彼女、次回も何やら問題の種になるようですが、はたしてどのような形でさば缶を宇宙へ飛ばすプロジェクトへ関わっていくようになるのか、気になるところです。
JAXA
1話では、水産高校でのパート1とは直接の接点こそありませんでしたが、JAXAでの宇宙食開発サイドのお話も気になる所。
そのメインの登場人物となるのは、木島真。元々は構造研究など設計などの技術方面で活躍していた彼ですが、突然の宇宙食開発という立場へと変更を受けてしまう。
その生真面目さ故に煙たがれていた、という話もちらっとされており、性格的な面を考慮され飛ばされた、ともとれそうですが、宇宙食をより良くするためにその細かさを買われた、という点も間違いではなさそうで、果たして彼がJAXAの中でどのような扱いになっているのか気になる所。
今回は、そこまでその生真面目さが出てくることはありませんでしたが、今後本格的に水産高校側のキャラクターと絡み、開発が始まるとその面が話の鍵になっていくということはありそうです。
水産高校側のお話がメインだった今回、JAXAサイドのお話は、今回あくまで状況の説明程度の内容となっており、そこまで大きなドラマはありませんでしたが、廃校寸前の学校に赴任した朝野と、宇宙食開発部門へ飛ばされた木島を重ねて描いたり、水産高校側の描写と被せる様な場面切り替えが丁寧に行われており、全く違う場面でのお話ながらも、作品としての地続き感が良く出ていたのが良い感じ。
個人的に好きだったのは、食堂で宇宙食部門に二人しかいないと明かされるシーン。食堂にいた職員たちが一斉にはけていく流れが、その寂しさを実によく表していて思わず笑ってしまいました。
今後の気になる伏線
1話でも登場人物間の伏線のようなものがちらちらと用意されているように感じました。
まず、一番印象に残ったのは、本作の終盤、たこ焼き屋の店主である田所さんと、朝野先生を手助けしてくれた黒瀬先生、この二人に意味深な目くばせがあったところ。二人の過去に何かあることを示唆しているようですが、この辺がどう話に絡んでいくのかも目を離せないポイントとなりそうです。
また、朝の先生が持った、くらげ豆腐の発表時、全てを自分でやってしまい生徒たちの気持ちを潰してしまった事への後悔も気になる所。ここからのさば缶の開発、どうしたって大人たちが絡まなければいけない場面も多いはず。そこで、大人と子供との間に立つことになるだろう先生の行動に、今回の後悔が何か影響を与えそう。
そして、冒頭宇宙を目指した人類の歴史が語られ、その中で2003年の宇宙開発の失敗の件がちらっと触れられていましたが、おそらくこれは、スペースシャトル「コロンビア号」空中分解事故の件を指していた様子。サバ感を宇宙に飛ばすうえで、ささやかなミスが大きな事故へつながる可能性、宇宙食開発におけるリスクと、それに向かい生徒たちの今後の苦労を暗に示しているなんてこともあるのかもしれません。
皆がさば缶を宇宙に飛ばそうと、希望に満ちた状態で終わった1話ですが、それは口に出すほど簡単な事ではないはず。果たして、ここから先生・生徒たちはどのような苦労に向き合っていくことになるのか、JAXAサイドの人物たちとはどのように関わることになるのか、今後の展開が気になるところです。
1話登場 ロケ地情報
1話で登場した範囲で気になった人魚の像や学校と行ったロケ地、クラゲ豆腐が実在するのか?といった情報を調べてみました。興味のある方は是非ご確認ください。



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